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Episode『ある日の運営、開発側の会話2』

本日2話更新

こちら2話目


前回の時も書きましたが、断章は本編とはあんまり関係ない小話程度に考えてくださいまし

明日から9章開始かな、よろしくお願いします


■鷲谷 香蓮


--都内某所


「で、えぇと。次の紫煙奇譚に、私の考えたボスが登場するって事で良いのかしら?」

「そうなるんだけど……ちょっと紫煙都市のデザインなんかも決めたから、選んでもらって良い?」


暫く作業詰めをしていると。

少し前に流れで私が提出したボス案を手に、糸迷が訪ねてきた。

……どんなボスだったかしらね。あんまり覚えてないのよねぇ……。

あの時は……そう、突然社長がゲーム情報を配信で発表するだのなんだの言いだして、そこら辺の手配に追われていた時だっただろうか。

適当でも良いから、と言われた為に凄く適当に設定を書き、軽くイラストも添えた程度だったはずだが、


「ごめん、ちょっとだけ見せてもらっても良いかしら?私、それ出した時忙しくて自分が何書いて出したのか覚えてないのよ」

「あ、良いよ。はいこれ」


彼女から資料を受け取り、目を通す。

すると段々思い出してくる。確かコレは、


「スライムのボスね」

「えっ、それタコじゃないの?」

「えっ?……違うわ、これはスライムよ。ちゃんとイラストもつけてるじゃない」

「えっ?……えぇっと……」


どうやら思い違いがあったようで。

ちゃんと分かりやすく色も付いているイラストが添えられているというのに困ったものだ。

……ま、彼女は悪くないわね。これを通しそうなのは……葵かしら。

友人の顔が何人分か浮かぶものの、一番可能性がある人物に急遽連絡を入れてみれば、


『んー?あは、ハロウのそれタコじゃなかったの?タコにしか見えなかったんだけど』

「違うわよ、ちゃんとスライムっぽいうねうねがあるじゃない」

『それがタコに見えた要因なんだけど……まぁいいや。そこに居る糸迷ちゃんをあんまり困らせないでやってくれよ。もうそれ通しちゃったし……何ならハロウの所の新規タスクにも上がって来てると思うぜ?』


言われ、自分の部署の新規タスクを確認してみれば……確かに見覚えのない新たなものが何個か追加されていた。

その中には紫煙奇譚の文字もある。

こうなったら仕方ない、と溜息を吐きつつ、


「あーごめんなさいね糸迷さん。タコで進めてもらって構わないわ。あと都市のデザインに関しては……これにしてもらっても?」

「了解。……大変そうね」

「……そりゃそうよ。うちの社長は私に何を期待してるんだが……」


パパっとデザインを見て決める。

どうやらタコで進めた結果か、次回の紫煙奇譚は海に近い……というか。

ほぼ海の上で行われるようだった。

……私もこっち側じゃなかったらやれたのに……。

最近は仕事の所為で、あんまりVRMMOに触れる事すら出来ていない。

たまにSmorker's Gardenのテスト版のサーバーに入る事もあるが、それもそれでバグの発見などがメインで攻略などを行えるわけではない。遠野辺りはそういう事をやっているようだが。


「あ、そんなあんたに朗報よ。……過去事変に辿り着いたプレイヤーが出たらしいわ」

「……ホントッ?!」

「うわ。まぁホントよホント。後でSG要観察情報の所見ておきなさいよ」

「よしよしよし……これで私もこっちから葵達の部署に移動できる……!」


そんな事を考えていると、糸迷から待望のニュースが伝えられた。

私が待っていた言葉。過去事変へと辿り着いたプレイヤーが居る、という事は。


「やっと私も、決闘(ゲーム)が出来る……!」

「あんた、本当前からそれ変わらないわね……」

「変わるわけないじゃないの!ほら、糸迷さんも用意しなさい!アリアドネのアバターデータはあるんでしょう!?」

「あーもー肩を揺らさないでー。それにまだ1人だから。目標の10人以上にはなってないから。私もあんたも出ていくならそれくらいでしょうに」


興奮が収まらないというのはこの事だろうか。

過去事変が解放された、という事はあの街が解放されたという事。

つまるところは、闘技場が解放されたのだ。

まだプレイヤーが少なく、すぐに稼働する事はないだろうが……闘技場に挑もうとするプレイヤーも出てくる事だろう。


「で!?闘技場には確かグレートヒェンが居たわよね?攻略できそうなの?それより先にマギやメアリーの方に行ってる感じかしら?あの子達のデータ的にグレートヒェンよりは身体能力が低いから、相性によっては――「クリアされたわ」――は?」

「だから、クリアされたの。1日くらいで。3人共全部」

「……誰よそれやったの。あの3人、結構ちゃんと最終データよ?紫煙外装が2の段階でも1人で行ける類?相性が良すぎた感じかしら」

「レラってプレイヤーらしいわ。そこら辺は自分で調べようと思えば調べられるでしょう?」


その名前を聞いて、私は顔に手を覆って天を仰いだ。

身内の中で唯一、未だこの会社に来ていない友人の使っているハンドルネームだった為だ。


「本当、今日はテンション高くなったわね……」

「良いじゃない。テンション低いよりは絶対に良いでしょう?……はぁ……レラ、レラかぁ……成程ねぇ……糸迷さん、ちょっと外で早めの昼食に行きましょう」

「えっ」

「ほら、行くわよ」

「あ、ちょっと!せめて自分のデスクに資料置いてから行きたいんだけど!ねぇ聞いてる?!」


糸迷の小さな身体を引きずるようにしながら、私は会社を後にする。

日差しが強く、もうそれなりに暑くなってきた。


登場人物

糸迷:アリアドネ(Festival in Crime、Arseare)

遠野:フィッシュ(Arseare)、CNVL(Festival in Crime)、マイヴェス( 食人達へ祝福を)

鷲谷:ハロウ(この殺伐とした魔術世界で、Festival in Crime)


こういう、作者の自己満足的な話はあんまり書かない方が良いんでしょうけど、私は結構書きたいので断章で発散するっていう寸法です

――――――――――――――――――――――

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