職業、死神。
私は死神である。
仕事内容は生き物の命を狩る。
ただそれだけだ。
死神という職業に就くには条件がある。
それは
「生前、殺したい程憎んでいる人物がいたか」
私は死神。
私にも殺したいほど憎んでいた相手がいた。
はずである。
でなければ私は、死神なんて職業は選ばず
天国への案内役や地獄の出口から
蜘蛛の糸を垂らすだけの簡単なお仕事を
選んでいたはずだ。
そう、私はかつて殺したいほど憎んで恨んで
いた相手を覚えていないのだ。
なぜか。
理由は単純で、ただ年月が流れすぎたのである。
死神という職に就いてから150年ほどは
数えていたがやめてしまった。
無意味なのだ。
死神には殺したいほど憎んでいた相手の命を
狩れる代わり、永久就職という条件がある。
数えるだけ無駄だと気づくのに150年も
かかってしまった。
今はただ、後悔している。