表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/16

ようこそ。異世界へ! 娼館へ

異世界の娼館は想像できない。昔、欧州に行った時、公娼館がありました。日本にも”赤線”がありましたね。もう一気に18禁で書こう。とも思いましたよ。それのほうがエロ描写がたのしいもんね。

クリスは早朝からサイモン男爵から昨夜届いた報告書の対応を終え慌しく軽い朝食をとった後にヴィクトリーヌとレイラとの打ち合わせを行っていた。

「ヴィクトリーヌさん、レイラさん。おはようございます」

朝の挨拶を交わし軽い雑談を終える。

「昨日の男爵からの報告ですが、領民の死者はいませんが漁師が二人と街外れで家一軒が消えて無くなっています。“忌まわしき出来事が発生してから行方不明が八名となっています。ただ身元不明の死体が六体分確認されていて一人分は地上で次元の壁に呑まれたと想定できます。街より外の被害は昨日の通りです。それと」

クリスは現状を述べ男爵に指示した内容を続けて説明し雑談と言う名の非公式な会議に入った。ソフィアを含めた迎賓棟のお嬢様たちの動向がヴィクトリーヌから説明された。

「レイラさん。実験は進んでいますでしょうか?」

「正直に言ってしまうと、実験の範囲においては人体以外の時間遡及の影響は無いのよ。 転移の事例も可能な限り調べたけど同様だったわ。再確認よ。転移に関して危険があれば転移が出来ないか転移点に戻ってくるのは間違いないのよね。ねぇ、クリスちゃん」

「それは、間違いなく。転移についての最高責任者の私が断言するわ」

クリスは敷地内のすべての責任者だ。当然、敷地内の転移点に関わる全ての責任を担っている。レイラはものごとには絶対は有り得ないことを知っている。ただ、クリスの口からの担保が欲しかった。

「わかったわ。じゃあ、計画を実施する方向で進めましょう。ヴィクトリーヌさん、クリスちゃんは今日のやるべきことをお願いね」


 クリスは膝丈の青いワンピースにボレロ、真珠のネックレスを選びベアータと警護兼侍女を引き連れて外出した。目的地は裕也たちとの待ち合わせ場所だ。簡単な挨拶を交わし料理を供する高級店に入った。入り口付近はオープンテラスになっていてランチを食べている女性兵士や母娘などがいる。中はバーカウンターと壁際にはゆったりとした四人掛けのテーブルがふたつ、角に大きめのがひとつある。

「クリスティアーネ・ロイス様、イチカワ・ユウヤ伯爵様。お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」

支配人らしい男性が恭しく挨拶をして裕也とクリスは奥の個室に案内された。その男性が着席と同時にウエイターとウエイトレスを各々三名紹介した。クリスはウエイターを手で払うように部屋から出し裕也に残ったウエイトレスからひとり選ぶように促した。

 ああ、そうか。食事中の給仕係りを選ぶのだ。えーと、どうしよう。多分、選ばれると給金とかチップとかの違いが出るだろう。悩む。

 その時、クリスの方から異様な空気が流れてきたように感じた。何とは無くクリスを見ると目線が合った。

「し、失礼しました。分かりましたか?無意識に心を読もうとしましたけど……すみませんでした。お詫びします。もう伯爵としての固有能力ができていますね。」

貴族になれば本人が望まない能力は行使できないとか言っていたような気がする。

「いいよ。気にしないで」

 えぇ!、怒るところでしょう。某貴族なら『謝罪と賠償を要求する』って大問題になるのに。全く負の“気”なんて感じない。怒っていないわ。ああ、裕也様で良かった。

 小さく息を吐き、顔を赤らめるクリス。その様子を見た裕也はクリスが能力を使ったことが問題にならないで安堵したと思った。

「それより、ウエイトレスを選びますよ」

東洋系のスレンダーな二十五歳、白人系のグラマーな二十才、東南アジア系の発育途上中の十五才。悩むなあ。目を見てみると東洋人は顔を笑顔でも目が『どうでもいい』と語っている。白人系は『選んで当然』の目をしている。東南アジア系は『どうか選んで下さい』と目が訴えている。

