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潜入スクープ そして僕は途方にくれる

高木は、感謝していた。


写真誌の記事で一つにつながったからだ。


山瀬、リロイズ、原田モモヨを追いかけているうちに四谷プロの仲本に

たどり着き、それが西條メグ、田村信一郎とつながり、逮捕劇に至ることに。

そして、そのサークルは、田村の実の父の存在でつながった。


すべては、原田モモヨを起点に絵かがれた一筆書きなのだ。


そして、モモヨとともに重要な恥ずるが

間違いなく、田村連次郎だ!


彼が、実の父であると仮定すると話はクリアになっていく。


それが、育ての親がいった血、血統。


それほどの大物の血を引いているから、

世間を驚かせるというDNAがあるという事だ。


だが、岡山の親たちは、マスコミの執拗な追及にも、

二度とその話に答えることはなかった。


実際、そんな個人情報を取り上げるマスコミも少ない。


でも、大きな疑問が残っていた。


では、だれが母親なのか?


写真誌では、過去に噂のあった相手が、10名ほど取り上げられていたが、

10ケ月休んだ者は誰もおらず、ファンとかタニマチとかではないかと

言う方向に進んでいた。


だが、高木は、モモヨだと確信していた。


そこには西條メグが関係してくる。


息子である信一郎がやらせたあの整形だ。


母親を本能的に求める息子・・・


つまり、俺の追いかけている伝説の女王、原田モモヨこそ

田村信一郎の母親ではないか・・・


まさか35才の男が自分の嗜好で、わざわざそんな古いスターににせる

可能性は低い。


信一郎は、肉親を知っているからこ、似せた女を作り出し愛し、

あげく殺したのだ。


憎しみの見える歪んだ精神構造だが!


