鈍る刃の輝き
テンポの関係で今回の話は少し短めです。逆に次の更新の内容は長めになります
いくつかの対戦が終わり、やがてエダの出番が来た。
対戦者は自分とエダの実力差がわかっているらしく、対戦が始まる前から及び腰だった。
数度剣を打ち合い、相手の実力を見切ったエダは冷静に相手を追い詰めていく。
だが…
「せ、せっかく故郷に戻れる機会が来たんだ、たとえ相手が死神だろうと!」
その言葉を聞いた瞬間、エダの動きが止まる。
彼が一瞬、惚けた隙に相手の剣がエダに振り下ろされる。
「くっ!」
反射的にそれを受け止めるエダ。彼の態勢がわずかに崩れる。
その光景に周囲からどよめきの声が上がる。
相手も予想外の展開に一瞬唖然としたが、手にした千載一遇の機会を逃すまいと、エダを攻めたてる。
だが、数度剣を打ち合ううちにエダは冷静さを取り戻し、相手の攻勢が途切れた一瞬に剣を振るって相手の得物を弾き飛ばし…そこで勝負は決した。
自由を得る機会を失い、肩を落として去っていく相手を見つめるエダ、だがその胸中はわずかな揺らぎが生まれ始めていた。
理由は様々だが、彼らはここを出て自由を得るために挑んでくる。そんな彼らを打ち倒して自分が求めるもの、それは…