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プロローグ
「ちょっと早く来すぎたか」
時刻は八時半。待ち合わせ時間の三十分も前だ。いや、しかし女の子を待たせるわけにはいかないし。余裕を持って正解だ。遊園地の入り口で待っていると、次々と仲睦まじいカップルや子供連れの家族が園内に入って行く。前まではそんな光景を見てもなんとも思わなかった。だが、今はそんな気持ちもわかる。
照りつける太陽がジリジリと肌を焼いた。
「あ、駿之介くーん!」
声のした方向を見ると、遠くからローナが走って来た。俺の前まで走って来たローナは、息を切らした。
「別に、そんなに急がなくて良いのに」
ローナは白いワンピースにサンダルを履いている。ワンピースから細くて白い腕が見える。走ったからか、額に汗をかいていた。
「駿之介くんが先に来るなんて予想外でした」
「そ、そうか」
「はい!」
俺を見たローナが笑った。か、可愛い。
まさか俺が、こんなに可愛い娘とデートする日がくるなんて、夢にも思わなかった。そう、あの事件が起きるまではーーーー