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二三戦目


 ギガンテスをヒロムに任せて鬼灯潤也を倒すべく先に進むシオンたち。先に進もうと走る3人だが、研究所内のいくつもある部屋をスルーするように走る道中で突然研究所が大きく揺れる。

 

 地震のような大きな継続する地震ではなく大きな音とともに一瞬揺れただけ。何故揺れたのかは3人とも見当がついていた。

 

「ヒロムのヤツ、あのデカブツを相手に戦い始めたな」

 

「あの程度で止められるはずもないからな、ヒロムは。

これならオレたちは鬼灯潤也の捜索と決着に専念できるな」

 

「むしろ大将を止められるようなヤツを鬼灯潤也が用意出来るわけないだろうしね。シオン、鬼灯潤也の居場所は?」

 

「気配はこっちだ。どんどんアイツの気配が殺気の中に混じって感じ取れる。このまま……」

 

 鬼灯潤也の気配を感じているとシオンが話していると天井が爆発し、爆発によって破壊された天井が瓦礫となってシオンたちを襲おうと降ってくる。

 

「なっ……」

「罠か!?」

 

「させないよ!!」

 

 シオンとガイが驚きを見せているとイクトは2人を蹴り飛ばし、2人が瓦礫の落下範囲外に蹴り飛ばされるとイクトは何とかして瓦礫を避けながら来た道を後退していく。

 

「イクト!!」

 

 イクトを心配するシオンが叫ぶ中で瓦礫は止まることなく降り続け、しばらくすると瓦礫で通路が塞がれてしまう。

 

 シオンとガイは無事、だが2人を助けようとしたイクトの安否が気になるシオンは瓦礫の向こうにイクトがいると信じて叫ぶ。

 

「イクト!!無事か!?」

 

「……大丈夫だ!!

何とか躱したから無事だ」

 

「そうか……」

「イクト、こっちに合流できるか?」

 

「いや、今見える範囲ではすぐには無理っぽいよガイ。

この瓦礫をどかすにしても時間ないし……この研究所のどこかにそっちに続く通路があるはずだろうからそれを探すよ。でなきゃ2人が鬼灯潤也を倒しても閉じ込められたままになるからね」

 

「分かった。状況次第ではヒロムに合流してこの事を伝えてくれ。アイツならこのくらい何とかできるはずだからな」

 

「ガイって大将のこと化け物と思ってるよね……?

でも、大将に頼る方が早そうならそうするよ。だから……2人とも、無理だけはするなよ」

 

 瓦礫の向こうで無事を伝えたイクトは2人の武運を祈る言葉を伝え、それを伝えられたシオンとガイは彼の思いを背負うと先に進むべく走る。

 

 振り向くことなく、ただ仲間を信じて、今は鬼灯潤也を倒すべく前に進む。そんな中でガイはシオンに対してある事を確認するように彼に尋ねていく。

 

「シオン、今更こんなことを聞くのはおかしいと思うが鬼灯潤也をどうするつもりだ?」

 

「決まってる、倒すさ」

「その後は?ヤツはオマエの戦闘種族としてのプライドを踏みにじった。それを許すのか?」

 

「許すも何も無い。ヤツを倒して《ブラッドアウト》の発射を阻止さえすれば今回の件が解決するなら余計な殺しは避けるべきだろ。ヒロムが相手するギガンテスみたいな言語の通じない相手ならともかく、ヤツは言語を理解しオレたちを踊らせて楽しんでる悪党……ならオレたちがやるべきことは鬼灯潤也を止めてヤツを法の下で裁くように裁く側の人間に渡すことだ」

 

「殺さないんだな?」

「ここで殺したらオレはヤツらと変わらない。オレに求められてるのは《天獄》の1人としてどうすべきかを示すこととヒロムの仲間として何をしたいのか、そして戦闘種族の末裔として何をするのかを示すことだ。鬼灯潤也はただのステップアップのための踏み台にしてやる。それに……鬼灯潤也を救ってくれって血鮫に頼まれたからな」

