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第1話 正しい超能力の使い方  吉川美波 編

 いきなりですが、下ネタ注意です。本作はかなり下ネタのオンパレードです。大変申し訳ないです。


 しかし、何の意味もなく下ネタ話を書いたわけではありません。もちろん理由があってのことです。その理由とは、『TSF作品で異性になった時のデメリットを書いてみよう!』なのです。


 通常のTSF作品では、男の子が女の子になって(女→男のパターンも少数ありますが)周囲の人間たちにちやほやされて、お姫様気分で嬉し恥ずかしな気分を味わうことが多いのですが、この場合、異性になることのメリットばかりが強調され、デメリットはほとんど語られません。


 そこで、このパターンを一丁壊してやろう!というのが、本作における実験の趣旨なのです。


 ……で、真面目な部分と釣り合いを取らせるために、色々と馬鹿々々しいネタを詰め込んでいったら、何だか下ネタ成分たっぷりの作品になってしまったのです。本当に申し訳ない。


 それでは、『下ネタ?俺はOKだぜ?』という奇特なお方、先へお進みください。……あと、もしよろしければ感想ください。良い悪い含めて作者のモチベーションになりますので……。

「おぉ、ウェルカムバックマイサン! また逢えて父は嬉しいぞ!」


 あたしは朝起きるや否やパジャマ代わりのジャージをずらして、朝立ちしているおちんちんに呼びかけた。おちんちんはそれに応えるかのように力強くパンツの布を押し上げる。

 うっふっふ。

 憧れていたおちんちん。いつか私にも生えてくるんだ~。とか思っていたおちんちん。女の子には生えてこないんだよ~。と教えられてがっかりして一度は諦めたおちんちん。しかし、あたしはついに手に入れたのだ!


「にひっ。にひひひひ……」


 あたしはズボンの上からおちんちんに触れ、その形や硬さを確かめる。思わず笑いが込み上げてくる。……と、廊下からドタドタと歩く足音が響いてきたかと思うと、バン、と勢いよく部屋の扉が開き、一人の女の子が現れた。


「ミ……ミナミ! また勝手に人の身体入れ替えたなぁ!」


 この女の子はあたしの双子の弟で、名前は瑞貴。

 ミズキは目を逆三角形にしてあたしに詰め寄る。弟のミズキがなぜ女の子の姿をしているかというと、あたしのちょっとした超能力が原因なのだ。で、そのちょっとした超能力ってのは、人と頭をぶつけると、ぶつけた人と身体を入れ替えられるって能力なのだ。


 この能力に目覚めたのは今年の正月。あたしとミズキは一緒に初詣に行ったんだけど、その帰り、神社の境内で将棋倒しに巻き込まれて階段を転げ落ちた。で、気がつくとミズキがあたしになってて、あたしがミズキになってて、その時はかなりパニくったんだけど、すぐに頭をゴツンとやったら元に戻れたわけ。


 その後、いろいろ実験してみたんだけど、入れ替わりが出来るのはあたしだけで、ミズキにはこの能力はなくて、あたしが入れ替われる相手は誰でもいいんじゃなくてミズキだけで、まー、超能力には違いないんだろうけど、何だか中途半端な能力なのだ。それでもこの能力は上手く使えば結構便利で、あたしは時々ミズキと身体を交換して楽しんでいたりする。


「せっ……生理の時に人の身体を乗っ取るなんて卑怯だぞっ!」


 顔を真っ赤にして怒るミズキ。あっはっは。バレたか。明日あたり生理が来そうだなぁ~と予想したあたしは、ミズキが寝ている間にこっそり身体を入れ替えておいたのだ。


「ミズキぃ。あたしたち双子なんだよ? 同じ日に生まれてきて同じように育ってきたのに、あたしだけ辛い思いするなんて不公平じゃん」

「だからってこんなことしてもいいと思ってるの!?」

「いいじゃん。生理痛なんて男には味わえない貴重な体験だよ?」

「その貴重な体験を毎回ぼくに押し付けるなよ!」


 ミズキはあたしを睨みながら、うぅ~!と凄んでみせるんだけど、下から睨まれたってちーとも怖くなんかない。


「……ふぅ。仕方ないなぁ。じゃあ半分別けしよう。一日目と二日目と三日目はミズキが引き受けて。四日目と五日目は交代してあげるから」

「何だよそれ! こっちの方が一日多いじゃないか! しかも二日目と三日目だし!」

「えぇ~。男が細かいことを気にすんなよ」

「今はそっちが男だろ!?」

「あー、あー、聞こえな~い」


 あたしはミズキの反論をかる~く無視して朝一番のトイレに向かった。トイレでシバババッと立ちションして水を流して手を洗って部屋に戻ったら男子の制服に袖を通して今度は台所へ。


 台所で棚から食パンの袋を取り出して、その中から二枚をオーブントースターへ。次にマグカップを取り出してインスタントコーヒーにお湯を注いでいると、ちょっと膨れっ面をしたミズキが女子の制服に着替えて台所にやって来た。

 ミズキは食器棚からガラスの小鉢を取り出し、冷蔵庫からヨーグルトと苺ジャムを取り出して、ジャムが入ったビンの蓋に手をかけ、んぎぎぎぎ、と力を込めるんだけど、ビンの蓋は外れない。


「…………」


 無言で苺ジャムのビンをあたしに差し出すミズキ。


「なに? ジャムがどうかしたの?」

「……開かない」

「ふ~ん、そうなんだ。で、あたしに何か用?」


 あたしはちょっと意地悪っぽくジャムとミズキの顔を見比べる。


「……開けて」

「ほほぅ。それが人に物を頼む態度なんだ~」

「……開けてください」

「【お願いします】が抜けてない?」

「……くっ、開けてください。お願いします」

「分かればよろしい」


 ミズキから苺ジャムのビンを受け取ると蓋に軽く手を乗せてひねる。力を入れるまでもなく蓋がぱかっと外れ、同時にオーブントースターがチンと音を立てた。


 読んでくださった皆さん、ありがとうございます。短く感じた方が多かったとは思いますが、お許しください。時間がないのです。執筆時間が……。


 そこで、一話あたりの分量を大幅に減らして(いま流行りのシュリンクフレーションでしょうか?)毎日更新できるよう調整しました。


 完結するまで毎日ノンストップでお送りする所存なので、暫しお付き合いください。




 あと、お暇でしたら前作、『エレベーターパニック!』もどうぞよろしく!


 https://ncode.syosetu.com/n5244ec/







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