meet...
初投稿やで
-時は5月前半
「行ってくるわー」
毎朝母への挨拶は欠かしていない。
そんな日常の中に愛美はいた。
「広一兄ちゃん行ってらっしゃい!」
うちの妹と登校班が同じだったので、仲は前から良かった。
自分自身前から可愛いなと思っていたが、恋愛対象として見ることはなかった。だって5歳差だもん。
ある日、学校で小学生が数校の中学生に質問するイベントが小学校で行われることになった。
「もう受験だし、内申上がりそうだからやるか。」
そんな安易な考えで、俺はイベントの中学生として派遣されることになった。
その仕事は意外と面倒臭いらしく、
『お前、部活(野球部)やめてて良かったな』
と嫌味混じりに先輩は言っていた。
そう、僕は去年の2月に慢性肺疾患を患い、部活を辞めざるを得なくなってしまった過去がある。俗に言う黒歴史ってやつだ。
その仕事の中で、小学校の先生との打ち合わせのために小学校に出向くことが多々あるそうだ。
最初の小学校訪問。校舎では賑やかに帰る若造の声が耳に入ってきた。俺も若造だけどな。
そこで、担当の先生と小学校側の実行委員で打ち合わせをするらしい。
特に何も考えずに、『軽く聞き流せばいいや。』程度の感覚だった。
打ち合わせのある教室に入ると、小学校3人が律儀に挨拶をしてくれた。恐らく高学年から1人ずつ選抜したのだろう。
挨拶を受けた僕はおどおどしながら椅子に座り、小学生3人と対面した。
1人は小太りの少年。もう1人はメガネの細身。
そしてその2人に挟まれて、愛美がいた。
愛美と目が合った瞬間、にっこりと笑ってくれた。
そのつかの間、先生が『これから質問会についての打ち合わせを始めます。』
そう言って始まった打ち合わせもどんどん進...まず。全く折り目がつかなかった。
俺何もしてないけど。
仕事は他の中学校からの代表に全て任せっきりにしていた。
おいおい、と思いながらぼーっとしていると、打ち合わせの時間が来てしまった。
すると先生が、
『これじゃあ間に合わないので各自自主的に考え、まとめてきてください。』
それに対して、俺は
「嫌ですよ〜。もううちら受験ですよ?」
受験勉強する気は無いが受験という言葉を出した。これは勝ったな。と思った。
すると、
『自分からやるって言ったんだからやり遂げるのが普通だろ』
学校の先生特有のガバガバ理論に全て跳ね返されてしまった。
家に帰って30分位したとき。インターホンがなった。画面を見ると、愛美だった。
勇み足で玄関へ出ると、制服姿の愛美がいた。
『すいません。打ち合わせの内容、私の家で一緒に考えませんか?』
どーやった?次があるかもね。






