5話
話の構造はたくさん考えているんですけど、それを文字に起こして書くのが難しい(ノД`)
ちょっと変かもしれませんがご了承ください
戦艦の甲板に立つ空は、星空を見上げながら呟いた。「アビス、そろそろ俺たちも表舞台に出て人間たちと接触しよう。」
アビスは微笑んで「主のご意志のままに。この要塞を公開すれば、人間たちの反応は見物ですな。ですが、彼らがどのように進入してくるか、興味深いところです」
空はにやりと笑い、右手を軽く振った。「よし、ステルス機能をオフにしよう。これで東京中の奴らがビックリするぞ」次の瞬間、要塞の表面を覆っていた魔力のヴェールが消え、黒とクリスタルの輝きが夜空に露わになった。東京湾の水面に映る要塞のシルエットは、まるで神話の遺物が現代に降臨したかのようだった。尖塔が月光を反射し、推進装置の微かな振動音が空気を震わせた。
東京の街は一瞬で騒然となった。湾岸の高層ビルから見える巨大な浮遊物体に、市民たちはスマートフォンを向け、SNSに動画や画像が溢れ出した。「UFOか!?」「いや、ゲートの新種じゃないか?」と、ネットは憶測で埋め尽くされた。ゲート管理機関は即座に緊急会議を開き、未知の物体への対応を協議した。「これほど大きい未確認飛行要塞は世界の異変と関係があるに違いない」と、覚醒者ギルドのギルドマスターとゲート管理機関の代表が言い放った。調査のために、日本でも屈指のSランク覚醒者たちが招集された。
ゲート管理機関が選んだのは、ギルド「雷鳴の刃」に所属するSランク覚醒者三人組だった。リーダー格の快斗は、雷を操る両手剣使い。美咲は魔力の弓で遠距離を制する狙撃手。武流は双剣を振るう俊敏な剣士。彼らは、新大陸の調査に参加した精鋭だった。だが、今回は未知の浮遊要塞への進入という、前代未聞の任務だった。
快斗は湾岸の埠頭に立ち、要塞を見上げた。「あんな高さに浮いてる……どうやって入るんだ?」要塞は海面から数百メートル上空に位置し、梯子やロープでは到底届かない。美咲が冷静に分析した。「魔力の波動が強い。ゲートに似てるけど、もっと制御されてる感じ。進入路は何かあるはずよ」
武流が双剣を手に軽く跳ねながら言った。「あの尖塔の基部に、なんか光ってるっすよ。魔力の流れが集中してるしそこが入口じゃないっすか?」
3人がどうやって要塞に接近するか悩んでいると、「すいません、遅れました。」と上空からスーツを着た中年程の男が降りてきた。「私はゲート管理局から来ました、上野と申します。本日は管理局から支給されました飛行アイテムを皆さんにお渡しすると共に、あの要塞の調査を任されました。本日はよろしくお願いします。」そうして上野が持ってきた、飛行アイテムにより魔力により空中を自在に動けるようになった。「これは飛行アイテム、ウイニングバッジ。体に着けると、自分の魔力により飛行が可能になります。しかし、レッドゲート産の貴重なアイテムになりますので慎重にお使いください。」上野の説明を聞いた3人はバッジをつけ空中で戦闘できるように準備をした。「よしっ、飛行についてはある程度理解できたからそろそろ行くか。」快斗がそう言うと、4人は宙に浮き、要塞へと向かった。
しかし、バリアの影響により進むことができなかった。快斗が剣でバリアを突こうとした瞬間、空間が歪み、アビスが現れた。優雅に一礼すると「ようこそ、我が主の浮遊要塞へ。わたしはアビス、主の従者です。無闇に攻撃せずとも、ご案内いたしますのでこちらにどうぞ。」
快斗は剣を構えたまま警戒した。「従者だと? この要塞は何だ? 世界の異変と関係があるのか?」
