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小説を書くのは初心者です。
無限の虚空に浮かぶ存在があった。その名は空。万物、概念、存在そのものを生み出す、天上天下唯我独尊の絶対者。時間という概念さえ彼の手によって紡ぎ出されたものであり、彼は数億、数兆、果ては数え切れぬ永劫の時を生きてきた。宇宙の始まりから終わりまでを何度も繰り返し、星々を遊び道具のように配置し、生命の多様な形態を試作しては破壊した。そんな彼が、ある日、自分の創造した世界を管理するための組織を設立した。それは「天界管理局」と呼ばれるもので、無数の管理者たちが彼の生み出したルールに従い、宇宙のバランスを保つ役割を担っていた。
管理局の管理者たちは、神々や精霊、概念の化身たちで構成されていた。彼らは空の力の一部を分け与えられ、星の軌道を調整し、因果律を監視し、時空の歪みを修復する。だが、空自身はその中でも異質だった。あまりにも強大すぎる存在ゆえに、他の管理者たちからは疎まれ、邪魔者として扱われていた。「空の力は必要ない」「彼がいるとバランスが崩れる」「我々だけで十分だ」――そんな囁きが管理局の回廊で交わされるようになった。空はそれに気づいていた。永い時を生きる彼にとって、そんな陰口は些細なものだったが、徐々にそれは彼の心に微かな波紋を広げた。
空は退屈していた。創造の喜びはすでに尽き、破壊の快楽も色褪せていた。何億年もの間、彼は自らの手で世界を形作り、管理し、時にはリセットしてきた。だが、それすらもルーチン化し、暇という名の虚空が彼を蝕み始めた。「これで終わりか? もっと刺激的な何かが必要だ」――そう思った空は、決断を下した。管理局を抜け出すこと。組織の管理者たちは彼の不在を喜ぶだろうが、それは彼の知ったことではなかった。
管理局の中心部、輝くクリスタルの玉座から、空は静かに立ち上がった。周囲の管理者たちは彼の行動に気づかず、日常の業務に没頭していた。空は一瞬で自らの存在を薄め、虚空の隙間を抜け、創造した無数の世界の中から一つの惑星を選んだ。地球――人間たちが蠢く、混沌とした現代の舞台。そこで彼は、世界を動かす者として生きることを決めた。神話やファンタジーが現実と交錯するこの惑星で、空は自らの力を封じ、ただの人間の姿を纏った。だが、その力は決して失われていない。都市の喧騒の中で、魔法の残滓が息づく影で、超常現象が日常に忍び寄る世界で、空は新たなゲームを始めるのだ。
降臨の瞬間、空は東京のネオン輝く街路に現れた。雨が降る夜、周囲の人々は彼に気づかない。だが、すでに世界は動き始めていた。すべてが空の意志によって微かに歪む。空は自由を謳歌する。暇な永劫を終わらせるために、彼は地球を自らの遊び場に変えていく。ファンタジーの神話が現代の科学と融合し、英雄や怪物が生まれる世界で、空の物語は静かに幕を開けた。
自分が色々な作品を見てきた中でこんなのはどうだろうかと思いかいていきます。よろしくお願いします(^^)