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Smoker's Garden -紫煙者の災園-  作者: 柿の種
Season2 第5章 共に生きる、酔って生きる
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Episode7 - OW5


その後、私達は自分達の紫煙外装の概要をある程度かいつまんで教え、駆除作戦に参加する事となった。

といっても、だ。

私達のパーティは、どうやらこの場に居るプレイヤー達が待ち望んでいた能力の詰め合わせのようなものだったらしく……異様に歓迎されてしまった為に、去るに去れなかったというのが正しいだろうか。


私はSTさえあれば紫電を発生させる事が出来る。

音桜は似たように、STを消費すれば様々な属性の攻撃が可能であり、その中には火炎と雷が含まれている。

そしてメウラはメウラで、素材さえあれば色んな敵性モブを疑似的に味方として参戦させられるのだから……有用性はかなり高いだろう。

他の外界のエリアへと訪れた事があるプレイヤーから素材を融通してもらえば、その分強力で、尚且つ寄生樹に対して有効なモブに変化させられるかもしれないのだから。


「ふぅん、このエリア内だったらガスマスクは外して大丈夫なんだ」

「一応、篝火からエデンに繋がってる関係か紫煙の加護って奴が一定範囲内にはあるっぽくてな?寄生樹関係も、入ろうとしたら篝火が燃やしてくれるから安全ってわけや」

「いやぁ助かるねぇ。私、どうしてもSTを結構使うからさ」


という事で、今は一度休憩タイム。

私達3人が参加する事によってかなり状況が変わった為に、伽藍ドゥ達は今一度駆除作戦を練り直している。

その間、帰るわけにもいかず、かと言ってうっかり出撃してデスペナルティになるわけにもいかず。

篝火の周りでガスマスクを外した上で、一服しているわけだ。


……うーん、何かしらの機構は考えた方がいいんだろうけど……出来るのかな、そもそも。

考えるは、ガスマスク装着状態でのST回復手段。

言った通り、私はどうしてもSTの消費手段が多く、回復手段が煙草だけとかなりの偏りがあるプレイスタイルだ。

このまま、外界でのST回復手段が篝火のようなセーフティエリア内だけに限られた場合……私は外界の攻略を諦めなければならないだろう。


しかしながら、それはそれで私の持病(好奇心)が許さない。

ゲーム的な考えをするならば、私のプレイスタイルは普通寄りではあるはずなのだ。

だからこそ、それを解決する手段を開発側が考えていないわけがない……と思いたい。


「そういえば、スリーエスくんは行かなくていいの?『Sneer Wolf』でしょ?」

「あー、ワシはいらんやろ。どう考えてもワシみたいなアホが1人増えるよりは頭回る奴らで話した方がスムーズや」

「その考えが出来る時点で十二分に頭良いと思うけどなぁ」


私の近くで煙草をふかしている、騎士のような甲冑をどうやってか着崩しているプレイヤー……伽藍ドゥと同じ様にストリーマーのスリーエスはそう言って笑う。

あまり配信を見た事はないものの、大手の開催しているエンジョイ系の大会にはいつも参加しているようなイメージがある為、普通にプレイヤースキルが低いわけでも、頭が悪いというわけでは無いだろう。

……正直、一番敵に回したくはないかなぁ……この人。


紫煙外装を出していない為に、どういう形状かは分からないものの。

伽藍ドゥから教えてもらった情報によれば、彼の紫煙外装はかなり特殊な部類らしく……駆動時は彼1人だけにしないと十全に実力が発揮できないとの事。

装備の方からソロを強制される、というのは中々だが彼自身が好んでよく使っているようなので、まぁ良いのだろう。


「えぇんよ。それに、今ワシらがやってるのも立派な作戦の内や」

「あー、なんか私らは優先してST回復させとけって言ってたもんね」

「せやせや。なんかワシら、メイン火力担当らしいからなぁ」


こうして私とスリーエスが並んで煙草を吸ってるのにもしっかりと訳がある。面倒だから、邪魔になるからと会議から抜け出してきているわけではないのだ。

……なんだって、ストリーマーやらプロゲーマー達を差し置いてメイン火力になっちゃうかなぁ私は。

煙草をふかしているのは私とスリーエスのみで、それ以外は会議や現状セーフティエリアでも作れるようなアイテムを作成する班に分かれている。


正直、私としては後ろの方で補給班辺りの配属が良かったのだが……流石に紫煙駆動時の紫電を、STさえあれば幾らでも扱えると分かっては前線に居てもらわないと困る、との事で。

何なら、強制ソロプレイになるスリーエスとプレイスタイルの相性も良いらしいのだ。

実際、彼がどうソロプレイになるかは知らないものの……私は主に投擲を行う遠距離型。

ちくちくと周りの敵を倒していけば、結果的に支援している事にはなるはずだ。


「音桜ちゃんがアイテム作成班に持ってかれたのが誤算だったなぁ……」

「あの巫女の嬢ちゃんやろ?あの娘は仕方ないんちゃうか?」

「仕方ないんだけどねぇ……それでも音桜ちゃんが居れば、ある程度便利だったからさぁ」


音桜は今回、前線ではなくアイテム作成などの後方の補給班。

彼女の紫煙外装の能力は便利であるが故に、後方での火力支援やバフデバフの付与などを行った方が良いとの判断だ。

火力以外の能力を持っているが故の配置だからこそ、文句は言えないが……だからこそどうしても無いものねだりをしてしまう。

……今回は出来る限り、前に出ない方がいいなぁ。多分。


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