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「りっちゃん? どうしたの?」

心配してくれているらしい白井姫花ちゃんの声で佐藤理恵に視線が集まる中ハンカチで涙を拭う。

なんでもないと言ったけど関係ないはずのクラスメイトがざわざわしていて少々めんどくさい。

周りの様子を伺えばあちら側の態度のせいか不信や不安を抱いているらしい小声が聞こえてくる。

あからさまではないものの分かりやすい反応の数々にラインハルトが青筋を浮かべて歯を食いしばっている。

流石に王の叱責が聞いたのか無言を貫くラインハルトを横目に白井姫花ちゃんの頭を撫でながら、先ほどの感覚について考えようと思っていたら王様が咳払いをして注目を集めようとしたのでそちらに意識を向けた。


「自己紹介が遅れましたが私はオルリウス=フォン=グリエタス=リベスタル、このリベスタル王国の王になります。まず最初に皆様が最もお聞きしたいであろう元の世界への帰還について順を追って説明させていただきたい。第一に勇者召喚とは神からリベスタル王家に授けられた秘術であり、行使するには王族の血と私が持って居るこの杖サーシェルの涙、そして多大な対価が必要になります。…1度の行使でこの城が3つほど建つと言えば事の大きさが分かっていただけるでしょうか?」

実感はなくとも莫大な資金が必要である事が伺える内容にあちら側の人たちも絶句している。


「そして、この秘術で呼び出されるのは世界の崩壊を防ぐ為に死の運命にある者だけなのです。」

そして今度はこちら側の人間が絶句する事になった。

私が盗み聞きしたのとほぼ同じ事が王様の口から語られ、召喚された者を元の世界に帰す方法が無い事が告げられると場が騒然となった。

気を失って倒れる者、泣き叫ぶ者、笑い出す者、怒号を上げる者、その様々な反応と、空気の変化に騎士の一人が剣を抜いた。

「やめよ!」と王様が叫んだ直後、「家に帰してよ!」という叫びと共にその騎士が武器を向けた女の子から炎が吹き上がり、武器を向けた騎士に「勝手に召喚した癖に都合が悪けりゃ殺すのかよ!」と怒鳴る男の子から電撃が放たれた。

至近距離で炎を浴び、更に電撃に撃たれた騎士は肌が見える部分は真っ赤に焼け爛れ、ビクビクと立ったまま痙攣したかと思うとぶっ倒れ、それを見た騎士達が次々に武器を抜き放った

…この状況考えるまでもなくヤバくないかな?

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