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二九戦目


 頼みがある、そう口にしたシオンの言葉を受けたヒロムは白銀の稲妻を纏いながらシオンに尋ねた。

 

「何だ?」

 

「オレの中で出てる仮説を確かめるには確定要素が必要だ。その確定要素をハッキリさせるにはヒロムの力が必要なんだ。オマエのその白銀の稲妻の力でアイツに攻撃して欲しい」

 

「……別に構わないが、オレにメリットあるのか?」

「ない」

 

「ないのかよ」

 

「でもこれだけは言える。ヒロムの力があれば答えを出せるって」

 

「……今のオレはこの力を纏いながら長時間は戦えない。その状態のオレに何分戦わせるつもりだ?」

 

「5分でも十分だ。その間に答えを出す!!」

 

「……そうか。なら分かった。

オマエの頼み、聞き受けてやる」

 

 5分、そう言ったシオンの頼みを聞き入れたヒロムは首を鳴らすと白銀の稲妻を強く放出しながらガイの前に移動して彼を襲う何かしらの力を消し去ってガイを助ける。

 

 ヒロムに助けられたガイはシンラの力により疲弊したのか息を切らし、そんなガイに対してヒロムはシンラを相手にするための作戦を伝えた。

 

「ガイ、オマエはなるべくヤツの視界の中に入りながらシオンの方に意識を向けさせないように立ち回れ。オレの動きに対応しながらヤツを警戒して動く、そうすればヤツに遅れを取らなくて済む」

 

「それでいけるのか?」

「いけるかじゃない、やるしかない。

シオンが助けを借りるべく頼んできたんだ。それに応えるべくやれることをやるぞ」

 

「了解。ちなみに……ヒロムは多少見当がついてる感じか?」

「ああ、一応な。けどそれが確信に変わったところで今のオレはヤツを倒すには届かない。それを分かってるからこそシオンはオレにこの役を頼んだんだ」

 

「それにオレも付き合うってわけね。

なら、やるからにはいいところまで追い詰めようか!!」

「そのつもりだ!!」

 

 ヒロムは身に纏う白銀の稲妻を強くさせ、ガイは蒼い炎を強く体に纏うと同時に走り出す。

 

「……無駄なことを」

 

 ヒロムとガイが走り出すとシンラは呆れてため息をつき、ため息をついたシンラは蒼い炎と雷を混ぜ合わせた剣を構えると2人を迎え撃とうとする。

 

「オマエたちの未来は支配されている」

「なら試してみろ……オレの未来を変えてみろ!!」

 

 シンラが迎え撃とうと構える中でヒロムは白銀の稲妻を強く発しながらシンラの周囲を駆け、ヒロムが駆け回る中でガイはシンラの視界に入るようにポジショニングすると距離を縮めて自身の攻撃有効射程へと敵を引き込もうとする。

 

「自らオレに近づくか」

「近づかなきゃ殺せないからな」

 

「殺す?紅月シオンに不殺を説いていたオマエが?」

「オマエは殺しても問題ねぇ……いや、殺さなきゃ犠牲が増える!!」

 

 蒼い炎を強く纏うガイは《折神》にも蒼い炎を纏わせると目にも止まらぬ速さで何度も斬撃を放ってシンラを倒そうとするが、シンラの力の影響かガイの攻撃は全てがシンラとは異なる方へと放たれて不発に終わってしまう。

 

「くっ……!!」

「無策もいいところ、この程度では足止めにもならんな。被検体の刀を圧倒した剣術もオレには通じぬのに……理解が足りぬようだ」

 

「たしかにな。けど、オマエの意識はこっちに向いた」

 

 ガイのことを酷評するシンラの注意が自分に向いたと口にするガイ。そのガイの言葉に反応してシンラが何かを警戒しようとすると白銀の稲妻を纏うヒロムがシンラの頭上に現れ、現れたヒロムはシンラが気づく前に蹴りを放って敵を攻撃する。

 

 が、この蹴りをシンラは何とかして防ぐとガイに視線を向けると同時に瞳を怪しく光らせて彼の放とうとする一撃をヒロムの方へと向けさせる。

 

