第15話 魔王軍、カオスデリバリーで混沌拡散作戦!
ーーそして、数日後。
「……さて、どうするか」
「参謀、さっきから何ぶつぶつ言ってるんスか?」
「いや、俺が今考えなきゃいけないのは、次の作戦だ」
「作戦? またなんかやるんッスか?」
そう、無事、混沌スイーツフェス……いや、魔族文化祭を終えたが、結局、混沌を拡散することは出来なかった。
ただ、天界も魔界も老若男女関係なく、みんなが手を取り合って(?)幸せにスイーツを食べるフェスとなった。
「いや……だって、スイーツフェス、全然混沌広がらなかったじゃん! お前も見ただろ? みんなあんなに平和に楽しんで!!」
「確かに、予想外ッス。おかげでオレもスイーツの資格を取りたくなったっスよ」
「資格なんてあったんだ……いや今はそれより!!! どうやって混沌を拡散するかだよ!」
俺は頭を抱えながら、再び考える。あの日、スイーツフェスが終わってみれば、予想に反して、魔族たちの間で『魔界スイーツ文化』が急速に広まっていた。
クローディアが来て、天界経済庁から表彰されるなんて事態になり、すでに話は完全にスイーツの方向へ流れ出している。
「でも、あれもこれもあのスイーツのせいなんだよなぁ……」
「『ぷよもちロール』ッスよね?」
「そう。あんなんが魔族の文化祭で大ヒットするなんて。しかも天界にまで輸出されるとか、どういうこと?!?!」
と、そこにグランゼルドがニヤニヤしながら、嬉しそうに話へ割り込んできた。そう、『ぷよもちロール』を作った本人である。
「ふっふーん☆ 参謀! 次、どうするんですか? もう一発、大ヒットを飛ばさないといけませんね☆」
「いや、今はそういう話じゃない……どうすればスイーツを使って本当に混沌を引き起こせるか、それを考えないと」
「……参謀、最初から言ってた通り、混沌を広げるのは無理ッスよ。だって、みんなスイーツを楽しんでいるんッスもん」
確かに、カゲマルの言う通りだ。スイーツ自体が平和なものに変わりつつある。だが、俺は諦めるわけにはいかない!! だって、混沌を広めないと、クローディアが来てしまう!!!
それに、この魔王軍が俺にとって、少しずつ居心地の良いものになっていた。だからこそクローディアに調査されるわけにはいかない。
参謀として、守らないと!!! というか、これ、魔王様の役目じゃない?! まぁ良いけど!!!
「ちょっと待って!! スイーツを使って混沌を引き起こす方法があるかもしれない……!」
「え? どういうことッスか?」
「……実は、もう一個、作戦を考えてたんだ」
俺はグランゼルドに向かって親指を立て、ニヤリと笑った。
「次は、魔王軍による『カオス・スイーツデリバリー』だ!!!」
なんだか、俺も考え方が魔王様と同レベルになっている気がする。でも、俺の言葉に、グランゼルドは驚いたように、目を見開いた。
「いや、それどう考えても完全に逆効果ですよ~~っ!!」
「そんなことはない!!! 絶対に広がる!!!」
俺の決意は揺らがない。次なる混沌を広げるため、魔王軍の力を使って、全てをカオスに変えてやるーー。




