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Ability-ism  作者: 変哲高校生
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無能力者vs学園教師2

部屋の中は緊張に包まれていた。分谷の猛攻は激しく、一ノいちのせ 惟斗いとはそれに対応しながらも、攻撃の糸口を見つけようとしていた。


「どうした? これが限界か?」分谷わけたに 操人あやとは挑発的な声を上げる。その挑発に乗るように、一ノ瀬は拳を握り直して目の前の相手に向かって踏み込んだ。


分谷「来いよ、簡単には殴らせないけどな」


一ノ瀬はわざと分谷の懐に飛び込み、すかさず背後に回り込むと渾身の一撃を繰り出した。だが、その瞬間、分谷は一ノ瀬の動きを見ていないはずなのに、その拳を寸前で掴み取っていた。


「受身取れよ‼︎」分谷は叫ぶと、圧倒的な力で一ノ瀬を壁に叩きつけた。一ノ瀬は体勢を崩しながらも、どうにか空中で身をひねり、痛みを最小限に抑えつつ壁にぶつかり、床に転がり込む。


「くっ…」一ノ瀬は立ち上がり、呼吸を整える。分谷はその姿を見て、満足そうに笑う。

「やるじゃないか。Cランクくらいの生徒なら、今ので終わっていたぞ」


一ノ瀬は額の汗をぬぐいながら、再び構えを取り直す。体の痛みを感じながらも、冷静な目を失わない。


「でも、まだ終わってないですよね」一ノ瀬は言う。分谷はさらに圧力を強めながら、一ノ瀬に向かって歩み寄った。「いいだろう。その度胸、見せてもらおうか」


一ノ瀬は大きく一歩を踏み出したあと全力で分谷に近づいた

「能力無しでこのパワーとスピードかよ!」

一ノ瀬はそのまま分谷の正面から思いきった拳を突き出した

分谷は急いでその拳を手で受け流そうとしたがそうは行かなかった。

さっきまで強く握りしめられていた一ノ瀬の拳は開いており、受け流そうと出した分谷の手を掴んだのだ。


一ノ瀬「受け身取れよ!」


分谷はさっき自分がさっきした攻撃のことを思い出し壁に叩きつけられると思った。


しかし、そのあと一ノ瀬は自分の膝を上げ、

その膝に分谷の腰あたりを叩きつけたのだ。


綺麗に決まった攻撃、一ノ瀬も手応えがあったが、分谷は一言も言わずにそのまま立ち上がった

そして息をゆっくり大きく吸った。


一ノ瀬はすぐに構え直し、少し後退した。その時


分谷「こうさーーーーん」


分谷の声が部屋に響き渡る


一ノ瀬「...............?????」


一ノ瀬は一瞬理解できなく、首を傾げた

そのまま、深く息をつきながら分谷の言葉に耳を傾けた。分谷は、腰に手を当てたまま体を反らし、苦笑いを浮かべている。その姿に、一ノ瀬は少し緊張を緩めた。


「いやぁ〜、この年になると腰に強い衝撃はまずいんだよな」と分谷はぼやくように言いながら、息を整えて続けた。「それに、この部屋は防音だから、俺たちの訓練が外に漏れる心配はない」


そう言って扉を指さすと、分谷の鋭い視線が一ノ瀬を射抜いた。


「お前の強さについては詮索しないさ。ただ一つ、なんでお前はこの学園に来たんだ?」と問いかけた。


一ノ瀬は少し考えた後、冷静な目を保ちながら短く答えた。「目的があったので」


分谷はその返答に納得がいかない様子で肩をすくめる。「その目的を聞いてるんだよ」


一ノ瀬は視線を逸らし、淡々と応えた。「言いたくないです」


その態度に、分谷は微笑みを浮かべて再び目を細めた。「そうかよ。この能力至上主義の世界で、お前のような無能力者がここにいるなんて確かに珍しい。それでいて、能力なしにこの純粋な力。まあ、人には言いたくないことの一つや二つ、あるもんだな」


分谷は少し間を置き、一ノ瀬の背中を軽く叩く。「よし、今日はここまでにしよう。訓練は終わりだ。これからも強くなれよ、一ノ瀬」


一ノ瀬は少しだけ微笑み、分谷に軽く一礼した。「ありがとうございます」


扉が開かれると、訓練場からの日常の喧騒が二人の間に流れ込んできた。分谷の厳しくも温かい指導の中で、一ノ瀬は何かを掴みつつあった。

そして、一つのことに気づく。

一ノ瀬(あいつ、能力を一切使用してなかったな)

考えてもただただ疑問は深まるばかりだった

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