俺があとやるべきは、このサークルを確かめるという事だ。


俺は、原田モモヨに直接、それをぶつけるという選択をした。





「音を立てるなよ」、


俺はそう言って、車から降りた。

目の前には、モモヨの邸宅・・・再び攻撃開始だ。


カメラマンは、息を殺し、俺の後をついて、その洋館の前まで行った。


2メートルはあろうかという高さの壁は、まさに世間と断絶している

伝説のスターの心の壁という感じだ。


 「ここからは俺だけが行くから・・・ 」


なんせ不法侵入だ。


地面すれすれから扉の向こうを覗くと、うっそうとしげる雑草の向こうに

洋館が見える。一周してみたが、隙がない。


ガレージのところに回ると、ここだけが、やや低い。


ガレージ前に車を移動させて、踏み台にしてやっと壁の上にたどり着いた。


木が洋館との間にあり、洋館からは視界を邪魔してくれる。


俺は、車に離れるように指で指示をした。


目の前の木に飛び移ろうとした、その時だった。


 「あなた、何をしてらっしゃるの?」


失敗だ・・・これは外に飛び降りて逃げた方がよさそうだ。


身をよじろうとして、バランスを崩した俺は、声の主の目の前にもんどり

落ち、しこたま、頭を打ってしまった。


・・・なんとなく黒いその人影が、原田モモヨその人に思えたが、 

そこで意識はとぎれた。




「パチパチパチ・・・」


さっきから、聞きなれない断続的な音がする。

俺は、やわらかい物の上に寝ていた。目を開けると・・・高い天井・・・・

古い洋風のデザインが、日本離れしている。

セレブな雰囲気がプンプン・・・・

って、すぐに正気に戻った。


 「あっ・・・・」


俺は、原田モモヨの洋館の中にいるのだ。


 「パチパチパチ・・・」


暖炉の・・木が燃えている。

斜め上から、声がした。


 「あら、やっと気が付いたようね・・・」


それは、50がらみの女性。

すっぴんなのに美人だな・・・上品な顔立ちに、どこか色気もある・・・・

ってこの女性は…原田モモヨだ。



 「・・・・まいったな」


俺は、すっかり気が重くなって来た。

なんせ、盗撮・盗聴しようと思って、ここに進入してきたのに、

まんまと目の前に身をさられーけだしているのだ。


 「東日本テレビの高木さんね・・・MAD TVって

  制作会社の名刺もあるわね。

  それにしても無茶する人だわ・・・・


 「・・・・・・・」


 「何が知りたいの・・・でも私は、何も

  しゃべらないわよ」



ここまで着たら、もう根性を決めないと仕方あるまい。


ソファに座りなおした俺に、伝説の女王は、自ら紅茶を入れてくれた。


「ありがとうございます」


「私アールグレイがすきなの・・・これ高いのよ」


俺は、一口飲んでから、おもむろに切り出した


「モモヨさん・・・週刊誌は読まれましたか?」


「何の事かしら・・・」


とぼけているんだろうか・・・・

俺はバッグから、雑誌を取り出し、彼女に渡した。


「先日ドラックで捕まった田村信一郎の父親の話です」


彼女は、さもくだらないという感じで、雑誌をサラっと一読した。

動揺など微塵も見せない。


「そうなのね・・・ちょっと驚いたわ」


「田村連次郎さんとはお知り合いでは・・・」


そもそも沖縄で目撃されているんだ・・・・どう答えるのだろう。


「ええ、昔良くしていただいたわ。いい先輩」


さしさわりのない会話だ。


ここで下世話に突っ込むのも、なかなか勇気がいる。

俺は、また紅茶を一口飲んだ。


「ちょっと待っててね・・お菓子取ってくるから」


そう言って、モモヨは、キッチンへ消えていった。


2分ほどたった時、ガチャーンという音がした。

お皿が落ちて割れた音だ。


「大丈夫ですか???」


「手が滑っちゃった・・・ごめんね、驚かせて」


明るい声で、モモヨが答えた。


だが、雑誌のことは知らなかった彼女は、パニックで手が震えて、

止まらなくなっていたのだ。


・・・私と連次郎さんの関係は、互いの当時のマネージャーしか知らない

   そして二人ともマネージャーは、もう死んでいる・・・

   DNA鑑定でもしない限り、私が産んだ子供とはわからない。


気持ちを整理しながら、彼女はリビングに戻った。


この高木というディレクターは、何処まで知っているのだろう。

そして、何を求めてくるのだろう。



俺は、モモヨのクールな対応に、やや自信を失いかけていた。

だが、女優だと考えると、感情のコントロールなどお手の物。

騙されてはいけない。



俺は、彼女を脅しに来たのではない。

真実を知りたいだけなのだ。


自分の推理をぶつけることにした。


「僕が知りたいのは、この雑誌の事ではないんです。」

 

「そうなの・・・じゃあ何が知りたいの」


「沖縄の事」


パチパチパチ・・・・暖炉の音が聞こえた・・・少し間があって

彼女は答えた。



「沖縄・・・何度か行ってるけど・・・どうかしたの」


「あなたはかって沖縄で悲劇に立ち会った」


「はい~何の事かしら?・・・・わからないわね」


やや大げさに答える女王。

むしろ、それが不自然に思えたので、俺はさらにつぶやく。


「リロイズの事件」


「・・・・リロイズって、あの双子の・・・

 昔は、よく歌番組で一緒になったわよ。

 本当に明るい双子で、私も仲が良かったのよ」


やはり、女王は、動揺している。

言葉を考えながら、喋り始めている。


「あっ思い出したわ・・・沖縄のリロイズの事件ね。

 でも、彼女のマネージャーの事件でしょ」


ここで直球を投げ込む。


「その時、リロイズのファンが殺された。

 その犯人は、リロイズの事務所の関係者であった

 その頃の新聞には、このように書いてある、

 だがそれは嘘だ」


「・・・・・」                        


俺は、その記事をモモヨの前に差し出した。

さすが、大スター、眉一つ動かさない。微塵も表情を変えはしない。


「実は、これがあなたたちのでっちあげだ 、

 でしょモモヨさん」


彼女の顔色が変わったのを、俺は見逃さなかった。


「この時代ファンの暴走が立て続けに起こって

ましたからね。

 まあ有名税と言うには高すぎる・・・・

 同情はするが、人が死んでるんですよ・・・・」


モモヨはただ黙っていた。


「あの日、あなたはこの暴漢と同じ、沖縄に滞在し

ていたんだ。

 そしてこのファンに、襲われたんでしょ」


「・・・・・」


もはや沈黙は肯定でしかない。


「そして、ホテルの一室でこのファンともみ合い

アクシデントで殺したんだよ」


俺の推理は当たっているようだ。


「どうやって殺したろか、それは判らないけど、

あなたは、その処理を山瀬マネに求めた・・・・

そのとき、同じホテルにいたのが、

双子のリロイズ・・・・・

 山瀬さんは、リロイズの事務所と話をつけた・・

その後、事務所は解体しモモヨさんのプロダク

ションは四ツ谷プロに吸収されている・・・」


「・・・・・」


「当時17歳のあなたは、殺人犯であり、それを黙っているという事に

 はかりしれないストレスを感じていたはず。

 悩み続けていたあなただが、逆ら若いのに影が

あると話題になってきた

 ・・・もう我慢できなくなって引退を表明した」


「・・・・仮説としてはおもしろいわね・・・」


やっと伝説が、俺に口を聞いた。


「どちらにしろ、もう時効なんですよ。

だから私もテレビでこれを暴く気はないんです。

ただ、腑に落ちないことが、一つだけあるん

ですよ・・・」


・・・・・続く  

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