見知らぬ世界
ある日俺の日常は一変してしまった。
普段通り起きて、顔を洗い、身支度を整えた。
いつものように朝食を食べ、母親に小言を言われながら妹と共に登校した。
電車に乗り、バスにのり、学校まで行く。
先輩に挨拶をしたり、後輩になる挨拶されたり。友達に会ってつまらない会話をしたり。
つまらない授業にうんざりしながら空を見上げてこう思ったのだ。
『ああ、なんか面白いことでもおこんないかな。』
…目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。
見たことない場所、見たことない空。…そして。
「なんだよ…これ。」
鉄と、油と、血と、肉。
燃え盛る炎に包まれながら、「ソレ」があった。
周囲から聞こえてくる爆音と怒号と悲鳴。
空にも地上にもまばらに光が閃き、時折一際大きく光って消えていく。
「おい!貴様、何者だ!」
一体、誰に言っているのだろう。
気づくと、雑誌や映画で見たことがあるような格好をした人物が銃のようなものをこちらに向けていた。
「あ…え…?」
体中に恐怖が広がり、思わず後ずさる。
「…動くな!」
怖い。
怖い怖い怖い怖い。
逃げなきゃ。
逃げなければ、その一心に体が支配され、思わず走り出してしまう。
「…っ!この!」
パスッ
乾いたような、とても軽い音。
瞬間、右足に燃えるような激痛が走る。
「が…っ!あ…!」
地面に倒れこむ。
「…ふんっ!」
後頭部にものすごい衝撃。
薄れゆく景色の中で思った。
『もしこれが悪夢だとしたら、早く覚めてくれ。』