●とある夜・チャットログ
――――Justiceがチャットルームに入室しました。
Justice:おまたせ。
Yu-Min:あ、来た来た。どうしたの今日は?ちょっと遅かったね
Justice:初見の家で勉強しててさ。そのまま話し込んでた。ごめんごめん。
Yu-Min:ちょうどいい感じじゃないかな。二人ももうすぐ来ると思うし
Justice:既にログインしてるみたいだしな。
Yu-Min:うんうん
――――Prunusがチャットルームに入室しました。
Prunus:記念カキコ
Yu-Min:いや、だからww身内ギルチャに他人のフリして入ってくるのやめましょうよwww
Prunus:和泉くんはインしてないのか?
Yu-Min:ついさっきまでいたんだけど。飯だから一旦落ちるって。
Prunus:そか。なら私もコーヒーいれてくる
――――Prunusのログイン状態が「退席中」に設定されました。
Justice:けど、和泉の家って夕飯遅いんだな。
Yu-Min:そうだね。お父さんが帰り遅いとごはん遅い……みたいな話は前聞いたことあるけど
Yu-Min:てゆうかJusticeもさらっと本名晒さないww
Justice:まぁ、ギルチャなら平気じゃないか?公開発言ならともかく。
Yu-Min:それでもさwwなんか、ゲームのチャット画面で「和泉」とかって表示されてるとヘンな感じするよw
Justice:そりゃあ確かにw
Justice:でもユーミンにJusticeって言われるのもヘンな気分する。
Yu-Min:うーん、ならいいけど。公開しないように注意してくれれば
――――Prunusのログイン状態が「オンライン」に設定されました。
Prunus:というかユミ君の場合はハンドルと現実のあだ名が同じなわけだし
Yu-Min:まぁ、それは……、
Prunus:よっぽど気に入ってるんだな
Justice: あれだけ呼ばれてればなぁ。
Yu-Min:まぁねw
Prunus:ジャスティス君が私のつけたあだ名を気に入ってハンドルにしているように
Justice:逆、それは逆w
Yu-Min:またさりげなく捏造するしなぁww
Yu-Min:てゆうか桜さん、なんでツトムのことは現実でもハンドルで呼んでるの?
Prunus:なんとなくだ。ユミ君もハンドルで呼んで欲しいか?
Yu-Min:いや、もう呼んでるじゃん!それに僕の場合はハンドルがあだ名になってるんじゃなくて現実のあだ名の方が先で……ってもう、ややこしいなぁ!
Yu-Min:そして、なんでこんな改めて言わなくてもわかること言ってるんだ僕は!
Prunus:おいしい立ち位置だ
――――Mephistoがログインしました。
Justice:お、和泉も戻って来たな。
――――Mephistoがチャットルームに入室しました。
Prunus:和泉くんちょうイケメン
Yu-Min:いきなりwしかもネトゲ上でもそれ言うからなぁ……
Yu-Min:あ、和泉おかえりー
Mephisto:メシ食ってて遅くなった。あのクソオヤジが
Yu-Min:晩御飯なんだったの?
Mephisto:しょうが焼き
Yu-Min:おいしそうだね
Prunus:イケメンなのにしょうが焼きなんて食べるなよなー?
Justice:ムチャクチャ言うなこの人はw
Prunus:そして私はチャーハンだ
Justice:そして聞いてもいないのに答えるしw
Yu-Min:しかも三日連続炒飯ww
Prunus:自炊あきた。たまには西野屋のとんかつが食べたいなあ
Mephisto:また行くか?
Prunus:是非ご一緒させてください旦那様orz
Yu-Min:行ったことあるんだ?和泉
Mephisto:場所教えたのオレだし
Yu-Min:……やっぱ高いの?
Mephisto:普通じゃね
Justice:いくら?
Prunus:特ロースで2k
Justice:げっ
Yu-Min:高いww
Mephisto:フン、ザコどもめ。あんぐらいの味ならこれくらいが相場だぞ
Yu-Min:和泉相変わらず金遣い荒いなぁ
Prunus:ブルジョワぶりやがって。
Yu-Min:ちなみにブルジョワってのは中産階級って意味で
Prunus:それじゃ、準備も済んだことだし狩りに行くとしようか
Yu-Min:あ、待って。僕ジェム下ろしてくるから
Mephisto:なんでチャット中にやっとかねえんだよ?そのために倉庫番の近くにルームキープしてんだろうが
Yu-Min:っていうかみんなどうしてチャットしながら準備できるのさー!?
Mephisto:才能
Prunus:嫁的力
Yu-Min:いやいやいやww
Yu-Min:ツトムは?準備しながら喋ってる?
