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一五戦目


 その頃……

 

 とあるホテルのロビー。どこかから戻ったと思われる姫神ヒロムが歩いており、そのヒロムはどこか面倒そうな顔をしていた。

 

「……」

(《鮮血団》の狙いは恐らく毒による汚染では無い。その先にあるものを盗み聞きたかったがシオンのバカはオレが付けた小型マイクを雷の力で強引に壊しやがったから聞くに聞けない。どうせ今頃イクトとガイが合流点してるだろうから後から聞くとして……考えられる他の手は何かってところだ。何故このタイミングでヤツらが動いたのか、そしてイクトからの報告があったホーランと呼ばれる人物が何者なのか……そこら辺が曖昧すぎて答えがまとまらないな)

 

「姫神さん、お戻りになられましたか」

 

 ヒロムが頭を働かせながら歩いているとエレベーターの方からスーツの男が走ってやってくる。細身の男、黒髪に眼鏡のその男が来るとヒロムは軽く会釈すると足を止める。

 

「何してんすか堀川さん」

「何って……待ってたんですよ姫神さんを」

 

「オレは今日は終わりでいいから帰っててって言いましたよね?

明日の話し合いの資料まとまるのお願いしたのに……大丈夫すか?」

「資料はもう大丈夫です。あとこれから私の好きなサッカーの試合も始まるので。それよりも警察やメディアに《鮮血団》を名乗る者たちに対しての対処法を問う声が相次いでまして……」

「対応はアナタが?」

「いえ、対応については警視総監が指揮されてます。ですが……《鮮血団》の人が言っていたタイムリミットとやらがせまるとどうなるのか不安だという声もあって避難用シェルターを開けろと迫る人までいるそうで……」

 

「シェルターか……」

(街の人が上手く混乱しつつあるからこそ各日な安全を確保求めてそれが出てきたってところか。でも……おかしいよな。普通の人間ならわざわざシェルターなんて言うか?せいぜい口にしても安全な場所だろ?マンガや映画で知識を得た誰かが日本にもあるとして風潮したのか、それとも……)

 

「やぁ、ミスターヒメガミ」

 

 ヒロムが堀川の話を受けてかんがえているとヒロムのもとへとまた新たな人物がやって来る。

 

 白いスーツを来た金髪の青年、その青年が来るとヒロムはため息をついてしまう。

 

「……アラン、また日本観光か?」

「イエス!!今日も美味しいディナーを食べましたよ」

「そうか……アラン、あまり言いたくないが外は今危険だ。今は外出をに控えるなりして安全を確保してくれ」

「ホワイ?ミスターヒメガミがいるならノープロブレムでは?」

 

「生憎だがオレがいても解決しないこともある」

「そうですか……では今から部屋飲みとやらをしましょう!!」

「未成年に酒を勧めるなよ27歳アメリカ人。仮にも公務として来てるなら弁えろ」

 

「ジョーク、ジョーク!!ミスターヒメガミが緊張してるみたいだったからムードよくしようとしたんだよ。オレはこれからハーランと語り合いながら飲み明かすよ」

 

「……そうか。まぁ、ほどほどに楽しめ」

 

 オッケー、とアランは笑顔を見せると去っていき、アランが去るとヒロムはアランについて考えていく。

 

「……」

(アランに《鮮血団》のことを話したとしてホーランの情報を得るのは可能かどうか……普通に考えれば無理だろうが、あの男が真面目になってくれれば多少は可能かもしれない。けど、それは同時に借りを作ることになる。それだけは……避けたい、けど)


「アランとハーランなら……」

 

「姫神さん?」

「何でもない。それで例の件は?

博識なアンタなら調べ終えてるか?」

 

 

******

 

「ホーランの件はヒロムとイクトのツーサイドから調べてオレとガイで鬼灯潤也が潜伏してそうな場所を突き止めるぞ」

 

 ホーランの正体に近づく鍵を見つけたシオンはイクトとガイにここからの方針を話すが、話を聞いたイクトはどこか乗り気ではなかった。

 

「ホーランが外国人ならオレは手出しできないんだけど?」

「そこは知らん。というかオマエの能力ならヒロムの影に潜みながらアイツが話してる防衛策について聴き出せるだろ」

 

「そ、それはそうだけど……」

 

「けどシオン。仮にホーランがイクトの存在に気づいたとしたら……警告としてオレたちを攻撃してくる可能性はないか?」

「どの道ベノムが倒されたと知ればホーランが動いて終わる。それを避けるためには危険を承知でやるしかない」

 

「やるしかないのね……とりあえず大将に頼んで影に潜ませてもらってそれから主要人物を洗い出しか……外国人なら発音とか名前ノ英語表記のスペルとかありそうだけどそんな単純なわけないしな……」

 

「その辺はヒロムと相談しろ。とりあえずはオレとガイはPCでUSBを読み込んで潜伏先の情報を出してマップと紐付けして潰していく」

「覚えては無いのか?」

「記されてたのは座標の数字だ。それを正確に把握するためには記憶力ではなく確かな術が必要だろ」

 

「確かにそうだな。ちなみに潜伏先の数は?」

「3つあるうちの1つがここだから残りは2つ、1つはここからそう遠くはない……はずだ」

 

「ならマップで調べるしかなさそうだな。PCは鑑識の人のを借りるとしてマップはオレのスマホを使って記録していくぞ」

 

 頼む、とシオンが言うとガイは鑑識の男のもとへPCを借りに行き、ガイが離れるとイクトはシオンに質問した。

 

「仮に鬼灯潤也がいたとして、シオンはそいつをどうするつもりなのさ?」

 

「どうするとは?」

「殺したりしないかってことだよ。鬼灯潤也はシオンに対して宣戦布告したに等しい相手だ。そいつを前にしてシオンは何を思ってどう行動するのか気になってね。シュミレーションじゃガイに殺すなって言われても聞かなかったからもしかして鬼灯潤也のことも…… 」

 

「殺して終わるならそうするが、今回は違うだろ。鬼灯潤也を倒して《鮮血団》を止めなきゃ終わらない、なら殺すんじゃなくて倒して止める」

「シオン、もしかして……」

 

 

「……ヒロムが何を分からせたかったのか、ガイがオレに何を学んで欲しかったかは理解した。だから……オレは今のオレがやるべき事をやるだけだ」 


「シオン、成長したね」

「……ヒロムにバカみたいに殴られたからな。嫌でも思い知らされたってだけだ」

 

「それを成長って言うんだけどね。その様子なら安心してガイと行かせられそうだね。オッケー、それならオレもホーランの法を専念するよ」

 

「シオン、PCを借りてきて座標を確認したぞ」

 

 シオンの意志を聞き届けたイクトは安心したような顔を見せ、イクトが安心した顔を見せているとガイがノートパソコンを片手に戻ってきてシオンに今いる場所から近いところにある的の潜伏先を話していく。

 

「ここから車で西に1時間走ったところにあるゴミ処理場が1番近い敵の潜伏先だ。鬼灯潤也はそこにいるか最後の1つである海辺にある昔使われてたコンテナ倉庫の管理棟にいるはずだ」

 

「なら急ぐぞ。ホーランの阻止と鬼灯潤也の討伐……両方をタイムリミットまでに完遂して街を……オレたちの国を守るぞ!!」

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