三三戦目
シンラを殺す、そう宣告したシオンは雷を纏いながらゆっくりと敵に迫っており、宣告された側のシンラは紫色の雷を強く纏いながら立ち上がるとどこからともなく剣を出現させて左手に装備し、切っ先をシオンに向けるとシンラは睨むような目で彼を見ながら言い返す。
「図に乗るなよ人間……!!
数回のまぐれでオレを追い詰めたくらいで勝てると思っているのか?オレとオマエてまは根底にある力がそもそも違う、その力を前にしてオマエは偶然の産物を得ていたに過ぎない。同じことはもう起きない……ここからはもう、オマエに自由などない!!」
「自由なんていらねぇ……。
オレは戦士だ。戦う相手と戦う目的があればそれでいい。
戦いの中に身を置く戦士を捕らえることなんて誰にも出来ねぇんだからな」
「戦士だと……?
神に等しいオレを前にしてそんな戯言をほざくな!!」
シオンの言葉を否定するようにシンラは強く言うと左手に持つ剣に紫色の雷を纏わせながら走り出し、走り出したシンラはシオンを倒そうと迫っていく。
だがシンラが迫ろうとするとシオンは音も立てずに姿を消し、シンラが消えたことを認識した瞬間に現れて拳撃を叩き込む。
シオンの拳撃が叩き込まれると同時に轟音が鳴り響きながら雷が炸裂してシンラを吹き飛ばし、シンラが吹き飛ぶとシオンはまた音も立てずに姿を消して吹き飛ぶシンラの向かう方に先回りすると敵を蹴り上げ、蹴り上げられたシンラは雷に襲われながら天高くに打ち上げられていく。
「ぐぅ……!!」
天に打ち上げられたシンラは何とかして立て直そうとするが、そんなシンラの上空にシオンが現れると彼はシンラの顔に蹴りを1発決める。
蹴りが綺麗に命中するとシオンはそのまま連続蹴りを放ってシンラにダメージを与え、連続蹴りの最後となる蹴りを放つべくシオンは右脚に雷を強く纏わせて力を高めながらシンラを蹴ると敵を地に叩き落としてしまう。
地に叩き落とされたシンラは雷によるダメージで負傷しているからかなかなか動けず、シンラが動けずにいるとシオンは敵の前に瞬間移動するとともに敵を蹴り飛ばし、さらに蹴り飛ばした敵の行く先に先回りすると両腕に雷を強く纏わせるようにして力を高めると2本の雷の剣に変化させて連撃を放っていく。
「はぁぁぁ!!」
2本の雷の剣を装備したシオンの放つ連撃は鋭い斬撃と雷を帯びた刃を次々にシンラの体に命中させていき、シオンの連撃を受けたシンラが地に倒れようとするとシオンは2本の雷の剣を1つに圧縮して体験に変えると巨大な雷の斬撃を飛ばしてシンラに食らわせ、それを受けたシンラはさらなるダメージを受けて倒れてしまう。
倒れたシンラの全身は血だらけになっており、全身血だらけのシンラは苦しそうに息をしながら立ち上がろうと地に手をつくが、全身のダメージが限界に近いのかなかなか立ち上がれずにいた。
「バカな……どうして……どうしてオレがこんな人間に追い詰められなければならない!!」
「オマエがその程度の人間だからだ」
「何……?」
「オマエは自分の都合でしか道を見ようとしない。都合が悪くなるなら書き換えて自分好みに道を変える……人の痛みも苦しみも理解できないような人間にオレたちが負けるわけねぇんだよ!!」
シンラを倒すべくシオンは接近すると共に敵の顔を蹴り、さらに敵の頭を掴むと無理やり立ち上がらせた上で腹に一撃を叩き込む。
シオンの一撃が決まるとシンラは今にも倒れそうになるほど大きく仰け反ってしまい、シンラが仰け反る中でシオンはさらなる一撃を喰らわせようとし……たが、シオンがさらに攻撃しようとすると突然彼の全身に衝撃にも似たようなものが痛みとともに駆け、それに襲われるシオンは一瞬動きが鈍くなってしまう。
「ぐっ……!!」
(こっちの体も限界に近づきつつあるか……。
でも、コイツを倒して終われるのなら……)
「あと少しくらい耐えて見せろよ、オレの体!!」
痛みに襲われるシオンはそれを乗り越えるように叫ぶと雷を放出させ、シオンが雷を放出させると彼の纏うアーマーが展開される形で放出される雷を強くさせ、シオンの全身からこれまでにないほどに雷が強く放出されていくとシンラは剣を構え直して迎え撃つべく紫色の雷を強く纏いながら叫ぶ。
「紅月シオン……!!