Justice:や、俺は今はチャットしかしてないよ。アイテムとかはもう持って来てる。
Yu-Min:さすがツトム……用意周到だ
Yu-Min:僕もそういうところ見習わないとなぁ
Mephisto:いいからお前もとっとと用意しろや。置いてっちまうぞ
Prunus:まあ、ユミ君置いてったら火力不足で間違いなく全滅だがな、私たち
Yu-Min:そういえば、どこ行くの?決めてないよね?
Justice:まったり行くならどこでもいいよな。
Justice:欲しい素材とかある人いる?
Mephisto:オレ竜石集めてえんだけど
Prunus:スケイル用か?
Mephisto:スロット付きのな
Yu-Min:あぁ、実装されたんだっけ。クエストアイテムなんだ?
Mephisto:しかも魔剣士ギルド限定。時代がオレに味方してるぜ
Justice:じゃあ、北側から山登りしてくか。途中洞窟くぐれば経験値的にも悪くないし
Yu-Min:オッケー、んじゃ青ジェムたくさん持ってくるよ
Prunus:私も一応用意しとこう。攻撃もできるように
Justice:エンチャンターってソロだと火力どんなもんなの?
Justice:俺全然知らないからさ。
Prunus:私の場合、上手いこと弱点突けばアベレージ5000ってところだ
Justice:マジで?騎士の俺より全然高い。普通にソロ狩りいけるじゃん。
Prunus:けど、重力置くか磁力使って逃げ続けるしかないから囲まれたら終了という厳しい業界だ。タイマン専門。やっぱ前衛いるの前提だな
Mephisto:てか、重力と磁力専門のエンチャンターなんて普通いねえから。五大元素一つも持ってないなんて頭おかしいと思われるぞ
Prunus:仕様上サブに回されがちな架空元素をメインに持ってきている辺り、私のセンスの良さが光ってるだろう?
Mephisto:マゾいの間違いだろ
Justice:まぁまぁ、こうやって実際四人でヴィーヴル狩れるのも桜さんのスキルあるからなんだし。
Mephisto:盲点だよなあ。毒ブレスがダブルアクセルで回避可能なんてBBSに書き込んだら超流行るんじゃねえか?
Prunus:公式に補足された後に修正パッチが出るだろうな。結果、私のキャラがただのゴミに
Mephisto:それはそれでお前的にはおいしいんだろ?
Prunus:そしたら次は、ステルス専門の武者でも作るか
Justice:だからなんでそんなマニアックな性能……。
Prunus:プレイヤースキルが発揮される感じじゃないと燃えないんだ
Justice:そんなもんかなぁ。
Prunus:自分も動かないとイケない
Yu-Min:おまたせ
Mephisto:おう、飛んで行こうぜ。歩くのめんどくせえから
Justice:せっかくユーミンいるしな。
――――Mephistoがチャットルームから退室しました。
Prunus:あぁん、スルーなんて
Yu-Min:ww
――――Prunusがチャットルームから退室しました。
――――Yu-Minがチャットルームから退室しました。
――――Justiceがチャットルームから退室しました。
Yu-Min:んじゃ飛ぶよー。ほいっと
――――移動します。
Mephisto:んじゃ、ヴィーヴルメインでザクザク狩ってこうぜ
Justice:あんま前出すぎるなよ?おまえ装甲ないんだから。
Mephisto:てめえがしっかり回復してりゃいい。桜、エンチャント!
