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前世で呪術師だった俺、異世界に転生して神樹になる。~まぁ呪術も使えるし好き勝手やるか~  作者: 揚羽常時


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第37話:牛乳があることはいいことだ


「ハニーカフェオレ……ね」


 帝都ではちょっと荒れている情報が漏れていた。何かといえばサークラーダファミリーについてだ。国営の銀行と経済領域がかぶるらしく、抗争に発展するのどうの。とはいえ銀行には手が出せないらしい。軍隊が守っているので、迂闊に戦端を開いたら、そもそもマフィアそのものが潰されかねない。となると。


「あぁ! みかじめ料が払えないだぁ!? 誰のおかげでここで商売できていると思ってんだよ!」


 当座の標的は商人とか市場そのものになる。キャッシュカードが普及すると、違法的な金銭取引は全て成り立たなくなる。そういう意味でもキャッシュカードは有益ではあるのだが。


「お前ら! 俺らサークラーダファミリーに楯突こうってのか!」


「やめんさい」


 で、俺は、その三下にツッコミを入れる。


「なんだぁ! テメェ」


「懐かしいな」


 たしかゴルバニアファミリーもこんな感じだった。


「サークラーダファミリー……でいいのか?」


「当たり前だろ! 俺らを知らないとかモグリか!」


 まぁ別に知らんでもいいのだが。


「カツアゲで金を巻き上げようなんて犯罪だぞ」


「それは俺らサークラーダファミリーが決めることだ!」


「ということはサークラーダファミリーは国の法律よりも上にあるのか?」


「当たり前だろ。仁義も切らずに商売できると思ってんじゃねえ!」


 その仁義なるものがいったいどれほどの説得力を持つのか。俺にはよくわからんのだが。


「だからってカツアゲをしていいって法律は無いと思うんだが」


「テメェの知ったことか!」


「確かに」


 それはその通りだ


「それともテメェがみかじめ料を払ってくれんのか?」


「金がねぇ」


 それは事実だ。


「じゃあ黙ってろ!」


「とは言ってもルールがあるわけでもないんだろ?」


「俺らがルールだ!」


 そう言い切れるだけでも凄いっちゃ凄いんだが。そう思っていると、軍隊が来た。俺はそこを察知する。


「ほら。そこは温情を」


「テメェが何思っているのか知らないが……」


「カツアゲは法律で禁止されているのでは?」


「はっ! 誰が裁くってんだ?」


「そこの軍人さんとか?」


 と俺が後ろを指差すと、そこにはバーングレイス帝国の軍人さんが。


「―――――――――ッ」


 そうしてみかじめ料を徴収しようとした三下は連れていかれた。そうして国とサークラーダファミリーの抗争が始まった。あくまでバーングレイス帝国では国が運営しているので銀行の頭取である俺には飛び火しないが「じゃあいいですよね」と言える話でもなく。


「アーゾル様から教えてもらった和風ワープで助かっていますよ」


 イゲムントも襲われたらしい。ただし瞬間移動で事なきを得ていると。呪術誓約で和風ワープだけ覚えているのもいいことだったらしい。


「さて、そうすると」


 チラリ、と俺はルミナスを見る。彼女に何を言うべきか悩んでいると。


「…………ママ……困ってる?」


「困ってるかと言われると困ってはいないのだが」


「…………本当は?」


「困っております」


 実際には困っていないのだが、それを言っても無粋か。


「…………じゃあ……私は……何をすれば?」


「腰痛めてもいいんだが」


 腰痛。それによる報復。


「ハニーカフェオレ飲むか?」


「…………いただく」


 そうしてハニーカフェオレを飲むルミナス。俺もその隣で牛乳を生で飲んでいた。やっぱり牛乳はエデンガーデン連邦でも欲しいな。牛でも飼うか? 牧草はパーフェクトプラントであればいくらでも生み出せるしな。


「…………ママが困ってるなら……私の仕事」


畏怖イフ……か」


「もしもサークラーダファミリーの構成員が腰痛に悩まされたら」


 もしも、と付ければあらゆる事象を実現可能な術式。もしも箱なみに汎用性が高く、あらゆる事象を可能とする万能性。ほぼ最強ってルミナスでいいのでは? そんなことすら思う。


 さて。


「ぐ……おぉ……」


 そうして市場に出て、いつものように状況を見ていると、サークラーダファミリーの三下が腰痛に悩まされているのを見て取った。さすがにルミナスの術式は絶対らしい。俺としても同情の余地はあるが、それはそれとして十字を切りたくもなる。


「お前ら……サークラーダファミリーの加護も無く……商売できると……ぐぅ!」


 腰を痛めたサークラーダファミリーの構成員が何を言っても、あまり意味はないだろう。腰をやっているだけでも俺としては悲しいねと言いたい。


「ぐ……ぅ……」


「大丈夫ですか?」


 その三下に話しかける。


「同情するんじゃねえ……」


「そうですか。腰が痛いんですね」


 まぁ汚染系統の術式……ルミナスの畏怖イフを使われただけでも悲しい出来事な気がするが。


「テメェは何だ?」


「アーカーバンクの頭取です」


「そうか。テメェが!」


 それで全てを察したのか。ナイフを握って三下は俺を刺そうとし、


「てい」


「ぎやぁぁああああああ!」


 俺の腰蹴りで悶絶した。


「おまえぇ……テメェが全ての元凶……」


「だな。ただ抗争するのは止めた方がいいぞ」


「腰が痛いのもお前の仕業か!」


「否定はしない」


 別段隠すことでもないし。俺的にはルミナスの術式を開示する理由もない。


「さて、そうすると」


「テメェは殺す! 絶対殺す!」


「可能か?」


「不可能と思うか?」


「まぁ」


 思わない方がどうかと思うが。俺の術式は陰陽二兎インフィニット。あらゆる全てを反転する。であれば物理防御において俺以上は存在しない。


「そこまでわかってんのかなぁ」


 それを分かっているか否かで、決着の方法も違うのだが。まぁそれは俺の言うことでもない気はするのだが。


読んでくださりありがとうございます!

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