愛を覚えている
星屑がさんざめくのと
おなじくらいの哲学さで
脳に刻み込まれている
暮らしとしての愛が
指先、星屑が絡まる季節の、
時間飛行は感覚により
わたしは空飛ぶやかんのように
まるで間違いなんてないみたく
平然とした面持ちで
冬の夜を
征くのである
朝焼けは未だ見ず
ただ夜だけがたしか
ひかりがあるのと同等に
くらやみがわたしの内部にあること
愛の由来は
ひかりか、くらやみか
という
何百遍も訊ねたことには
夜のたしからしく
よりたしからしくなるのが
凍てつくほど怖しかったのである
くらやみから
生活のにおいがする
ひかりには実体がない
からだの内部の黒々としたかたまりに
おもさを感じているのは
愛を覚えているからなのか。