Prunus:はいはい、座標合わせるから動いちゃダメだぞっ
Mephisto:だぞっとか言うな……。なんでいちいちうざい言い方するんだお前
――――Mephistoがエンチャント・グラビティ状態になりました。
――――Mephistoがエンチャント・ダブルアクセル状態になりました。
――――Justiceがエンチャント・ダブルアクセル状態になりました。
――――Yu-Minがエンチャント・ダブルアクセル状態になりました。
――――Prunusがエンチャント・ダブルアクセル状態になりました。
Yu-Min:重力付けた抜刀で与ダメ一万超なんて、こんな乱暴な狩りのスタイル確実にうちらだけだよね……
Yu-Min:ヴィーヴルの猛毒ブレスもダブルアクセルつけるとなぜか無効化されるっていうバグだのみだしw
Justice:そもそも架空専門のエンチャンターと、近接専門の魔剣士なんてまず揃わないしな。
Yu-Min:だね。和泉もせっかく魔剣士なのに補助スキル全捨てで、近接系のスキルしか覚えさせてないし
Justice:しかも暗黒装備だし。
Yu-Min:ダメージ与えることしか考えてないねw
Justice:その装備とスキルなら数値的には魔剣士の方が騎士とか武者よりずっと攻撃力高くなるからな。
Yu-Min:防御も回避もないから誰もやんないけどねw
Justice:STRとDEXの二極だもんな。なんてアホスペック。
Yu-Min:アホスペックだねww
Mephisto:ガタガタ言ってんじゃねえよ。他のジョブが使える補助スキルなんざ使えたところで楽しくもねえだろうが
Yu-Min:でも、それがあるから魔剣士強ジョブなのに……
Justice:単純な近接戦闘の性能は前衛職の中ではむしろ低い方だしな。
Mephisto:知るか。殲滅力こそ前衛のロマンだ。しかも固有スキルで威力も高いなんて最高じゃねえか
Prunus:魔剣士の固有近接スキルは与ダメ補正値がかなり低めに設定されているからな
Justice:それをメインに使えば他のジョブよりダメージが伸びやすいってわけだ。
Yu-Min:でもそれですぐ死んじゃってたら意味ないよ。せめてもうちょいバランスいいステ振りすればいいのに
Mephisto:黙れ。っつうか、そのためにお前らがいるんだろうが。キリキリ働け!
――――Mephistoがエンチャント・マグネティック状態になりました。
Prunus:キリキリ働く理想の嫁
Mephisto:無意味なエンチャントつけんな!このフィールドで磁力つけても有利になる敵いねえだろ!
Prunus:この状態でユミ君が雷出せば、その度に和泉くんが吸い寄せられていくというオモシロ展開に
Mephisto:面白くねえよ!死ぬだろ!一人でくだらんことするな!
Mephisto:いいからお前ら、オレが殺しそこねたヤツちゃんとフォローしろよ?
Justice:任せろ。
Yu-Min:任せといて
Yu-Min:セリフかぶったw
Justice:かぶったなw
Prunus:仲良いなあ君たちは
――――Justiceがエンチャント・マグネティック状態になりました。
――――Yu-Minがエンチャント・マグネティック状態になりました。
Yu-Min:磁力ww
Prunus:友情・磁力・勝利
Justice:まぁ、付き合い長いしな俺ら。
Yu-Min:よくあることだよ
Mephisto:ねえよタコ
Prunus:素直じゃないなあ
Yu-Min:素直じゃないね
Justice:素直じゃねぇな。
Mephisto:うるせえ
――――Mephistoがエンチャント・マグネティック状態になりました。
Prunus:これで仲良くしろ
Mephisto:うるせえよ!手元狂わして殺すぞ
Mephisto:っつうか、ああクソ!また9000代じゃねえかよ!
Justice:ヴィーヴルHP八千ちょいなんだから余裕だろ。
Justice:ってか、単発でそんな威力出るのっておかしいからな。
Mephisto:俺は一万超出したいんだよ!
Yu-Min:もうすっかり与ダメ感覚マヒしてるねww
Yu-Min:あ、ツトム。北の方からもう一体来てるよ!止めて
Justice:おう!探知サンキュ。
Prunus:いやー、しかし改めてこの四人のバランス完璧すぎるなー。
Yu-Min:僕が索敵したヴィーヴルを和泉と桜さんが各個撃破で、ツトムがガードと回復でサポートだもんね
Justice:それ以外の敵は桜さんが重力置いて固めたところをユーミンが範囲魔法で一通りやっつけてくれるしな。
Mephisto:ユーミンが後衛ってのは普段のキャラそのまんまって感じだな
Yu-Min:だって、和泉もツトムも前衛だしさ……
Prunus:私は偏った支援魔法しか覚えてないしな
Yu-Min:そうそう。和泉たちだけだと囲まれたら終わりなんだもん
Prunus:雑魚散らし役だな。単発火力では私と和泉くんの愛のチカラで十分だし
Yu-Min:その分、回復とか支援に余ったポイント回してるけどね
Yu-Min:おかげでウィズなのに攻撃ショボイっていうw
Justice:悪いなユーミン。いつも助かってるよ。
Justice:和泉の装甲紙すぎて、俺一人じゃフォローしきれない。
Yu-Min:あ、いや、謝んないでよ。前衛の和泉をガードし続けるだけで十分すごいんだから。ツトムは
Yu-Min:それに、僕的にも色々できて楽しいんだよ?索敵とか転送とかさ
Mephisto:器用貧乏すぎて、余所だと完璧役立たずだけどな
Yu-Min:うるさいなー!ww身内以外で居場所ないのは和泉だって同じだろ!
