表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹色の英雄伝承歌(ファーレ・リテルコ・ポアナ)紅刃の章1~復讐の果て、さまよい続ける死神剣士~  作者: 新景正虎
エピローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/64

旅立ちの時


数日後、大会で優勝し、見事自由を得たアクレイは旅支度を整え、別れの挨拶をするべくガシオン公の元に参上していた。


「…これは」


「持っていくがいい。これはそなたのものだ」


ガシオンがアクレイの前に用意したのは優勝賞金の金貨が詰まった袋だけではなかった。


それは一振りの剣。しかもそれはスクードが最期に使っていた剣だった。


「ガシオン公」


アクレイはうなずくと鞘に収まったその剣を手にする。


剣など今の彼にとってはもはや手足のようなもの。しかし、それが今日はやけに重く感じる。


「…彼がそなたに託したもの、忘れるでないぞ」


「…ああ」


アクレイは短い沈黙の後、そう言い、受け取った剣を腰に下げる。


「もう行くのか」

 

「世話になった」


ガシオンの問いにぶっきらぼうに答えるアクレイ、しかし、その目にはガシオンと出会ったころにあった暗さはみじんもない。


「気にすることはない」


ガシオンはそんなアクレイの姿を満足げに見ている。


「それでガシオン公、スクード・ルジャの事だが」


「分かっている。彼の事は任せておけ」


スクードの墓はアクレイの頼みにより街のそばの小高い丘に埋葬されることとなった。そこは空が晴れていれば彼の妹が住むという北の島国『ノル・レインテ』の大地が見えるという。


「すまない、感謝する」


謝意を口にするアクレイにガシオンは笑みを浮かべ 


「アクレイよ、いつでも戻ってこい。この町はいつでもお前を歓迎するだろう」


その言葉にアクレイは黙ってうなずくと身をひるがえし、その場を辞する。扉が閉まりその姿が消えてもなおガシオンはそのまなざしをそらすことはなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