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特殊能力『rewind time』

さて、それでは僕が持っている『特殊能力』がどのようなものかをここで紹介しよう。それは簡単に言うと『時間の撒き戻し』である。

はい、SFではよく使われている過去へ戻るというやつですね。別名『タイムリープ』とか『時間跳躍』と言われているやつだ。


もっとも物語で使われているそれらの設定は殆ど主人公本人『だけ』が過去に戻る。だが僕の特殊能力『rewind time』は世界規模だ。つまり全世界の人々が時間が撒き戻った事を知った上で過去に戻るのだ。

これには当然賛否両論がある。まぁ、順調に人生を歩んでいた人にとってはいらぬお節介だろうし、逆に大失敗をしでかした人にとってはやり直せるチャンスを貰ったようなものである。


とは言え、大抵の人は『時間の撒き戻し』をあまり嬉しいと思わないはずだ。なんせ愛する人を不治の病で亡くした人は再度その悲しみを体験しなくてはならないし、巻き戻る時間がちょっと足りなかった人は「なんで後3日戻さないんだよっ!後3日巻き戻れば大失敗を回避できたのにっ!」と悔しがるはずだからだ。


そんな様々な人々の思惑に関係なく全ての人々を巻き込んで時間を巻き戻すのが僕の特殊能力である。まっ、まだ使えていないんだけどね。はい、今の所は『絵に描いた餅』です。

でも過去にはこの能力を持っていた人もいる。そしてその人は様々な自然災害に対してのみその能力を使ったらしい。


なので当時の人たちはこれから起こる自然災害に対して備えたり避難する事が出来たんだとか。まっ、本当ならばここは自然災害自体を未然に防ぐ能力が欲しいところなんだろうけど、さすがにそんな事が出来るのは神様くらいである。

と、まぁ、このように僕の特殊能力は社会としてもすごくありがたい能力なのでみんなからの期待値もとても大きいのだ。


だが、社会的にそれだけ意味があり、尚且つ影響力のある能力ってのは一筋縄では開花しない。いや、単に僕の要領悪くて発現しないだけという可能性はあるが、そこは敢えてスルーしよう。

そうゆう訳なので、中学入学以来33年も能力が開花しないにも関わらず、国家は僕を中学から放り出さずに辛抱強くその時が来るのを待っているのである。


まぁ、これが一般の会社だったらあっという間にクビだろうけど、国家という規模の大きい組織にしてみれば人独り無駄に養うくらいはどうという事がないのだろう。

実際、この33年間で僕に掛かった経費は多分3億ギールくらいだろうしね。こんな金額、災害で失う人的損害に比べたら屁でもない。


なので僕は半分飼い殺し状態で今も中学校に在籍しているんです。はい、現在46歳ですが、それがなにか?

確かに僕は働いていないけど、いつかはでっかい事を成し遂げてやるぜっ!

その為には色々と経験したり勉強しなくちゃならないっ!33年間はその為の準備期間だったのさっ!


はい、僕はやれば出来る子なんだっ!まっ、多分ね。・・はははっ、出来たらいいなぁ。だって今の僕って結構針のムシロなんですけど?

むーっ、みんなからの冷めた視線がイタイぜっ!

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