「扉に一番近い人でお願いします」

一瞬だがクルス以外は驚いた。その中でも白人系の女の表情が大きく変わった。だが、それも刹那で終わる。

「では、サリーでよろしいでしょうか?」

裕也に代わりクリスがウエイターを手で払うように部屋から出したように身振りだけで退出させた。サリーはにこやかに給仕の仕事についた。

 食事は地上で見慣れたサラダから始まり冷たいコーンスープ、白身魚とホタテのバター焼き、続いてステーキが出た。肉は若干の臭みがあるが香味野菜を上手く使っていた。食事中はクリスが妹について、仁鶯におう学園中等部の三年に九月から編入し来年は高等部に進学するなど説明していた。ステーキを食べ終わるとフルーツが出た。

「裕也伯爵。フルーツを食べ終わりましたら、この店の総支配人と面談の約束をしておりますので二時間ほどお店で休養していてください。じゃあ、裕也伯爵をお願いしますね」



「伯爵様、クリス様より全て説明せよ。とのことですから包み隠さず申し上げます。但し、この内容につきましては他言無用でお願いします」

「デザートとコーヒーを持ちしました。改めまして私はサリーでございます。本日のお戯れの相手にご指名頂きありがとうございました」

サリーが笑顔でデザートとコーヒーを供し挨拶をして部屋の隅に退いた。それを確認した支配人は小声で裕也に話しかけた。

「サリーは当店で一番お勧めの女の子ですが、なぜか指名がなく困っておりました。伯爵様が男性では初の指名でございます。色々とご教授くださいますようお願いいたします。お気に入られましたら大金貨十枚で身受けできます」

裕也は“戯れの相手とか”お勧めの女の子“の単語でおよその察しはついた。決定的な言葉は”身受け“だ。

「なるほど、借金のかたとして、ここで働かせているのだろ。大金貨十枚とは安いかただな」

「いいえ、誤解されているようです。その様子でしたらクリス様から何もお聞きになられていないでしょう。御察しの通りの娼館としての役割もございます。娼館と申し上げても貴族様かそのご家族のご利用とクリス様の指示でしか娼館として機能させることはありません。今回はクリス様からの接待の指示によるものですから最大限の優遇をさせて頂いております。サリーの場合は通常の大金貨三〇枚のところ接待のお客様に関しては半額に、さらに最大限という指示ですから、特別でございます。参考までに黒髪の女の子は通常は大金貨五〇枚、金髪の方は四〇枚でございます」

 家政婦ハウスキーパーの給与が二〇万円程度として大金貨一枚。だから大金貨五〇枚は約1千万円、高いのか安いのか分からない。地上の世界では人身売買についての国際条約があり多くの国が批准している。それも戦前から幾度もだ。それにしてもクリスが関わっているとは。

「そのクリスさんからの指示は数多くでているのか?」

「いいえ、ここでは年に一度あるかどうかでございます。ただ迎賓棟に呼ばれることは多々あります。男娼も含めてですが」

「男娼?先ほどの男性がそうなのか?」

「はい、左様でございます。迎賓棟で何が行なわれているのかは存じておりません。娼婦も男娼も迎賓棟でのことは口外できない規則になっております。もちろん、そこで得たお金も同様でございますが自ら自分自身を”身受け“出来ますのでそのお金のほとんどが娼婦も男娼も”身受け“金として店の金庫に納めます。彼ら、彼女たちも自分でもお金を使いますから幾ばくかは残します」

「クリスさんとこの娼館との関係はどのようになっているのか?」

「伯爵様はご存知ではなかったのですか?ここはクリス様の承認を得た公営の娼館です。大公様の領地では全て公営の娼館のみで私娼は禁止されています。先代の大公様が娼館や性的興味を満たす全てを禁止しましたが地下社会で私娼や人身売買が広まって、むしろ風紀が乱れました。その反省で始めたのが公娼制度です。ご説明より実際に楽しんでください。サリー、お相手を」



読んでくださってありがとうございます。

感想は当然ですが、誤字などの指摘、ご意見があればお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