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ある刀鍛冶の神隠し  作者: 紅葉月


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参考文献と蛇足的後書き

 本編は11/18に完結しておりますが、参考文献と後書きを書いておきたかったので追加し、これで〈完結〉といたします。

 ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

 多大なるネタバレを含みますので、本編読了後にお読みくださることをお勧めします。

 また、作者の人間性がボロボロと出ておりますので、作品だけを楽しみたいという方もご注意ください。


 まずは参考文献等から。


〈参考文献〉

川﨑晶平『テノウチ、ムネノウチ 刀鍛冶として生きること』(双葉社、2020年)

かつきせつこ『日本刀・松田次泰の世界-和鉄が生んだ文化-』(雄山閣、2011年)

河内国平、真鍋昌生『刀匠が教える日本刀の魅力』(里文出版、2004年)

福永酔剣『刀鍛冶の生活』(雄山閣、1995年)

福田眞人『結核という文化』(中央公論新社、2001年)

北川扶生子『結核がつくる物語』(岩波書店、2021年)

キャロリン・A・デイ『ヴィクトリア朝 病が変えた美と歴史 肺結核がもたらした美、文学、ファッション』(原書房、2021年)


〈参考展示〉

関鍛冶伝承館 古式日本刀鍛錬


 これらの参考資料がなければ、この作品は完成することはありませんでした。

 本当にありがとうございます。

 また、これらはあくまで「参考」であり、この作品は「フィクション」であることにご留意いただきますようお願いいたします。



 ここからは後書きになります。



 最初に一貫斎を通じて描こうと思ったのは「1番大切なものが既に決まっている人」でした。

 言葉を変えると「一生かけて磨き続けなければいけない何か」をやっている人です。

 磨き続けることに終わりなんてありません。磨くのは時間も労力も費やしてもジリジリとしか進まず、時によっては進んでるとも思えず、でも錆びつくのは一瞬なのです。文字通り、坂道を転がり落ちるように。


 そして、それと同時に描きたかったのが「それをやめるということは自分でなくなる。生きながら死ぬ」ということを当然のように受け入れている人でした。

 結果的には一貫斎の描写にそこまでは反映していませんが、根底のイメージはそんな感じでした。


 そこに作者が子どもの頃から見ていた近所のおじさんたちの口調や雰囲気、職人である友人から聞いたふた昔ほど前の職人さんたちの話。そういったものを乗っけて一貫斎のキャラクターとなりました。

 とはいえ、現代の考え方からかけ離れてもいけないので男尊女卑的な考え方はできる限りカットしました。そういう意味ではまさにファンタジーですね。


 ちなみに一貫斎の名前は江戸時代の鉄砲鍛冶である国友一貫斎からもらいました。

 イザベラの名前が先に決まっていたので、「い」から始まるのがかぶってしまうとも思いましたが、一瞬で作者の中に定着してしまったのでそのままにしました。


 一貫斎をいつの時代の人にするかはずっと悩み、そして最終的に決めませんでした。

 刀鍛冶について調べていると、鎌倉時代の刀を最上とする考えがずっとあるようです。じゃあ鎌倉時代の人にしようかと思うと、当時の作刀技術は分かっていないんだそうです。

 鍛刀の描写は妄想だけでするわけじゃないので調べて書くわけですが、それは当然ながら現代の工程になるわけで、現代のやり方で鍛刀しながら鎌倉時代の刀匠だって書くのはどうしても受け入れられず、最終的にぼかすという結論になってしまいました。


 ですので、一貫斎がイメージしていた桜の種類はソメイヨシノになりますが、だからと言って江戸時代の人と決めているわけではないです。

 雪姫の装い(笠と布で顔を隠す壺装束)は平安時代〜鎌倉時代のもので、それ以後は被衣(かづき)という小袖を被るスタイルだったようです。これも時代を決めたくないので悩みましたが、壺装束の方がイメージに合っていたのでそちらにしました。


 結核がいつから日本にあったのかも、調べられた範囲でははっきりしませんでした。

 けれど、わかりやすい不治の病ということで結核を採用しました。

 梅毒もありますが、さすがに性病は物語のイメージ的に採用する気にならず……。


 どこまで正確性を優先し、どこからフィクションやファンタジーとして割り切るか。ずっと悩みながら書きましたし、明確な答えなんてなく一生悩み続けないといけない問いなのでしょう。


 書き始めてみたら、予定していたよりもイザベラが「恋」って感じになっていて、自分で驚きました笑

 本当はもっと淡いまま最後まで行くつもりだったんですけどね〜。

 とはいえ、彼女は自覚はしていませんから。だって誰もそれが「恋」でこれが「嫉妬」だって教えてくれなかったのでね。

 探しに行っていた友達あたりに「それは恋だ」って指摘されたら、そのまま転がり落ちてたと思いますが。


 ふたりの旅路は初めから決まっていた通りに終わりを迎えました。そこに奇跡はありません。

 兎にも角にも、無事に最終話まで書き終えることができてホッとしています。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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