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あの塔の上には  作者: とんちー。
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僕の活動は、とっても心地のいいクッションの山(通称:安らぎの山)から下りるところから始まる。

ここには朝昼晩の区別はなくて、僕が休みたいときに休んでいるから寝ている時間もその時々で長かったり短かったりする。


僕の寝ている安らぎの山は僕の身長よりも高く積まれてて、歩いて上り下りすることができない。だから、上るときも下りるときも師匠から習った空中移動の魔術を使っている。この空中移動の魔術は師匠が開発した魔術で、地面に足をつけずに移動ができる。


師匠は魔術の開発についてはすごい才能を持っていて、自分が活動するのに邪魔なものだとか、面倒なことはどんな些細なことでも魔術で解決しようとする癖があった。例えば、物が散らかりすぎて移動できなかったときは、自分の周りだけ物がよけていく魔術を作り、着替えることさえ面倒な時には着ているものを入れ替える着替えの魔術を作っていた。他にもたくさんあって、僕でさえ必要な時にしか思い出せないものもあるほどだ。

師匠には魔術開発のコツのようなものを教えてもらっているから、僕も魔術の開発ができるんだよ。この生活をしているとあんまり出番はないけれど。



安らぎの山から下りたら、まずは魔術で作業着に着替える。

作業着はとっても丈夫に作られていて、物理攻撃も魔法も通さないようになっている。なんでこんなに丈夫なのかというと、時々魔物などの非対象物が混じって入ってくるからである。ここに入ってくるときは突然だからこちらも対処が遅れる。その時に攻撃されて整理者が死んでしまってはここから対象物があふれてしまう。それでは困るといことでとっても丈夫な作業着が貰えるのだ。

敵は魔物だけではなくて、対象物でもとても強い念だとか、周りに影響を及ぼすようなものは整理者でも生身では抵抗できないものがごく稀にあることから、精神を守るような機能もついているらしい。



着替えたら、魔術でご飯を出して栄養補給をする。ここにきてからは少しの栄養でたくさん活動できるようになったから食事は必ず必要というわけではないけれど、食は生きる上での楽しみにもなるからね。余裕のある時は食べるようにしている。



さて、準備も終わったし、対象物も溜まっているから、整理の作業に移りましょう。

対象物の形としては本、宝石、ぬいぐるみ、アクセサリー、生活雑貨、などなど。いろんな形があるけれど、最も多いのは本かな。本であれば文章や絵で表現しやすいからだと僕は思っている。

いろんなところに勝手に積みあがっていく対象物を種類ごとに分けて、その専用の棚に置いていく。そうすれば後は塔の不思議な力で収納、処分されていく。この棚に置くまでの作業で大事なのが、変なものや不純物を見分けて除いていくことだ。


変に影響があるものをそのまま塔に収納すると、そこから他の対象物に感染してしまう恐れがある。塔にもそういったものを浄化する機能はあるけれど、あまりに多すぎると対処しきれなくなるのだ。

対処しきれなくなった時には僕のちっぽけな力ではどうすることもできないし、塔の外まで影響が出てしまうことが簡単に想像できる。



そうならないために師匠や僕みたいな整理者がいて、ここの管理をしているのである。


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