Mephisto:バーカ。火力さえありゃあ腕のいい支援がいれば活躍できんだぜ
Prunus:私もネタ的に面白がられるから結構歓迎される
Mephisto:お前は必死にカワイコぶってるだけだろうが
Prunus:はにゃ~ん☆
Yu-Min:え?ウソ?僕ひとり行き場なし!?
Justice:心配すんなよ。ユーミンは身内狩りで大活躍してんだから。
Justice:ユーミンが狩り行く時は呼べばいつでも俺がついてってやるって。
Yu-Min:うぁ、ツトム……、あ、ありがとう
Prunus:というか、私ら四人の中でソロ狩りできるのはジャスティス君だけだな
Justice:和泉も桜さんも防御力低すぎるんだよ。AGIもないから回避もしないし……。
Mephisto:おう自慢か?これだからVITメインのノロマ野郎は
Justice:うるせぇよ。ダメもらうと数分間座ってないと全快しないくせに。
Mephisto:薬があれば時間なんかいらねえ。てめえの努力は金の力で解決できるんだよ
Yu-Min:……暗黒魔剣士なんて装備の維持費で万年金欠なのにね
Prunus:金欠で思い出した。あー、西野屋のとんかつたべたい
Mephisto:……まだ言ってんのかよこいつは
――――Mephistoがエンチャント・マグネティック状態になりました。
Mephisto:だから磁力はもういらねえよ!
Prunus:友情・磁力・勝利
Yu-Min:桜さんそのギャグ気に入ったの?ww
Justice:美味いとんかつかぁ。興味はあるけど、二千円じゃなぁ。
Mephisto:けどマジでうまいぜ。アレ
Prunus:だな。出す価値はある
Justice:テスト終わったぐらいに行こうか。
Yu-Min:いいねー、行こうよ。加山たちも誘って
Prunus:テストと言わず明日行こう。明日そっちは半ドンだろう?
Justice:桜さんは休み?
Prunus:自主休講
Mephisto:行けよタコ。大学。ズルばっかしてんな
Prunus:セオリー外の作戦とも言う
Mephisto:うるせえ。いいから行っとけ。今日もサボったんだろお前?
Prunus:おりょ?何故知ってるんだ?私の心読んだのか?そんなに愛してるの?
Mephisto:お前があの後に自主的に行くわけねえだろうが
Prunus:ま、私の欠席率は秘密だけど、和泉くんへの愛情はダダ漏れだけどね
Mephisto:聞けよタコ!実家帰って親に怒られたんだろ? また桃に心配されんぞ!
Prunus:ジャスティス君。和泉くんが私をストーキングしてるようだ。タイホしてくれ
Mephisto:つべこべ言ってねえで、いいから明日は出席しろ!来るならそれから来い!
Mephisto:大体お前、土曜はダルいからひとコマしか入れてないって言ってたろ!ならそんぐらいちゃんと出ろ!
Prunus:はーい。ちぇ、和泉くん今日はやけに厳しいなあ……
Yu-Min:まぁ、単位大丈夫ならいいんじゃ……
Prunus:いいんだユミ君。私はそんなところも含めて、この人と一緒になったんだから
Prunus:あ、ちゃんと出席して単位取ったらご褒美にちゅーしてくれ和泉くん
Justice:とりあえず、明日お昼に集合ってことでいいんじゃないか?
Yu-Min:そうだね。
Prunus:あぁん、ダブルでスルーなんて。もう一人で枕濡らす!色んな液体で濡らす!
Justice:ただ予告なしで二千円はみんなキツイだろうから普通にファミレスとかがいいと思うけど。
Justice:桜さんも今回はそれでいいか?とんかつは学期末とかに行こうぜ。桜さんが無事単位取ったお祝いにさ。
Prunus:構わんよぉ。行こう行こう。初見ちゃんもユキ君も呼ぶがいい
Mephisto:へっ、加山と島本には用ないらしいぜw
Prunus:ふんだ。そんないじわる言う和泉くんなんか嫌いだもんっ
Mephisto:ここぞとばかりにぶってんじゃねえよ!
Prunus:……。彼女に優しくしないペナルティ~
Mephisto:あん?
――――Mephistoがエンチャント・ヘヴィウェイト状態になりました。
――――Mephistoのエンチャント・ダブルアクセル状態が解除されました。
Prunus:ダブルアクセル解除
Mephisto:って、コラァ!死ぬ死ぬ!うおお、毒だけでHP七割減った!ツトム回復!
Justice:文字だけだとますます本来のキャラわかんねぇなw
Yu-Min:ネットって、怖いなぁ……ww
Mephisto:バカ!早くしろ!こっちは死にそうなんだよ!
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