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砂の城で女王は待ち続けている

今日は16時に 次話も掲載します~

伝説の女王は、真実を語ってくれるだろうか・・・


「それはいったい何かしら?」


「なぜ、あなたはなぜあの殺人の真実をいわなかったんですか?

 正当防衛で済む話でしたよ」


「スターのイメージをこわしてはいけないのよ。そう山瀬に言われたの・・・・

 そしたら翌日には、リロイズファンの話に変わっていた。

 私はプロだから、それを受け入れたの。」


でも、引退したわけだ…それじゃ、山瀬に恩が果たせない。

殺しを隠してくれたにもかかわらず、

いったいなぜ、引退したのか?


「なぜあなたが引退したか・・・不思議なんですよ。

 山瀬達に借りができたあなたが、なぜ恩を返すこともなく、引退したのか」


「私には、愛してる人がいたの・・・」


「もしかして・・・それは」


「あの写真誌の通りよ。

 付き合っていたのは、田村連次郎よ」


特に衝撃はもうない。

つまり、田村信一郎は、彼女の子供だったのだ。


「そして、私は、あの沖縄の事件時にすでに妊娠していたの・・」


「でも、どうしてあんな年齢の離れた人と付き合ったんですか」


昔の芸能界は、男と出会う機会がすくなかったし、モラルも今ほど自由はなく

束縛されていたのだろう。

でも、なんであんな親父と・・・


「あれはロマンスじゃなかったのよ。お金・・・

 連次郎は、私を売り出すためのスポンサーだったのよ」


「そんなに困ってたんですか?」


「あなたは、スターの事なんて何もわかっていないわ。

 世間は、お金が湧いてきて、毎日がばら色でロマンスにあふれて

 そんな暮らしを想像するものよ。

 ところが、私たちのお給料なんてたかがしれてたのよ。

 そして孤独で不安なのよ・・・・」


稀代の2枚目のくせして、男じゃないな・金で小娘を蹂躙していたわけだ。


「たげど私は、愛だと信じていたのよ。愛してるから助けてくれるってね。

 マネージャーもそう私を洗脳した。二人で温泉に行ったり、地方を旅したり

、そんなときに、沖縄でデートしてたら、あの狂ったファン・・・」


彼女はどんどん愛を美化していった。


「孤独と不安に恐怖まで加わったのよ。私はどんどん彼にのめりこんだわ」


スポンサーがつくことで、お金の心配は大幅に減る。

自分の美しさや若さを売ることで、生活に余裕が出来る。

それは売れないタレントにとって、切実なことなのだ、


ところが、後で気づくのだ。

複雑で歪んでいて、それが蜘蛛の巣に捕らえられたえさになっている自分に・・・


そして、スター街道を駆け上がっていた彼女は妊娠とともに引退した。

愛の結晶を、つまり女としての人生を選択した。


その引退により、権利を持った四谷プロは、莫大な利益をあげた。


引退は金になるのだ・・・・しかも何年も何年も・・・・


その時俺は、涙をためているのに気付いた。


「そして田村信一郎は、私の子供なの」


で、引退して子供を産むと、父親の連次郎にとりあげられたこと。

何年かして戸籍を調べても記載がなく

自分から、完全に取り上げられたことを話してくれた。

何度か連次郎の家に行って、息子の行方を聞こうとしたが、門前払いで

そうするうちに連次郎が死に、全く手かがりがなくなったらしい。


そして、あの事件が起き、すべてが、わかった。


「どんなに苦しかったかは、私にしかわからないことよ。

 世間が知っているのは、私が引退し、身を引いたという事実だけじゃないの・・・・

 私は、沈黙する必要があったのよ。」


伝説の女王は、余りに複雑な人生に落ちて行ったのだ。


昔のスターの愛人になり、子供をもうけ、取り上げられ、

正当防衛とはいえ、人を殺め・・・・すべてが沈黙の理由だった。


ここで俺の業界魂がささやいた。


 「あなたは歴史だ・・・」


 「ありがとう」


 「もう沈黙する理由はない」


 「えっ、どういう事かしら・・・」


「あなたは、メッセージを出す責任がある」

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