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職業、死神。

作者: 魔法瓶
掲載日:2023/06/06


私は死神である。

仕事内容は生き物の命を狩る。

ただそれだけだ。


死神という職業に就くには条件がある。

それは

「生前、殺したい程憎んでいる人物がいたか」


私は死神。

私にも殺したいほど憎んでいた相手がいた。


はずである。

でなければ私は、死神なんて職業は選ばず

天国への案内役や地獄の出口から

蜘蛛の糸を垂らすだけの簡単なお仕事を

選んでいたはずだ。


そう、私はかつて殺したいほど憎んで恨んで

いた相手を覚えていないのだ。


なぜか。

理由は単純で、ただ年月が流れすぎたのである。

死神という職に就いてから150年ほどは

数えていたがやめてしまった。

無意味なのだ。


死神には殺したいほど憎んでいた相手の命を

狩れる代わり、永久就職という条件がある。

数えるだけ無駄だと気づくのに150年も

かかってしまった。


今はただ、後悔している。

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