背後霊に任命されました。
「こんにちは」
僕は背後霊をやっています。
"今は"この少年の裏についてます。
この少年というと、名前は"風磨"、学校ではごく普通の友達とワイワイやっている、テストもほぼ平均点。ごく普通の少年だ。
僕が風磨の背後霊になったのは、たった一週間前だ。つき始めた時はごく普通でつまらないと思っていた僕も数日間ついている間に気持ちが変わり、少しずつ興味を持ち始めていた。その理由はのちのち話そう。一つだけ言えるのはこの少年はごく普通なんかではないという事だ。
死後の世界には三種類ある、そうだ。
天国、地獄、霊世。
そして僕はその霊世にきた。
霊世には前世でやり残したものがあるものが集まる。そして、霊の世界に来たと同時に霊長、オルガティスからある仕事に任命される。オルガティスとは霊世に来た者などを管理する人らしい。天国か地獄に行くか判断する閻魔大王のようなものだ。
長い髭をはやし、眉間にシワを寄せ、いつも機嫌の悪そうにしている、そしてデカイ。簡単に言えば閻魔大王に似ている。
オルガティスに話しかけられた時はパニックになった、そりゃ目を開けたらいきなり巨大な怖い顔した奴が目の前にいて話しかけられるんだぞ?
「名前は?」
とても低い声でそう問い掛けられた、最初はパニックで名前が出てこないのかと思った、冷静になってみても何故か名前がでてこない。考えている間にもオルガティスは黙っていた。何分立っただろうと考えているとオルガティスが口を開いた、
「お前、記憶がないのか?」
はて、そうなのか、名前が出てこないと言う事は記憶喪失なのか?と思い始めた頃、オルガティスはこれから面白い事でもあるように不気味に笑っていた。
そして、不気味に笑いながら
「お前をこの少年の背後霊に任命する。」
と言われた。
僕は霊世の星空に囲まれた、でも雨の降っているような世界を遠い目で眺めていた。