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俺(の)小説  作者: 木下秋
3/3

 朝、窓を開けて気づく。空気でわかる。春なんだ、と。明らかににおいが違う。気温が違う。湿度が違う。肌の質感が違う。だからわかる。春なんだ、と。


 あまり嬉しくはない。春はあまり、好きではない。冬が好きだ。キンキンに冷えた空気からは思い切りを感じる。凛とした、意志の強さのようなもの。春のぼんやりした空気は曖昧さを感じさせる。どちらでもない感じ。ニヤニヤした感じ。行けたら行く、って感じ。誤魔化される感じ。不安。保留。そんな感じ。


 別れと出会い。別れは悲しい。出会いは光? そうそうそんないい人なんていない。大抵はがっかりさせられる。そんなもんだ。


 一年が経った。一年が経ったのだと感じる。去年の今頃に繰り返し繰り返し聴いていた曲を流せば、ちょうど一年前の今頃に戻ったような錯覚を覚える。


 長かった。やっぱり長かった。一年は。ちゃんと長かった。その都度その都度、ちゃんと考えてきたからだ。


 全てが正しかったとは思わない。考えに考えを巡らしたって、そこまで頭のいい方とは思えない。要領がいいとは思っていない。いくら考えに考えたって、辿り着けないような答えがあるし、できない事だって多い。


 でも、なぁなぁに生きてきたわけじゃない。この一年間。それだけは胸を張って言える。自分に嘘偽りつかず、反省すべき時には反省し、生きてきた。


 そんな一年だった。また春がきた。長かった。


 すぐそこに一年前の俺が居るとして、どんな言葉をかけよう?


 そのままでいい。

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