「コイツ、オレの攻撃を……」

「そのまま仲間を一思いに斬ればいい。それで……」

「それで勝った気か?」

 

 シンラがガイの攻撃を支配しようと語っているとヒロムはいつの間にかシンラの背後へと移動して体勢を低くしており、ヒロムが体勢を低くしてシンラの後ろに立ったことでガイの攻撃はシンラの力でヒロムの方に向けられて放たれる。が、そのヒロムはシンラを盾にするように後ろにいたためガイのこの一撃はシンラに向けて放たれる。

 

「これは……!!」


 咄嗟にガイの攻撃そのものを消し去るシンラ。シンラがその行動を咄嗟に選ぶとヒロムは白銀の稲妻を放出しながら回し蹴りを放ってシンラを蹴り飛ばし、蹴り飛ばされたシンラは勢いよく壁に激突させられる。

 

 シンラが蹴り飛ばされるとガイはヒロムとアイコンタクトを取った後にすぐさま今も思考を働かせるシオンを守るように立って構え、ヒロムは構え直すと白銀の稲妻を纏ってシンラの様子を見る。

 

 壁に激突したシンラは目に見えぬ力で壁を破壊しながら立ち上がり、立ち上がったシンラは破壊した壁の破片に魔力を纏わせると破片そのものを刃に変化させてヒロムに向けて撃ち放つ。

 

 放たれた刃をヒロムは白銀の稲妻を用いて破壊し、ヒロムが刃を破壊するとシンラは舌打ちをしながらヒロムを睨む。

 

「その力、邪魔だな」

「邪魔とは失礼だな。全人類を管理して支配するんだろ?ならオレの力を邪険に扱うなよ。オマエのその力で操れよ」

 

「オレに命令するな」

「命令じゃない。これは忠告だ。

オレを倒したいのならガイの触れたものを焼き切る《修羅》の蒼い炎でもシオンの純粋な鋭き力《雷》でも役不足だ。支配と管理を謳うオマエでも限界はある……そうだろ?」

 

「神に等しいオレの力を侮蔑するか?」

「神に等しい?笑わせんなよ。

オマエのそれは他人を無理やり操ってるだけ、気まぐれで人類に試練を与えて見定める神とは程遠い身勝手で我儘な力だ。そんなに他人を支配したいか?そんなに他人を操り都合のいい世界を求めたいのか?オマエの望んだものは自分を孤立させて孤独にするだけの未来か?」

 

「黙れよ下民」

「黙らせてみろよ。その前に言い当ててやるよ。

オマエの弱点を……それは」


「「精霊は支配することが出来ない。そして精霊が関与してる力は無効化も制御も不可能」」

 

 ヒロムがシンラについてある事を口にすると同じタイミングでガイに守られながら思考していたシオンがヒロムと同じことを口にし、2人の言葉を受けたシンラは何故か嬉しそうに笑うと2人を見ながら話していく。

 

「この流れでそれに気づくのは当然か。いやはや面白い……こうなることを予測して放置しておいて正解だった」

 

「放置?」

「オマエがオレの精霊・ライバやヒロムが扱う精霊の力とも言える白銀の稲妻を支配できないのは見抜いた。あとはオマエに……」

 

「それでは足りないのだよ……オレを倒すにはな!!」

 

 シンラが瞳を怪しく光らせると突然研究所が揺れ始め、揺れとともにシンラの周りの地面が崩壊すると古代文字の刻まれた無数の柱が彼を取り込むように現れる。

 

「何が……」

 

「我はシンラ(神羅)、森羅万象をも手に入れる最強の支配者となる男。そしてオマエたちの上に立つ神だ」

 

「コイツ……!!」

 

 シンラが右手を天にかざすと空間が大きく歪み、なにか起きると感じたヒロムが止めようと走るとシンラは右手を強く握る。


「刮目せよ……真理の力を!!」

 

 シンラの言葉の後に空間の歪みから光が放たれ、シオンたちが光に包まれると巨大な爆発が起きて研究所の中が一瞬で破壊されていく……

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