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虹色の英雄伝承歌(ファーレ・リテルコ・ポアナ)紅刃の章1~復讐の果て、さまよい続ける死神剣士~  作者: 新景正虎
第三章 戦士たちの祭典、くすぶる過去の残滓

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脳裏をよぎる、過去の戦友の影


「…な、なあ?スクードさん。悪い話ではないだろう?」


 セルぺの、こちらの心中をうかがうような態度を見たスクードの心中に波が立つ。


 確かに悪い話ではない。理由は分からないが不調が続いている今のエダなら毒を使えば殺すことはたやすいかもしれない。そしてエダ自身もまた己の死を望んでいる。スクード自身にしても自由を得ることが目的なら、ここで彼を倒してエダと戦う危険を冒す必要はない。だが…


 ふっ、とふとスクードの口に笑みが浮かぶ。


「…やはり戦の神『シュテフェ』は卑怯・卑劣な輩を嫌うらしいな」


「…え?」


 今の話の流れにまるで関係が無さそうなそのスクードの言葉に一瞬あっけにとられるセルぺ。だが、すでにスクードの心は固まっていた。


「その話を俺にしたことを…生涯後悔するがいい!」


「ス、スクードさん!」 


 その一喝と共に力を増したスクードの気迫に押され、間を取ろうと後ずさるセルぺ。


 だが、スクードはそれを許さずに間合いを詰め、再度剣をふるう。かろうじてかわすセルぺ。だが、それは牽制。


 踏み込みざまに続けて振るった二の太刀の方に力を込め、スクードは相手の足を狙い、薙ぎ払う。


 闘技場に響き渡る絶叫。


「う、うう…」


 絶叫が収まるとセルぺは倒れ込み、足を抑えてうずくまっていた。


 身軽さを身上とする短剣使いにとって足を痛める事は致命的。セルぺもそれを重々承知していて、足に装具を身に着けていたが、それは敏捷性を損なわないために軽量な革製。スクードの一撃はその上から叩きこまれた。


 神官による癒しの奇跡をもってしても完治はたやすくはあるまい。


 もはや立つこともままならぬセルぺには一瞥もくれず、背を向けるスクード。


「勝者、スクード・ルジャ!」


 勝利宣言が闘技場に響き渡る。


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