 

「そうか……いいじゃないか、それ。今のシオンは最高にかっこいいよ」

「オマエがオレに求めてたんだろガイ。

これまでと同じではなく、これまでを踏まえて成長することを」

 

「ああ、そうだ。だから何度もオマエにシュミレーションをさせて理解してもらおうとしたんだ」

「……悪かったな、それを汲み取れなくて」

「気にすんな。結果としてしっかり成長出来てんなら問題ねぇよ」

 

 鬼灯潤也のもとへ向かう中でシオンの意志が語られ、それを聞いたガイはどこか嬉しそうな表情を見せていた。

 

 そんな2人が進むのを阻むように能力者と思われる男が現れる。

2人を睨むその男は同時に殺気を放っており、放たれる殺気を前にして彼を敵と判断したシオンとガイは走る足を止めることなく男に迫っていくとそのまま倒すべく攻撃を仕掛ける。

 

「「どけ!!」」

 

 

 

 

******

 

「まいったね〜」

 

 突然の天井崩壊と瓦礫による進路妨害と分断を受けたイクトはひとまずどうするか悩みながら来た道を引き返していた。

 

「大将がギガンテスとの戦闘中なら慌てて戻っても往復して来なきゃならなくなるし、かといってユーリンさんに無線機で終わったかどうか聞くのも遊んでるとか変な誤解されそうで嫌だし……かといってガイたちに探すとか言っといた別の道を探そうにもこの研究所のマップもらってないから下手に動くと彷徨うことになるし……」

 

 どうしたものかな、とイクトは悩みながら来た道を引き返すべく走っていた。そんな中イクトは何かを目にしてふと気づいたのか足を止めると恐る恐る近づいて目にした何かを確かめようとする。

 

 イクトが確かめようとしているのは……研究所の部屋の1つだ。

先程目的地に向けて急いでいたからスルーしていたとはいえ部屋については存在については認識していたからイクトは部屋については知っていた。

 

 だがイクトは引き返す中で部屋の1つを調べようとしていた。何故ならその部屋だけが不自然に扉が開いていたのだ。他の部屋に関しては全て扉が閉まっている。なのにイクトが気になったその部屋だけは扉が開いていたのだ。

 

 まるで誰かが仕向けたかのように開いている扉、その先に何かあると感じたイクトは敵の存在を警戒しながら部屋の中へと入る。

 

 部屋の中に入るといくつかの作業用の机があり、資料が並んでいたであろう棚と本棚、そしていくつかのパソコンだ。だがパソコンは復元不可ではないかと思えるほどに破壊されており、床には資料を燃やしたと思われる燃えカスが散らばっていた。

 

 パソコンはもちろん燃えカスを見たイクトは何か手掛かりがあるはずだと本棚の方に向かうが、本棚にも娯楽のための本が数冊あるだけでこれといったものがない。

 

 気のせいだったか、とイクトは部屋を出ようとしたが棚と本棚の間に目を向けるとそこにある不自然さに気づいた。

 

 資料が並んでいたであろう棚と本棚の間には何故か人が1人入れるだけのスペースがあり、そのスペースにだけ散らばっている燃えカスが落ちていなかったのだ。よく見ればそのスペースの壁だけ不自然に床から数ミリほど浮くように隙間があいており、そこから微かだが光がもれていた。

 

 これは何かある、そう感じたイクトはこの怪しさしかない壁が動くかどうか確かめようと壁に手を当てた。すると……何かが反応したのか壁の一部が天井の方へとスライドする形で動いてイクトが怪しむ壁の向こうに続く入口を作り出す。

 

 そして……

 

「んだよ、これ……!?」

 

 壁が扉となって開いたその先にあるものを見たイクトは絶句させられてしまうようなものを見てしまい、そしてここにあるものを目にしたことでイクトは……

 

 

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