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プロローグ
この生活で僕は色づいた青春をおくれたのかは解らないけれど僕は楽しい青春を君のおかげで過ごせたと思うんだ。
桜の花びらが青空の下、ひらひらと舞い落ちる。僕はその光景を記憶する。
今日は高校の入学式だ。僕は美術部に入ることにしよう。前を向いて一歩ずつ懸命に歩き続ける。眼下には自転車で楽しそうに登校する学生がいる。心が共鳴する。人は常に思い続ける。あの人みたいだったら良かった。あの人みたいになりたいと。僕の意識が朦朧としてきた。しかし、僕は自分を鼓舞する。心に唱えるのだ。君なら大丈夫、と。確実に高校に近づいてきた。そこには桜の花びらが無数に散っている目前の高校が存在していた。僕が生きていると感じさせる光景だ。いつかこの景色を表現してみたいと感じた。世界は生きている。
数式みたいに。
自然みたいに。
この空を仰いでみた。
澄んだ水色だ。
入道雲が南へ移動している。
僕は校門に入った。