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21、怪しげな洋館です


 テントに戻るとリリアはもう寝ていて私も眠ろうと目を閉じた。

 少し経って声が聞こえた。


「百合様。」


 目を明けるとバートさんがいて、青い石の入った腕時計を差し出した。


「これを差し上げます。百合様が寝ている際にアル様が近付くと警報音が鳴ります。これで怒りをおさえてください。」


「分かりました。お休みなさい。」


 バートさんが行った後、私はそれを握って眠った。

 朝、藤の作ったご飯を食べていると珍しくアルは私の隣に来なかった。アルは私を見るとただ頬を赤らめ気まずそうに目をそらした。私は、もうアルは存在しないと思い込むことにした。


 キャンプの後処理をしっかりして、また歩き始めた。森に入ると少し肌寒くなって薄暗く足下に注意しながら歩き続けた。その道中怪しげな洋館が道の右手に建っている。いかにも何かが出そうな、幽霊的な何かが出そうな洋館だ。見た目は左右対称で綺麗なのだが暗く不気味だ。


「あそこ入る?」


 と飄々としたカート君。


「私は絶対にいや。」


 と少し怯えるリリア。


「私は別にどっちでも。でも何かあるかもしれないし確認だけ行きます。」


 と私は答えた。正直幽霊はあんまり怖いと思ったことはない。


「だったら俺も行く。」


 とアルは言ったものの顔色が悪い。


「僕も別にこわないから行くわ。」


 といつも通りの藤。


「私はリリアと待っていますよ。」


 バートさんはさも当然のように言った。


「僕は周りを見たいから。」


 とカート君が言った。

 じゃあ3人で入ろうというときになってバートさんが私たちに向かって言った。


「そういえば、赤の国に向かう途中の洋館ってここのことでしょうか。」


「なんだバート知っているのか?」


 アルが聞き返す。


「ここに入ったら最後、戻ってこないそうです。」


 バートさんは含み笑いをしながら答える。私は少し呆れながら話を聞いていた。藤も同じ表情でバートさんを見ている。でも唯一アルはこの世の終わりのような顔をしていた。

 私と藤は先頭でアルは後ろから玄関へと入った。




「バートさん嘘ですよね?さっきの話。」


「リリアはどうだと思います?」


 リリアはアル様と同じ表情をした。本当に可愛らしいお嬢さんだ。

 さてあの3人が帰ってくるまでリリアと何をしようかな。



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