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浮気を繰り返す彼氏とそれに疲れた私

作者: 磯辺 玲

サブタイトル:紫陽花


 

 彼氏の家にある見覚えのない女物のピアス。

 浮気の証拠を見つけ、何も思わなくなったのはいつだっただろう。



 何度言ってもやめない浮気、

 上辺だけの謝罪。




 どうせ何をしても許されると思っている馬鹿な人。




 8年という歳月はいい思い出も悪い思い出も、

 加えて要らない情さえ芽生えてしまう。

 好きとか、嫌いとか、そういうのとは違う。



 今別れたら結婚が、とか。出会いが、とか。

 彼しかいないのでは、という思い込みが大きく根を張り。



 さらに周りからの結婚の催促、年下からの好奇の目。

 結婚、結婚、結婚。

 良い年齢なんだからという言葉の呪縛。




 果たして結婚ってそんなに大事なのだろうか。




 子孫繁栄、親孝行、老後の心配。理解はできる。

 しかし、「結婚はいい」と笑顔で話すあの人が社内の若い女性社員と不倫しているのを知っている。

 「子どもは可愛い」と言って写真を見せてくる主婦がSNSで夫の不満を毎日垂れているのを知っている。




 我慢、妥協、結婚にそれらが必要なのも分かる。

 けれど結婚前から浮気を繰り返す男との未来に「幸せ」は存在するのだろうか。




 幸せの価値観は人それぞれだ。

 だけど私より他人を愛する人と添い遂げる未来に、私は幸せを感じない。



 「浮気される方にも問題がある」という人もいる。しかし本当だろうか。

 そのような言葉を言う人が実際に自分が浮気される立場に立った時、果たして同じことが言えるのだろうか。



 浮気する人は一度やったら繰り返す。

 恋人、パートナー、その存在を片隅に別の人とする恋愛の真似事は、行為は、

 さぞ背徳感があって気持ちがいいのだろう。

 その背徳感が忘れられないのだろう。



 バレなかったから、バレても許してくれたから。

 そんなこと言っていられるのは今だけだよ。





 どうぞ、背徳感を楽しんで。




 私という存在がいなくなってから少しはこの8年を振り返ればいい。





 後悔するかな。してもしなくても私には関係ないけど。





 「好き」という感情は長くは続かない。




 「情」も育てるにはそれなりの養分がないと枯れてしまう。





 さよならバイバイ。幸せになってなんて絶対言わない。





 私の方が貴方より1億倍幸せになるし、貴方は楽しく地獄へどうぞ。






 人気(ひとけ)のない彼氏の部屋で置いていた自分の荷物を持ち、

 テーブルの上に合鍵を置く。








 午後8時、ケータイのバイブ音が鳴る。

 画面は”元”情をあげていた人。





 






 

読んでくださり、ありがとうございました!

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