二五戦目
妖刀・《鬼喰》を手に持ち走る鬼灯潤也を迎え撃つようにシオンは雷を纏いながら動き出し、シオンが動き出すとそれに合わせるようにガイは少し遅れるようにしてスタートを切る。
シオンが先行して向かってくるのを確認すると鬼灯潤也は《鬼喰》を構えて斬撃を放ち、放たれた斬撃が迫り来るとシオンは雷の剣を手にして防ぐとそのまま接近して鬼灯潤也を仕留めようとする。が、鬼灯潤也は簡単に倒されようとせずに《鬼喰》で雷の剣を防ぎ止めると力任せに《鬼喰》を振ることでシオンの武器を破壊してしまう。
「!?」
「甘いな。そんなんじゃオレは倒せないぜ」
雷の剣を破壊した鬼灯潤也は《鬼喰》を振り回すようにして幾度と攻撃を放ちながらシオンを仕留めようとするがシオンは鬼灯潤也が何度も放つ攻撃を躱しながら雷を手に集めながら力を蓄え、鬼灯潤也の攻撃が大振りになるとそれを避けると同時に手に集め力を蓄えた雷を敵の体に叩きつけて倒そうとした。
しかし……
敵の隙をついたシオンの攻撃は鬼灯潤也に命中したように見えたが、よく見ると緑色の炎が防弾チョッキのように鬼灯潤也の体にまとわりついてシオンの雷の一撃を妨げていた。
攻撃は命中しなかった、シオンはすぐにそれを受け入れると更なる一撃を放とうとするが鬼灯潤也は《鬼喰》を持たぬ方の手を軽く動かして体にまとわりつく緑色の炎を操ると無数のクナイのようにして放って妨害する。
鬼灯潤也が放った緑色の炎の攻撃を前にしてシオンは雷を強く放出して自身の前に雷の壁を生み出すことでそれを防ぐが、シオンが緑色の炎の攻撃を防いでいると鬼灯潤也はすかさず雷を切り裂きながらシオンの首を削ごうと一撃を放つ。
敵の一撃が来る、そう感じたシオンが防御をしようとすると遅れてきたガイの刀がシオンに迫る敵の攻撃を止め、鬼灯潤也の攻撃を止めたガイはそのまま《鬼喰》を弾くとその場で回転して勢いをつけた蹴りを食らわせて敵を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた鬼灯潤也は軽く飛ばされるだけで倒れることも無く平然と立て直して構えると《鬼喰》に緑色の炎を纏わせて斬撃を放ち、放たれた斬撃をガイは刀で防ぎ止めようとする。
だが鬼灯潤也の斬撃を受けたガイの刀は一瞬で刀身が砕け散って破壊されてしまい、刀が壊されるとガイは慌てて斬撃の軌道上から体を逸らして直撃を免れる。
「一撃か」
「そんな刀でオレに勝てると思ってるのか?
持ってるなら早く構えろよ……オマエのお得意の特殊な刀を!!」
「そうか、なら望み通り構えてやる」
鬼灯潤也の誘いに乗るようにガイは体から蒼い炎を放出していき、放出された蒼い炎の一部を右手で掴むと柄から刀身まで青い刀を出現させて装備する。
ガイが新たに手にした刀、それを目にした鬼灯潤也は嬉しそうに笑みを浮かべると緑色の炎を《鬼喰》に纏わせていく。
「それがオマエの持つ刀……霊刀・《折神》か!!
