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二〇戦目


 血鮫が息を引き取ってからしばらく経つ……

 

 戦場となったゴミ処理場へと警察が駆けつけ、《鮮血団》の倒れた団員たちを次々に移送車へと運び込んでいた。

 

 そんな中でシオンはガイが倒した海月の頭にカミナリを帯びた手を当てて何かをしていた。

 

 シオンの行動を見守るガイ。ガイが見守る中でシオンは舌打ちをすると海月の頭に当てる手をどけてガイに伝えた。

 

「蒼月の時は運が良かったと言うしかない。

コイツは最初から捨てられる前提でここに送られてる」

 

「どういう意味だ?」

 

「……コイツの頭の中に異物が混ざってた。カプセルのような小型のもので炸裂したような痕跡が感じとれた。つまり……コイツはオレたちの足止めのために鬼灯潤也に選ばれ、そしてオレたちが倒して蒼月の時のように無理やり情報を得ようと試みた瞬間にその異物が起動して脳を破壊されてる」

 

「完全に海辺の方にある拠点に誘導するための細工だな。血鮫の頭の中にもあったのか?」

 

「血鮫の頭の中にはなかった。イクトに預けてる蒼月の頭の仲を調べてる時にはなかったものだからガイの言うようにオレたちを最後の拠点に誘導して血鮫の言っていた爆薬で爆殺する手筈だったんだろうな」

 

 失礼します、とシオンとガイが話していると1人の若い警察官がやって来て2人に報告しようと話しかける。

 

「雨月さんが手配されていたコンテナ倉庫の旧管理棟の遠隔からの探知の結果がとどきました。結果は雨月さんの言っていた通り……周囲1kmを簡単に吹き飛ばせるほどの爆薬が確認されたとのことです」

 

「……血鮫の話は本当だったか」

「他に何かわかりましたか?」

 

「爆薬についてですが、周囲1kmに被害を及ぼす規模のものが発見されたのですが現場からの報告では起爆装置は見当たらず、特殊部隊が《鮮血団》を警戒しつつ突入したところ爆発も起きずに処理できたとのことです」

 

 警察官からの報告を受けたシオンとガイは顔を見合わせて報告の内容の不自然な点を疑ってしまう。

 

 血鮫の話通りに爆薬は発見された。なのに話には起爆装置の様なものが見当たらず、それどころか特殊部隊が突入しても起爆しなかったというのだ。

 

 最後の最後にシオンたちを始末しようと用意していたと思われる爆薬が何も起きずに終わるなど考えられなかったからだ。

 

 何故何も起きなかったのかと2人が不自然に思っていると警察官はそれ以上何も言わずにその場を慌てて去ろうとした。

 

 その警察官の行動が怪しいと感じたシオンはすぐさまその警察官の行く手を阻むように音も立てずに移動すると頭を掴み、頭を掴んだ手に雷を帯びさせると警察官の頭の中へとカミナリ流し込んでいく。

 

「シオン、何してる!?」

「落ち着けガイ……コイツの話は嘘だ」

「嘘?」

 

「不自然な点が残って怪しさしかないのにコイツはそれを感じてないかのように自然に去ろうとしたが……よくよく考えれば特殊部隊が爆薬確認してから短時間で突入すると思うか?」

 

「いや、周囲1kmに被害を及ぼすのなら近隣の住人の有無や避難などがある。そうか……不自然に感じた理由はそれか」

 

「ああ。オマエが爆薬の真偽を確かめるために警察に依頼したからその報告が警察官から来ても何もおかしくはない。オレたちとしては血鮫の話の真偽を確かめるためにもそれが聞きたかったから一瞬聴き逃しそうになったがコイツの動きを見て確信した。コイツはオレたちを安心させるために送り込まれた《鮮血団》の人間だ」

 

 警察官は《鮮血団》の人間だと話すとシオンはさらに雷を流し込み、雷が流されると警察官は体をピクピクさせながら言葉を発していく。

 

