さん。
「それでは! 【爆裂!フューゾル市大調理大戦】レディー‥‥ゴーッ!」
ターナカの司会の元、何処からかゴングが鳴り響く。
「フッ‥‥時間など掛けられん、一纏めに葬ってくれるわ」
開始と同時にゴッホーの右手が七色に輝く。
「おおっとーっ! これはゴッホー選手初めから勝負を掛けてきた! 必殺のレインボーフィンガーだッ!」
ターナカがゴッホーを見て叫んだ。
「ワシのこの右手が光って吼える‥‥勝負を決めろと響き渡るッ!」
何処かで聞いたようなフレーズを文字ったゴッホーの右手が、その光を増す。
「激熱ッ!レインボー!フィンガーァアァッ!」
ゴッホーが右手をパスタを茹でていた鍋に向け、右手から放たれた光が鍋に直撃する。
「バーニン具ッッッエンドォオォッ!」
一瞬で茹であがったパスタ達が鍋から飛び出し、他の料理人達六名へと向けて襲い掛かる!
「だからお前らはアホなのだぁあぁ!」
ゴッホーの叫びが響き渡る。
「ふっ‥‥甘いな師匠‥‥」
ゴーギンはそう呟くと、身体を脱力させる。
「貴方は確かに強い‥‥強すぎる程に、しかしその強さが貴方を弱くしたのだ」
「何ぃっ!?」
ゴーギンの言葉に反応するゴッホー。
「俺は今日まで様々な強敵達と死闘を繰り広げてきた‥‥死と隣あわせのその闘いは、俺を強くしていった」
ゴーギンの両目が光る。
「死んでいった強敵達が! 彼等の悲しみが! 俺にこの奥義を授けてくれた!」
ゴーギンの身体が分身して、不規則に動く。
その動きを見ていたゴッホーが叫ぶ!
「こ‥‥この動きは!」
ゴーギンの哀しい瞳がゴッホーを見据え、言葉を発した。
「そう、オリオン座だ」
「貴様! どうやってその奥義を!」
驚愕するゴッホーを見据え、ゴーギンが言う。
「強敵達の血が、涙が、俺に力を貸してくれている」
ゴッホーはゴーギンの背後に視線を移す。
「み、見える‥‥奴の背後に散っていった強敵達の姿が‥‥」
「死ぬがよいゴッホー、オリオン座と共に」
無数のゴーギンが様々な食材を手にオリオン座の軌跡を伸ばしてゴッホーへと肉薄する!
「ムソーテンセ‥‥」
「アンタ等煩い」
二人の死闘が決着する直前、メイシンのキセルから火が吹き出し、不死鳥を形成してゴッホーとゴーギンを包み込み焼き焦がした。
「す、凄いィィィッ! メイシン様、大本命の二人を一瞬で葬り去りましたァァァッ! このターナカ、一生着いていきます御主人様ァァッ!」
ターナカの一生奴隷宣言が飛び出す。
「これ、料理対決‥‥なんですよね?」
ルーニアが物凄く引きながらティナとジュディに聞く。
「ルーニアちゃんゴメン、私に聞かないで」
「料理はどこ行ったんですか‥‥」
ジュディが考える事を放棄して、ティナが大会の趣旨に疑問を投げ掛けた。
「フッフッフ‥‥過去の栄光にすがる二人を倒した所でいい気にならないで欲しいものです」
メイシンの隣で三人に分裂したかの様な速さで料理をする男が話し掛けてきた。
「この我々! ダングォー三兄弟 (三つ子)が新の王者だと‥‥」
「三人で出場とか規約違反だろうが」
メイシンのキセルから放たれた火で三兄弟を丸焼きにした。