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最後に・・電気鳥の秘密・・・・

モモヨが復活してしばらくして、俺は誰もいない日曜の事務所でラジオを聞きながら

企画書を打っていた。


ラジオから、不気味なサイケデリックな曲が流れ始めた。


まるでジミヘンみたいな歪んだギターサウンドの中、嫌な感じの歌詞が続く。


「いつか悪魔は美しい顔で、お前の心を殺してしまう


だから、頑張れ頑張れ、悪魔を倒せ


どんな手を使っても、心を守れ」


美しい女は殺してしまえ・・・という内容の歌。


なんかモモヨの事件と重なり、ヤな感じだな・・・別の局に変えようとした時

DJが、今の曲の紹介を始めた。


・・・・1968年の曲、テンプターズやタイガースが全盛を迎えたころ

デビューしたグルーブの曲、悪魔のささやきは、出されたんですけど、まあサイケすぎて

あんまりヒットしなかったんですね。

エレクトリックバードなんて名前・・・・みんな知らないよね・・・


エレクトリックバードだと・・・


原田モモヨを襲った暴漢は、電気鳥にそそのかされたと取り調べの時に言っていた。


俺は、その事を軽視していた。


あわてて調書のメモを取り出した。


証拠資料B-23 日記。


「電気鳥が空から落ちてきた夢を見た。輝かしい太陽が、季節はずれの光輪を

 従えながら、空から黒い物体になり落ちてきた。

 そして、360度水平線に何もないアスファルトにたたきつけられた。

 飛散する黒い物体から、様々な映像が浮かび上がっていた。

 シャボンの一つ一つがテレビになったように・・・

 大地震・・・アマゾンのジャングル・・・パチスロのボーナス画面・・・

 そんな中に女の笑う顔が・・・・

 

 はらわたからありったけの映像を吐き出した電気鳥は・・・

 ステンレスの皮膚から、煙をブスブスと立てていた。

 しばらくすると、風がその残骸をピューイと吹き飛ばしてしまった。

 女の笑い声が「ハハハハハ」と大きくうるさくなってきた。

 その映像が大きくなった。

 

 彼女だ・・・・テレビでよく見る女だ。

 その顔は、突如、悪魔のように変わった。」


電気鳥・・なんて狂ったなにかの妄想だと思っていた。


だが、歌にも日記にも、悪魔とか女とか・・・共通項が多い。


そもそもエレクトリックバード、つまり電気鳥と言うバンドが存在していた事が

俺にとっては、青天の霹靂だ。


さっそく検索をしてみると、このバンドは、最高位30位のシングルヒットを出した後、

なかずとばすで消えた。


ただ面白いのは、このバンドの所属するマルチハンドという事務所だ。

このホームページに行くと、さらにリンクが張られ、マイルドストーンという

芸能界でも強面で恐れられている事務所に飛んでいく。


ここの社長、中村英二というのが、芸能界のドンと呼ばれる男。

そして、バンドの名前は、彼が命名したと書かれていた。


俺は、あるタレントのマネージャーと話して事を思い出した。


「中村って、利権握るのがすきなんだよ。演歌だけだと思っているでしょ。

 違うんだよ。ロックからラップまでメジャーなところを握ってるのよ」


「四谷プロも中村派よ・・・」


四谷プロに入った金が、中村に入る・・・となると考えれば、面白い推理が成り立つ。


まさかと思うが、芸能界のドンである彼は、モモヨのスケジュールも知りえる立場であった。

実際、あの沖縄の特番に彼の事務所の歌手が何人も出ている。


つまりドンは関係者なのだ。


恐ろしい仮説を立ててみた。


ドンは電気鳥という象徴を利用して、なんらかのきっかけで探し当てたコアな頭の切れちまったファン、つまり暴漢青年に

情報を与え、さらに彼女は悪魔だという洗脳をしていたのではないか。


可能性は充分にある。


そして芸能界をやめようとする彼女は、彼にとって、反逆を意味した。

小娘のアイドルを葬り去ることなど容易なことであった。

そこに傀儡である四谷プロが出てくる。


ドンに四谷プロダクションから、毎年何千万ものお金が振り込まれているはずだ。


さらに山瀬マネも、中村との接点がある。

またモモヨが、中村プロに移籍する噂もあった。


モモヨが犯した罪を四谷に押し付け、権力筋に圧力をかける・・・・・

それの方が、理解しやすい。


マスコミの報道もコントロールする。

だから、ガードマンの話題もさほど騒がれなかったのだ。


これは彼ならなしえることだ。


そして、驚く事実がでてきた。

最初に飲み屋で、俺にモモヨの情報提供をした男は、彼の子飼いの記者だった。


すべては仕組まれていたのだ。


まんまと企画書を書き、番組まで作った俺はピエロだったのだ。


すべては仕組まれていたのだ。


きっと復活した彼女のもとにはドンの誘いがあったはずだ

だが、彼女は断ったのだろう。


だからこそ、モモヨはチャリティにこだわリ続けている。


まあ昔の曲の利権は、四谷プロを通じて、ドンに振り込まれているのだろうが・・・


だが、どちらにしろこの証明はできない。


俺は、この仮説を・・・・握りつぶすことにした。


原田モモヨが復活した・・・それだけでいいのだから。




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