美咲が弓を引き絞り、冷たく言った。「怪しいわ。こんな巨大なものが突然現れるなんて、新大陸に続き……説明しなさい」
アビスは微笑みを崩さず、穏やかに答えた。「ご質問はもっともです。ですが、我が主はただこの世界を楽しむ旅人。この要塞は、その拠点に過ぎません。どうぞ中へ。主がお待ちです」
武流が双剣を握りしめ、囁いた。「快斗さん、こいつ、ただ者じゃないっす。魔力の気配が……尋常じゃない。上野さんも気絶しかけてるっす。」
快斗は頷き、剣を下ろさなかったが、アビスの案内に従うことにした。「わかった。だが、変な真似をしたら容赦しないぞ」
アビスは頭を下げ、ポータルを生成し快斗たちに呼びかけた。こちらからお入りください。ご案内いたします」ポータルをくぐると、4人は広大なホールに足を踏み入れた。黒とクリスタルの内装、巨大な水晶シャンデリア、魔力が脈打つ床――すべてが人間の技術を超えた美しさと威圧感を放っていた。ホールの中央には、空がジャケット姿でソファに座り、4人が来るのを待っていた。
「やあ、ようこそ。僕は空、この要塞の主だ。遠いところよく来たね」と、空は軽い口調で言った。だが、その瞳には底知れぬ力が宿り、覚醒者たちを無意識に緊張させた。
快斗が一歩前に出て、剣を握り直した。「お前がこの要塞の主か? 新大陸の出現、ゲートの不安定化――すべてお前の仕業だろう? 正体を明かせ!」
美咲が弓を構え、武流が双剣を抜いた。三人の魔力が高まり、ホールに緊張が走る。アビスは静かに空の隣に立ち、穏やかに言った。「皆様、敵意は不要です。主はただ、この世界の新たな可能性を探るお方。どうぞ、話を聞いてください」
そう言ったアビスは3人の武器を瞬時に奪い、動きを止める魔法をかけた。
「なっ…」快斗たちは拘束され空の話を聞くしかなくたった。
空は笑い、ソファから立ち上がった。「正体? まあ、旅人ってとこかな。この要塞は俺の遊び場でさ。人間たちがどう反応するか、楽しみにして作ったんだ。で、君らは何? ゲート管理機関の使いっ走り?」
快斗が声を荒げた。「ふざけるな! この要塞が東京湾に現れたせいで、市民はパニックだ! 新大陸の異変とも関係があるはずだ。隠すな!」
空は肩をすくめ、軽く手を振った。「隠すも何も、俺が新大陸作っただけだよ。面白そうだからさ。で、君ら、どうしてここに? 戦いたいなら付き合うけど、この要塞、ちょっとやそっとじゃ壊れないから墜落の心配はないよ。」
快斗たちは空の言葉に一瞬躊躇した。「新大陸を……作った? そんなバカな話、信じられるか!」
アビスが静かに割り込んだ。「信じる信じないは皆様次第。ですが、我が主の力は、あなた達人間程度には理解する事もできないほどのものです」
唯一拘束されていない上野が空の質問に対して答えた。「我々は急に現れた未確認飛行要塞の調査に来ました。もし気に障る事があれば謝りますのでできれば穏便に事を済ませてもらえないでしょうか。」
上野の態度に空は「いいよ、気にしてないし。むしろ新鮮でおもしろかったよ。」といい席に座った。
さらに上野は、空に対して質問をした。
「東京湾に現れた理由はなぜですか?これから何をしようとしているのですか?先ほどの話は本当なんですか?」
空は笑い、答えた。「いいよ。まあ、ゆっくり話そうじゃないか。紅茶でも飲む?」
アビスは覚醒者達の拘束を解き、武器を返品した。そして力を使い美しいテーブルを用意し、紅茶と菓子を並べた。覚醒者たちは警戒を解かず、だが、空の軽妙な態度とアビスの丁寧な対応に、戦闘を避ける道を選んだ。両者席に着き話し合いを始めた。