オマエはオレが……ここで殺す!!」
「シンラ!!
オマエの全てを否定してやる!!」
「やれるものなら……やってみろ!!」
シオンを殺すべくシンラは走り出し、シンラが走り出すとシオンは強く放出する雷を背中に集めて翼のように広げて右手を前に突き出し、突き出した右手にこれまでにみせたことの無い雷……白い雷を纏わせると大きく一歩を踏み出して駆け始める。
2人の戦士が走り出し、走り出した2人の戦士は雷を強く放出させると同時に姿を消し、2人の姿が消えると2人のいた場所の間の空間で何かがぶつかるような轟音と共に衝撃が周囲の地面を破壊していく。
何かが起きている、それは誰が見てもわかることだ。
その何かの中でシオンとシンラが決着をつけようとしている、ヒロムとガイ、イクトはシオンの勝利を信じるようにただ見守るしか無かった。
そして……
轟音が鳴り止むと共にシオンが現れ、現れたシオンは右腕をボロボロに負傷しながら膝をついてしまい、シオンが膝をつくとシオンに背を向ける形でシンラが剣を持って現れる。
「まさか……」
「届かなかったのか……」
膝をつくシオンとそのシオンに背を向けて立つシンラ、2人の構図から最悪の展開を察してしまうガイとイクト。だが……
「やったな……シオン」
ガイとイクトとは異なりシオンの勝利を確信しているような言葉をヒロムが口にするとシンラの持つ剣が砕け散り、さらにシンラの全身に白い雷が駆け抜ける形でシンラに大きなダメージを与える。
そして、大きなダメージを負っていくシンラの胸部に炸裂音と共に巨大な穴が開くとシンラは何かを発することも無く前に倒れる。
シンラが倒れるとシオンは少し辛そうに息を切らしながら呼吸をし、そしてシオンが纏うアーマーが雷となって天へと消えていく。そんなシオンのそばに光の粒子が現れ、現れた光の粒子は精霊・ライバの姿を投影していく。
「……ありがとうな……」
『クールな戦いだったぜマスター。
それでこそオレのマスターだ』
「……オマエの気まぐれのおかげだ」
『いいや、マスターの力だぜ。
それより……今のでかなりヘビーに疲れたみたいだ。また暫く顔を出さなくなるがいいよな?』
「オマエの気まぐれには慣れてるからな……。
好きなだけ休め……」
『悪いなマスター』
「けど、覚えとけよ……次にオマエがオレの前に現れる時、オレは必ず強くなっ……」
光の粒子が投影するライバに何かを伝えようとするシオンは言い終える前に気を失って倒れてしまい、シオンが倒れると光の粒子は消えようとする。
光の粒子が消えようとする中、投影されているライバの姿も薄れていくが、そんな中でライバは嬉しそうに倒れたシオンに伝えた。
『もうアンタはオレが認めるクールで最強な戦闘種族だぜ、マスター』
おやすみ、とライバはシオンに言葉を伝えると消えてしまい、光の粒子は静かに消えるとその一部をシオンの中へと取り込ませていく……




