下界に落ちた女神の日常
「あぁ ううん ううん く くるしぃ くるしぃ」
保護欲や母性本能等 女神の見た目で皆が本来なら神は天界から下界に落ちた時は無傷で 寝てても落ちたのがわからないほどなのに 彼女にもしもの事があったらとそれが過剰になり
顔以外を大きめのタオルで何重にも巻かれ布の塊と化していた
「あつい 暑い 誰かー これはどうなっておるのじゃ もしや わちはさらわれたのか これはまずい 逃げねばならんのじゃ」
さっきから悶えておるが 解けぬ 顔を上げるのも無理 右に左に揺すってみたら動いたので 今はゴロゴロ転がっておる 少しずつ緩んできた
ゴロゴロ ゴロゴロ
でた 手がでた 足がでた
草食の小動物がビクビクと周りを確認する様にキョロキョロ キョロキョロ 右を見て 左を見て 前を向いて 後ろも首をすくめながら見渡し
「で 此処は何処じゃ ゴロゴロ転がった地面は真っ白な砂 前は水面 後ろは森か」
こんな湖あったかと思いながら トテトテ歩いて波打ち際に立ち ひとすくいした水を舐めてみる
「から 辛いのじゃ これはあれか塩水か 塩水と言うことは海か 海と言うことは下界か 此処は下界なのかぁ」
なんてこった そういえばヘラやゼウス達にわちを下界に落として嘲笑う等と下品な事を考える神々が居ると言われておった 昔ボコボコにした恨みか それとも引きこもりなのに天界でも指折りの宮殿に住んでる妬みかもしれんと言う
それが現実になるとは 綺麗な海 眩い空 白い砂浜 なんて美しい景色なんでしょう等と言っておれんの
ここがどう言った地形か 天界では必要なかった食事も ひと月もすれば 食べ物を欲する身体になってしまうから 食料調達 あとは武器となる物 あとは住居と火 これが今のやる事リストじゃな
他にはなんかないか考えながら トテトテ トテトテ砂浜から森の入口に向かう
岩場を見つけ 歩き近づき
「これは 洞窟では無いが この隙間で寝るか もう今日はなんもやる気が起きん おやすみなのじゃ」