私の中の希望
疲れたななんて傲慢さに溺れて死んでしまいたい。
一分一秒を争うタイマーを握りしめて馬鹿みたいな生活に追い詰められた。
白い服が黒色に汚れて穴があいた。
「そんなにどろどろになってどうしたの?」
そんな質問に、
あ、え、あ、あの、た、ただいつの間にかこうなっていたと口を開いた。
私はうまく言葉が話せない。
「あ、あ、あ、あの、す、すみ、すみません」
このよく使う言葉は聞き心地が最悪だ。
あのーという言葉を発すだけでどれほどの時間を費やせば気が済むのだろう。
今日も心臓あたりの圧迫感にとらわれた。
死にたいと泣き叫んでも死なない事はもう充分に理解出来た。
死にたいと思い始めて7年が経った。
毎晩神様にお願いした。
お願いします。殺して下さいと。
神を信仰していないのに神に頼むなんて虫が良すぎだった。当然死ねないのに、毎晩泣きながら死にたい、殺してと願ったのだ。
そんな中、死のうと思ったのは5年前。
死ぬことは簡単じゃなかった。
飛び降りたり首を絞めたり、川で溺れてみたり、ドライアイスで二酸化炭素中毒になってみたり。
ぼやぼやとした意識の中で目が覚め絶望した。
死ぬという希望に縋って死のうとしたのに
何も出来ない馬鹿は死ぬ事も出来ないのだ。
どうせ成功しないのに凝りもせず死のうと試みようと私は縄と脚立を持って森に行った。
私は希望を諦めきれなかった。苦しさから開放されたかった。
木に縄を括りつけて、輪っかを作った。
輪っかの中に首を引っ掛け、縄が首にくい込んでいく感覚と共に私は脚立から足を離した。
無惨に縄は解けて私は地面に叩きつけられた。
膝を強打してうずくまった。
泣きながらとぼとぼと私は歩いた。
森を抜けた頃、歩く元気もなくなってきた私は座り込んだ。
ぼやけた視界に情けなくなって地面を見た。
「大丈夫ですか?」
低い声で声をかけられた。
泣いているから顔を上げることも出来ない。さらに声をかけられたことにもパニックになって1人でワタワタした。
「あっ、え、あ、だ、だ、大丈夫です」
絞り出した私の声は醜かった。