「……我らが潤也様の計画……最終段階に……。

紅月シオンと雨月ガイを……安心させてから爆薬を起動させ……戦国乱世への火蓋として……終わりを告げて……」

 

「ご丁寧にオレたちを騙すためだけに送られてるな」

 

「ヤツの居場所は聞き出せるか?」

「使い捨ての駒にされてるような人間だから無理だな。コイツからはそんな気の利いた情報は聞けなさそうだ」

 

 それに、とシオンは雷を消して警察官の頭から手を離すとガイに向けて警察官が口にした言葉から考えられる可能性を話していく。

 

「これでヤツらの拠点は全て制圧したも同然。あとは鬼灯潤也が身を潜めている仲間すら知らねぇ場所に向かえばヤツがそこにいる」

 

「誰も知らない場所に向かえば、か。その場所が分からなければ向かえねぇだろ?」

 

「《鮮血団》からは聞き出せねぇだろうな。だからここからは……アイツらに頼るしかねぇ」

 

 

******

 

 

 一方……

 

 ヒロムと合流したイクトはどこにいるか分からないホーランを警戒してかホテルの非常階段へ彼を連れ行き、そこで彼に鬼灯潤也がシオンに出したタイムリミットが迫れば首都が壊滅させられる計画が動くことを伝え、さらに今もシオンとガイがそれを止めるべく動いていることを伝えた。だがしかし……

 

「それでも鬼灯潤也は発見されてないんだろ?

アイツらに余計な動きはやめろと伝えてやめさせろ」

 

「やめられるわけないだろ?相手は国家転覆を計るようなテロリスト。そのテロリストが明日には大勢の人間を虐殺しようとしてるのに黙って待ってるなんて出来ないよ」

 

「それが敵の狙いならどうする?」

「え?」

 

「オマエの話なら鬼灯潤也とその仲間はシオンがタイムリミットを待たずに動くことを先読みして各拠点にシオンを倒すための能力者を配置して迎え撃とうとしてるんだろ?シオンとガイが必死に止めようと動いてると言ってしまえば聞こえはいいが言い方を変えれば2人は今鬼灯潤也に邪魔されないように体力と魔力を消耗させられてるってことだ」

 

「でも何もしなかったら街は……この国は終わるかもしれないんだ」

 

「国を終わらせなくてもヤツらの狙いの戦国乱世への火蓋は切れる。何せここにはオレと防衛策を話し合う各国の人間が集まってるからな。そいつらを殺して戦争を引き起こし、その中でそれぞれの国が日本以外にも恨みを持ち攻撃するように仕向けることも簡単なはずだ」

 

「じゃあどうやっても回避できないって……?」

 

 それはない、とヒロムは不安を抱くイクトの言葉を否定するように言うと歩き始め、ヒロムは非常階段からホテル内へと戻るとイクトを連れ歩きながら今回の件について話していく。

 

「《鮮血団》の件に関しては情報の無さとシオンに出されたタイムリミットが事態を深刻に思わせているが、それらの全ては鬼灯潤也によるものではなくホーランが陣営指揮をしてるとすればどうだ?」

 

「何言ってんのさ?ホーランって協力者の手引きで鬼灯潤也たちは……」

「そもそも鬼灯潤也とそのホーランの関係性はそれで正しいのか?オマエたちは表に出てきてる鬼灯潤也が主犯だと思ってないか?」

 

「な、何言って……」

 

 ヒメガミ、とヒロムとイクトが話していると白人男性がアランと共にやって来て声をかけてくる。

 

「来たかハーラン。それにアランも」

「ミスター・ヒメガミ、このお礼は日本観光で頼むよ?」

 

「大将?この2人は……」

 

「ドイツから来訪してくれたハーラン・ガウェルとアメリカから来訪してくれたアラン・ゴールディ。オマエの連絡を受けてからこっちも段取りよく調べてたさ」

 

「まさか……」

「シオンとガイをここに呼べ、イクト。

ホーランを尋問してアイツらに情報を渡すぞ」

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