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僕は中学33年生

中学33年生・・、これが今の僕の社会的肩書きだ。とは言っても別に30年間落第し続けている訳ではない。ちゃんと進級している。ただこの第44異世界の中学校には普通に33年という学年があるだけだ。

もっともこれは僕の通う中学がちょっと特殊だからという注訳が付く。そう、僕の通う中学は入学時に自分で掲げた目標を達成しない限りずっと『卒業』できないシステムなのである。


なので入学時に『世界平和』とか『世界制服』なんて高尚な目標を掲げちゃうとどツボにはまる。

うん、今の僕がまさにそれだね・・。ははは、「認めたくないものだな、自分の若さ故のきれい事は。」


で、そんなちょっと変わったシステムな中学校の名は『ウロナ王立特殊能力開発機構』と言う。うん、名前に中学という文字が入っていないけど、ちゃんと国家が義務教育課程の中学校として認定している正真正銘の中学校です。

因みに中学なので生徒たちの学費は国家持ちだ。勿論給食もタダである。いや、正確には給食費は請求されるんだけど国家の『特殊能力育成機関』というところが代わりに支払ってくれるのだ。


そしてこの中学は、公立の中学校なのに『学区』というものがない。いや、正確にはあるのだがその範囲は『ウロナ王国』の領土全般という、それって学区の意味ないよね?というものだ。

なのでこの中学には毎年ウロナ王国全土から入学希望がある。もっともその殆どは入学試験でハネられるから実際に入学してくるのは少数先鋭のエリート候補たちである。


そして全国から新入学生を集める関係からこの中学は『全寮制』だ。つまりこの中学の生徒は全員親元を離れ、学校が用意する『寮』にて共同生活をしているのである。

因みにこの寮の寮費や諸経費もタダだ。いや、実際には請求されるんだけど、こちらも特殊能力育成機関が支払ってくれるのである。


おかげで僕はこの中学に入学して以来、学校にお金を支払った事がない。それどころか試験の成績によっては特殊能力育成機関から『奨励金』が支給されるのでお小遣いにも困った事がないくらいだ。

まぁ、それは僕が優秀だからで、試験成績が芳しくない生徒たちは貰える額が少ないから結構ピーピー言っていたりする。


それでも学費や寮費、及び生活費の殆どがタダなこの中学校生活は、他校の中学生たちからしたら羨ましい限りだろう。

でもそれも僕らが『特殊能力』を持っているから故の特権なのだ。

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