霊刀と妖刀、どちらが強いか試させてもらうぞ!!」
ガイが霊刀・《折神》を構えると鬼灯潤也は《鬼喰》に緑色の纏わせながらガイに斬り掛かるべく襲いかかり、攻撃が迫り来る中でガイは落ち着いた様子で《折神》を用いて鬼灯潤也の攻撃を次から次に防いでいく。
刀が変化した影響は多少あると思いながらも鬼灯潤也はガイを倒そうと緑色の炎を《鬼喰》に纏わせながら連撃を放って攻撃の隙を与えることなく倒そうと目論むが、鬼灯潤也がガイを倒すことに気を取られていると雷を纏ったシオンが背後に現れて雷の剣で襲いかかってくる。
「その程度!!」
シオンが雷の剣で一撃を放とうとすると鬼灯潤也は背中から緑色の炎を針鼠の無数の針のようにして放出するとシオンを仕留めようとするがシオンは鬼灯潤也が緑色の炎を背中から放出する直前に地を踏み込むと同時に後ろに飛んで距離を広げ、距離を広げたことで緑色の炎が放出された瞬間を余裕を持って視認を行い回避していく。
緑色の炎を躱したシオンは雷の剣に力を高めさせると槍に変化させながら振り回し、振り回す雷の槍に雷を強く纏わせると巨大化させて鬼灯潤也へと投げ飛ばす。
「雷天騎装……雷滅斬!!」
「面白い!!鬼術……鬼斬斬刻!!」
巨大化した雷の槍が投げられると鬼灯潤也は緑色の炎を《鬼喰》により強く纏わせ、緑色の炎が《鬼喰》に強く纏われると鬼灯潤也の前に鬼の形をした異質な力が現れ、現れた異質な力の鬼は緑色の炎の刀を構えるとシオンの投げた巨大な雷の槍を破壊する。
「なっ……」
「まだ終わらんさ!!鬼術・骸炎斬!!」
鬼灯潤也は《鬼喰》を振り上げるとシオンの攻撃を破壊した異質な力の鬼を緑色の炎と一体化させて巨大な刃を形成しながら斬撃をシオンに向けて飛ばしていく。
飛ばされた斬撃はシオンを倒そうと地面を抉りながら迫っていくがガイは刀に纏わせた魔力を蒼く染めると炎に変えながらシオンの前に立って構え、静かに息を吐くと一閃を放って鬼灯潤也の一撃を相殺する。
攻撃を放った鬼灯潤也の《鬼喰》からは異質な力が消え、さらにガイの刀は粉々に砕けてしまう。
「さすがは天才剣士、オレの鬼術を纏わせた一撃を相殺するとはな。だが一撃を防いで壊れるような武器を使うとは……用意が甘すぎないか?」
「オマエこそ、思考が浅い」
ガイは蒼い炎を発生させると青い刀を生み出し、ガイはその刀を手に取ると鬼灯潤也に迫っていく。
「刀を生み出した!?」
「霊刀……《折神》、オマエに使うことになるとは思わなかったが仕方ない。これを使うからにはオマエはここで仕留める」
「折れることを知らず、あらゆる刀剣を破壊する力を持つ霊刀か……面白い!!そうでなれば張り合いがない!!」
鬼灯潤也は緑色の炎を強く纏わせると《鬼喰》でガイを攻撃しようとし、ガイは《折神》に蒼い炎を纏わせると敵の一撃を防ぐ。
そして……鬼灯潤也は右眼を怪しく緑色に光らせると残像を残すほどの速さで動き始めるとガイの周囲を縦横無尽に駆けながら翻弄しようとし、鬼灯潤也の残す残像に惑わされないように冷静に《折神》を構えて迎え撃とうとする。
構えるガイ、その背後に鬼灯潤也が現れて足を止めるとガイに気づかれる前に一撃を放とうとするがガイはそれに反応して鬼灯潤也を上回る速度で振り向くと同時に斬撃を放って鬼灯潤也を斬る……が、斬られた鬼灯潤也は炎となって消えてしまう。
「!!」
残念だったな、と鬼灯潤也は静かに攻撃を放った後のガイの後ろに現れると《鬼喰》を振り上げて攻撃体勢に入りながらガイに告げる。
「天才剣士としての力は認めよう。だがそれはオレには通用しない。オレとオレの鬼術の前ではオマエに勝ち目はない!!」
「そうか。ならオレからも教えておいてやろう。
オレたちの相手をするのなら思考は止めるな」
「何を……」
ガイの言葉に鬼灯潤也が反応してほんの一瞬動きが鈍くなると雷を強く纏ったシオンが鬼灯潤也の前へと現れると鬼灯潤也の顔面に拳を叩き込み、そして叩き込んだ拳で鬼灯潤也を壁に叩きつけるように殴り飛ばす。
殴り飛ばされた鬼灯潤也は壁に叩きつけられ、鬼灯潤也を殴り飛ばしたシオンは瞳を白く光らせながら冷たく告げた。
「ハッキリ言っておくぞ鬼灯潤也、オレたちの力をナメるなよ。オマエが何を企もうが今のオレたちにはオマエを倒す未来が視えている!!」
「……紅月シオン……!!」
「来いよ……オマエを倒してオレたちが終わらせてやるよ!!」




