山川との対面
「先輩、新井さんって怒ると結構怖いですよね。」
黒のスーツの達之とグレーのスーツの俊彰、彼女のいとこの典紀は
三人で飲んでいる
「慣れているはずなんだがな…。」
有紀姉さんがキレると達之先輩は手も足も出ないんですよね。
確かに。
先輩、新井さんに何をやったんです?
浮気だよ。俺が有紀にやったのは。
因果応報なのかもな。
どこかで俺は有紀を見くびってた。
本当は大きな存在で、いなきゃダメなのにな。
紺のスーツの典紀は黙っている
「達之、反省してるんなら、有紀ちゃんを泣かすな。」
カウンター内の松重である
真鯛のお造りが彼の好物だ
「こんばんは。」
いらっしゃいませ。
三人の前に現れたのはラジオプロデューサーの山川だ
「有紀ちゃんとは新井有紀警部のことですか?」
そうですが、あなたは?
私はラジオ局のプロデューサーの山川と言います
看板パーソナリティーが新井警部を知ってましてね。
「俺は越川と言います。あの番組のプロデューサーの山川さんとお会いできて
光栄です。こいつは部下の伊丹。」
僕は精神科医の片平です。
部下、と言うことは警視庁の…。
山川は空気を読むのがうまい男である
「大将、とりあえず日本酒を。」
本番終わりで飲みたいと思っている