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誘われた。

「「行ってきまーす!」」


 私は弟と声を合わせて誰もいない家に言った。

 扉を閉めて鍵をかける。


「お姉ちゃん集合時間遅れちゃうから先行くね」


 弟はそう言って走って行った。

 昨日入学式があって、今日からは立派な小学生。

 初めての学校は姉として心配なこともあったため、通学班の集合場所までついていこうとしたらこれだ。

 私は少し小走りで弟を追いかけるが、もう弟は集合場所についていた。

 それを見送った私は、携帯で時間がやばいことを確認する。

 少し早めに行って、みんなでクラス確認をする約束をしている。

 私は走って学校に向かった。



「茜ー! こっちこっち」


 私は声が聞こえた方に目を送ると、そこには紗希と亜美がいた。


「ごめんねー。少し遅れちゃった」


「私たちも遅れてさっき着いたところだから大丈夫」


 亜美が優しく言った。


「そんなことよりも早くクラス見よ」


 遅刻した私を嫌な顔一つせずに出迎えてくれる。この2人と友達になれて本当に良かったと思っている。

 だから神様。今年も同じクラスでありますように。

 私は心の中で強く願った。



 クラス発表が張り出されている場所に着いた。


「みんな自分のだけ探してよ。せーので言うから」


「分かったよ、なんか緊張するね」


 2-1から見ていく。

 私は新谷なので、真ん中よりも少し前の方にあるだろう。

 すると自分の名前を発見した。

 1組か。みんなと同じだといいな。

 みんな1組なのか確認しようと思うがぐっと我慢する。


「みんな見つかった?」


 紗希が聞いてきた。


「見つかったよ」


 私は返す。


「私も見つけた」


 亜美も見つけたようだ。


「それじゃ、せーので行くわよ」


 やばい。緊張してきた。


「せーの」


「「「 1 」」」


「えー! みんな1組ってまじ? やばくない?」


 みんなでもう一度2-1の名前を確認する。

 新谷茜も須藤紗希も宮下亜美の名前が3つともしっかりとあった。

 私は嬉しさで涙が出そうになった。

 またこの3人で1年間いれると思ったら嬉しくて仕方なかった。


 みんなで喜びを分かち合ってから、ゆっくりと自分たちの2-1へと向かった。


 ーーーーーーーーーーーーー


「それで、江場くんはなんで入院してたの?」


 新谷さんに話しかけられる。


「ああ。サッカーの試合中にちょっと怪我しちゃってね」


 またこの話か。


「半年も入院するってどんな大怪我したのよ」


 須藤さんも聞いてくる。


「入院自体は、冬休みくらいまでだったんだけどリハビリとか色々あったからね」


「大変だったのね。もう部活はやらないの?」


「もう激しい運動をすることは出来ないみたいだから、お荷物になっちゃうし辞めたんだ」


「ごめんね。悪いこと聞いちゃったよね」


 少し空気が重くなる。


「あ、いや。全然。大丈夫」


 俺は、誰かと真面目に話したことがないから、こういう時になんて言えばいいのか分からない。


「本人が大丈夫って言ってるんだし。大丈夫だろ。なあ愛斗」


「あ、うん。ほんとに大丈夫だから気にしないでね」


「腹減ったし、みんなでなんか食べに行くか」


「お、いいねー。たまにはいいこと言うじゃん」


「だろ?」


 遠藤は何も言えなかった俺のかわりに言ってくれた。

 実は遠藤っていい人なのかもな。


 始業式が終わったので、今日の学校はもう終わりみたいだ。

 俺も帰ろうと準備をしていると。


「愛斗も行くよね。飯」


「いやいや、俺なんかが行ったら悪いよ」


「ん? 何で悪いんだ?」


 いや、普通に考えて今日少し話しただけのやつと、当たり前のように飯行くものなのか。

 俺が考えていると。


「おーい須藤。飯、愛斗も連れて行っていいよなー?」


 須藤さんになんか大声で聞き始めた。


「え、当たり前じゃん?逆に江場くん行かなかったら、あんた抜きで女子3人で行くわよ」


「だってさ。愛斗。行くぞ」


 ここまで言われたらもう断る理由がないので行くことにした。





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