特殊能力を行使するには『エネルギー』が必要
さて、僕が持っているとされる特殊能力『rewind time』は時間を撒き戻す能力だ。しかもそれは全世界の人々が時間が撒き戻った事を知った上で過去に戻る世界的な規模で発動する能力だ。
おかげでこの能力が消費する『エネルギー量』もハンバないらしい。なんでも10日、時間を巻き戻すだけで1億ギールくらいで取引されている魔石のパワーを使い切ってしまうらしいのだ。
はい、1億ギールの魔石のエネルギーって1千軒の一般家庭が1年間に消費するエネルギーに相当します。
いや、考えようによっては1億ギールで全世界の人々を10日間も過去に巻き戻すんだからコスパはいいのか?
この世界にいる人の数を仮に10億人と仮定すればひとり0.1ギールで10日間時間移動させるんだもんな。
だがこれはあくまで10日間の巻き戻しに掛かるコストで、巻き戻す時間が増えるとその為に必要なエネルギーは2次関数曲線的に跳ね上がるらしい。
なので1億ギールの魔石を10個使用しても巻き戻せる時間は10倍の100日ではなく50日くらいなんだとか。
だからエネルギー的には精々1年くらいを巻き戻すのがやっとらしい。それだって目が飛び出るほどの金額の魔石を消費しなくちゃならないんだけどね。
もっともお金持ちならば莫大なお金が掛かろうとも個人的な理由で時間を巻き戻したいと願う人もいるだろう。
だがこの特殊能力は個人の目的として使うのは難しい。何故ならばみんなが時間が撒き戻った事を知っているから。
なので賭け事や投資などで一攫千金を狙おうとしても、多分他の人たちも同じように行動するだろうから目論みは失敗するはずである。
なので過去にこの能力を持っていた人も国家レベルで被害が出た自然災害に対してのみその能力を使ったんだと思う。
そう、自然災害って人的にも物質的にも凄まじい被害をもたらすからね。更に復興させるにもお金がかかるから1億ギール程度で全世界の人々を10日間も過去に巻き戻せるならば無茶苦茶コスパはいいはずなのだ。
仮に混乱していて特殊能力『rewind time』を発動させるまでに50日を無駄にしたとしても金額的には10億ギールで済んでしまうし。
なので僕は『ウロナ王立特殊能力開発機構』で特殊能力の研鑚をしている生徒たちの中でもトップクラスの優遇を受けているのだ。
まっ、さすがに最近は白い目で見られる事が多くなったけどね・・。
でもまぁ、それも仕方ないよな。だつて33年間も発現しないんだもの。おかげでこれまで何回も教会の能力判定を受け直しさせられました。
でも結果は全て陽性。おかげで?僕はこの歳まで中学生を続けています。
はい、ニートじゃないからねっ!そこら辺、間違わないでねっ!僕はやれば出来る子なんだっ!・・、多分ね。