表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

帰郷日記バージョンです

文章ではなく短歌の方を読みたいという方がおられましたら、次話で短歌風に整えております。

・行きの車内

 車窓から夾竹桃(キョウチクトウ)の花を見た。人が揃えた(あや)に見惚れた。素朴さを夾竹桃の群れに見て、アスファルトには違和を覚えず道端で彼岸花でも見た時の懐かしさだけそこに覚えた。


・到着

 百日紅(サルスベリ)とか花ならば見紛うが、アスファルトなど(たが)えようない。夏草が香らなくても土は土。そういうものと知っていたのに、人の手に整えられた夏の草その彩りに郷愁を見た。陽炎に揺らぐ緑を見て取って、草の香りを望んでしまう。


・一夜明けて

 建屋(たてや)(した)、陽に炙られたコンクリのその足下に土を感じた。焼け付いて蝉まで焦がすアスファルト、蟻はそこまで這い寄っていた。蝉はまだ脱皮のさなかのままで朽ち、其れが近くの土を教えた。


・散策

 顔を上げ夏の田舎を見回して、すっかり舗装の済んだ道見た。ネコジャラシとかが生えてる路肩なく、けれど遠目に田圃(たんぼ)が見えた。姿換え記憶と違う夏の里、それでもここで土の香を嗅ぐ。


・最後の朝~帰宅

 朝の蝉、儚く(かそ)けき喧騒に心持ちだけ壁を感じる。網戸開け見るとそこにはガラスなくただ涼しさが静けさを生む。青空と削れた山と鰯雲、電線もなく広がる空が夏の日ももう終わりだと告げていた。空と線路は彼方へ続き、彼岸過ぎ車輪が目指す街の日々その秋口の風すら思う。積乱の後ろを過ぎる秋の雲、箒で掃かれたかのような雲。そういった秋の予感が次々と帰路の間も思い出となる。


去年の夏の思い出です。田舎で感じた空気の幾許かも伝われば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