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25、私は守ります


 喫茶コーナーに連れて行かれるとそこには先客がいた。


「さすがに深夜に男女二人きりというのもどうかと思い藤様もお呼びしました。どうせ百合様の考えは筒抜けですし。」


「はい。ぐっすり寝ていたのに起こされました藤くんですよ。しょうもない話やったらバートさんをぶっとばしまーす。」


 めずらしく機嫌が悪い。絶対に藤を起こすのはやめよう。


「百合様、私にはこの国に婚約者がいます。でも私も婚約者も結婚するつもりはありません。婚約者にもう一度確認しましたが、もう付き合っている方が居るそうなんです。それに私はリリアを愛しています。恥ずかしながら、こんな感情久しぶりなんです。私とは真逆でなんの裏もなく私に好きだと言ってくれるリリアを愛しいと思っています。でも母を説得するのに問題が2点あります。1つ目は婚約者と結婚しないと伝えること。2つ目は魔物であるリリアとの結婚を認めてもらうこと。って百合様何故泣いているんですか?」


「だっでー。よがっだっでー。」


「はいはい、百合ちゃんおいで。よしよししたろうね。」


 私は藤に抱きつく。


「バートさん、百合ちゃんはここの従業員の方が話をしてて婚約者の話を知ってたんですよ。でリリアちゃんがふられてしまうと思ってたんです。」


「そうでしたか。それはすみませんでした。そんなに思い詰めてらしたのですね。というか全然泣き止まないですね。」


「えっと。それでなんで百合ちゃんに説得させるんですか?前から思ってたけど、バートさんがすることやんって思うことさせますよね。確信を持っておかしいと思ったのは、銀行強盗の解決をせえって言ったこと。あれだけは絶対に変やった。」


「……白の国の王に命令を受けておりました。百合様はいずれアル様と結婚して女王になる身。その素質があるのか旅の途中で試練を与えよと。」


「あの王様、結婚せんでええって言った割にそういうことするんやな。」


 私は涙が引っ込んでしまった。あの王様絶対にぶっとばしてやる。


「せやな。」


「藤様、百合様はなんと?」


「王様、ぶっとばすって。」


「そうですよね。申し訳ありませんでした。ですが私が出す最後の試練です。お願いします。」


 そう言ってバートさんは頭を下げた。やってやろうじゃないか。私はリリアの為に説得しようと決意した。


「百合ちゃん、リリアちゃんの為に説得するって言うてます。」


「ありがとうございます。明日の昼食時に婚約者も婚約者の付き合っている方もよんであります。父は全て知って賛成していますが、厄介なのは母です。婚約者を決めたのもあの人ですし。何より赤の国を出たことがないので頭が固い。とにかくお願いします。」


「分かりました。ただ協力しますが、説得するのはバートさんあなたです。それが条件です。」


「はは、これはこれは。そうですね。すみません。どこかで逃げようとしていたようです。あなたに逃げるなと言った私が。すみませんでした。では明日お願いします。」


 そう言って私たちを残して1人旅館の外へと出て行った。


「じゃあ僕らはもう寝ようか。」


 そして部屋に戻り私はやっと眠りについた。


 目が覚めるとリリアはおらず部屋に1人だった。でも5分もしない内にリリアが帰ってきた。


「百合!バートさんにプロ、プロポーズされた!」


「えー!良かったねー!本当に良かったね!」


「うん!うん!」


「幸せになってね!式は?」


「できれば赤の国でしたいけど、君のご家族に挨拶へ行くのが先だねって!」


「良かったね!」


「うん!でも今日はどうしても忙しいから、カート君とアルさんに遊園地に連れて行ってもらえって言われたの!百合もこない?」


「ごめんね。今日は藤と赤の国を知るために図書館へ行く約束しちゃったの!ごめん!」


「そっかーじゃあ仕方ないわね。お土産は買ってくるから!」


「うん!」


 私はリリアを笑顔で見送った。嘘をつくのは嫌だったけど、絶対にあの笑顔を守ってみせる。私は固く決意し部屋を出て決戦の場へ向かった。



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