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私と出会ってご愁傷様  作者: 織田 枕
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プロローグ

 今まで思わせぶりな態度でさんざん人をもてあそんできたことについて迷惑をかけてごめんなさい。だからこんな状況に陥らなければなくなったというのも理解したくないけど理解できるし、受け入れられないけどしょうがないなって頭の隅では考えている。でもやっぱり頭をよぎるのは、なんであの子はいいのに私はダメだったのーーというすてきれない独りよがりの想いばかりだ。


 ここ最近新学期が始まるまでの深夜、yutubeを見続けて一日をつぶしている。活動し出すのはトイレと一人暮らしゆえの腹を満たすためのキッチンに立つことくらいだ。そんな不健康極まりない夜を一人で過ごして二週間は経っただろうか。コーヒーが入った350㎖のマグを机の上に、パソコンでAV見てる。ひとりで。しけた大学生活を送っているとは思う。けど人間そう簡単には変われない。彼氏と一緒にクリスマスを過ごせるような人間関係を構築するのに向いていない人種なのだということに最近やっときづいた。大学では、お昼を一緒に食べる友人はいるにはいるが、それもその子にとっても一人で過したくないという同じ思いを持つ同士だ。主役を張るのに向いてない。わかっている。

小さい頃のような自分は周りとは違う、特別なんだ、そういう厨ニ病めいた思考ももう折り合いをつけられている。だから、家から今日は一歩も出てない私が、そよそよと頬を撫でる風が気持ちいいななんて感じること自体ありえないし、足元に感じるフローリングとは違う柔らかい感触がより思考を加速させる。


 みんなと同じようにモノトリアムに守られて生きてきた。しかし、自分の人生を若輩ものながらに振り返ってみたら、虚しさしか感じない。高校時代、教室の隅で息を殺すように生きてきた。大学生という過ぎ去った今だから言えるのかもしれないが、本当に楽しくなかったなと思う。自分がもっと容量のいい人間だったなら、周りの友人たちと切磋琢磨しながら今とは違う思いや経験をできたのではないかと、つらつら考えてしまうのは、目の前に広がる現実に脳が拒否しているからだろうか。


見渡す限りの青空と膝下まで伸びている若草色の草原が広がっている。どこかの牧羊民族が駆け回っていそうなのどかな空気が地平線までつづき、文明の利器は見つからない。

「おっかしいなぁ〜(笑)」出てくる言葉は、頭を巡る考えとは違いバカみたいな感想しか出てこなかった。




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