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私と出会ってご愁傷様  作者: 織田 枕
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それは何者か

足元に広がる膝下ほどの草原になじみとは程遠い感触を覚えながら、とりあえず電波が通らないことで使えない文明の利器と認識できなくなったスマホで目の前の写真を撮ってみる。

どんなに眺めても自分の見知った光景ではない。大学までの道やうちから徒歩一分のスーパーまでの道中にもこんな景色は広がらない。なんなら今までロシアの遊牧民が過ごしていそうな写真でしか見たことがないような光景だ。

「いや、ここどこやねん」そのままの考えがつい口から飛び出してしまうが、周りには人はおろか動物も見当たらない。その状況が余計にいやな想像を掻き立て、とりあえず頭で出た疑問を口に出してみる。


「えーと、待てよ、家にいて、iPadでユーチューブを見てたよな?、そっからお風呂に入って、、、、、

あ゛あ゛あ゛ーーーー、お風呂に入ったまま寝ちゃったんだ。てぇーいうと、え、死んだ?死んだの私?今までお風呂で寝落ちしても全然危機なんて感じなかったのに。死因溺水か。いやだな。一人暮らしだし絶対見つかる時には体腐敗しまくってるじゃん。

じゃあここは死後の世界?え存在すんだ?ずっとここに私1人?待ってそれなら、スマホまで持ってこれたなら電波も通っててあれよ。まだ見てない韓国ドラマの続きがあるのにーーー。これからどうやってここで1人の時間を潰そう」


死んだことを嘆くより、今の状況に対する疑問が大きすぎるためにどう動くべきかという考えしか出てこない思考回路に私は私だなと死んでも変わらないことに逆に安心を覚えていると、いきなり私だけだと認識していた空間にそおっと肩に触れる感覚を感じた。

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