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OM

遅れてすいやせんっ!

時は現代・・・・・・

人類はある新エネルギーを発見しそれにより現代科学は比較的に開花した。これにより残り少量だった資源を燃焼されなくなり世界は安定した平和を手に入れた。

このエネルギーを発見したのは当時はまだ小さな会社だった会社『RAGUNAROKU』

彼らはこのエネルギーを提供することで超巨大産業に生まれ変わったのだ。











永遠の楽園(パーフェクトエデン)

超巨大産業『RGUNAROKU』の本社が街の中心に位置し、その半径500Km以内では新エネルギーが無料提供されるため多くの店舗や住民が移住してくる大都市である。


「・・・・こんなものですか」


「ち・・・くしょ・・・う」


とある路地裏で顔の悪い学ラン男が白いスーツを着た長身の男の前で膝をついていた。長身の男の胸には『RAGUNAROKU』と書かれている。


「さて、あなたの魂から〝力〟だけをいただきましょう」


「なんだって・・・・待ってくれ!この力がないと・・・・」


「聞く耳持てませんよ」


学ランの願いを押しのけ男の目が淡い水色に光出した。それに応えるように学ランの目が緑に光だし数秒で消えていった。それと同時に学ランは意識を失う。


「・・・回線接続」


男の言葉に瞳が輝く。今、彼の目にはこことは別の場所が映し出されている。

そこに映っているのは暗いオフィスにいる一人の人物・・・・


『・・・本人と接触しましたがもはや力に飲み込まれていました』


『そう・・・・力だけでも回収したなら戻って』


『かしこまりました。・・・・回線終了』










◆◆◆◆◇◇◇◆◆◆◆









「はぁ~」


携帯ショップの前で左目が赤く、右目が青い少年が疑りながら目の前の商品を見定めている。それはつい最近発売された『RAGUNAROKU』社製のコンタクトレンズ型モバイル・・・・『OM(オム)

そんな彼の横から長髪の女性が首を突っ込んできた。


「もしかして、『OM(オム)』は初めて?」


「えあ!?・・・まあな。こんなもので大丈夫なのかと・・・その、えっと・・」


「?・・・ああ、私の名前は天崎白羽(てんざきしらは)。あなたは・・・新条敦也(しんじょうあつや)君だよね?」


「何で知って・・・って、たしか・・クラスメイトだったな。ははは」


一瞬、顔を忘れていることに自虐ぎみに笑う敦也。といっても、彼はしばらくの間学校に行っていないので記憶があいまいになっているかもしれない。

そんなことを気にしていないように白羽は置いてある『OM』の展示品を手に取る。


「『OM』は普通のコンタクトレンズに見えるけど中には膨大な情報量を有している端末・・・たしかに目に入れるから抵抗ある人もいるみたいだけど馴れれば自然に感じるわよ」


「いや、俺が言いたいのは・・・・・『目色変換システム』の事で・・」


『目色変換システム』

それは『OM』の装着者の目の色を好きな色に変更できるシステム。言うなれば一つで様々な色合いになるカラーコンタクトのようなものである。


「・・・そうね。最近じゃあなたみたいな虹彩異色症の人が急激に増えてきているから・・でも、これなら心配いらないわ。逆にしてないのはあなたぐらいよ」


「ですよね~でもさ、目に入れるのって抵抗しない?」


「さっきも言ったでしょ!馴れれば平気よ」


何やら押しが強い気もするが勢いで『OM』を手に取り、そのまま会計へと足を進める。

そんな敦也の背中を白羽は見つめる・・・・・いや、正確にはこことは別の場所(・・・・・・・・)をみていた。


「・・・・はい、最後の一人も購入しました。ちょうどクラスメイトだったので楽でしたね・・・はい、回線終了です」


「・・独り言を言っているみたいで気持ち悪いですよ。白羽さん」


いつの間にか長身の男が白羽の後ろに立っていた。白羽は確認するまでもなく、ただ顔を向けずに男に話し返す。


「いつの間に・・・なんてセリフは言わないですけど、もう終わったんですか」


「そうですね。すでに社長には報告しております・・・・それより彼が最後の?」


「そうです。今夜あたりには向こう側(・・・・)にたどり着くはずです」


「ところで・・・」


男は言葉おおいて白羽から約3m離れる。声が続かないので白羽は不意に後ろを向くと男が膝をついてクラウチングスタートのポーズを決めていた。

一体何がしたいのかわからず唖然としていると・・・


「・・・服の値札、取った方がいいですよ!(ダッ!!)」


「えっ!・・・・なんで今まで黙ってたのよ!!」


その日、平然とした顔で豪快に走る男を追いかける長髪の女性が店の中を暴走するという緊急事態でその携帯ショップは創立してたった2年で幕を下げたのであった。

















敦也自宅

通っている高校から少し離れた場所にあり、何気なく一軒家の自宅で購入した『OM』とにらみ合っていた。ちなみに一人暮らしで親から仕送りさせてもらっている。


「・・・・今度こそ!」


勇気を振り絞りケースから『OM』を取り出し目に近づける。だが、目に接触させようとすると同時に小さな電流が走り激しい激痛が襲ってくる。


「うがああああっ!・・・ちくしょう、マジいてぇ~」


手に入れたのはいいがなぜか拒絶されているみたいに付けれなかった。ただ合わないだけかもしれないが保険書は意味がなくなっていて(店がなくなった意味で)返品も効かなくなっている。

すでに挑戦して3時間、外は薄暗くなっており夕飯時である。


「しょうがない。飯食った後で再びチャレンジしよう・・・・」


『・・・テキゴウシンサシュウリョウシマシタ』


「へ?なんだって・・・」


もうわけがわからなくなり保険書と一緒に入っていた説明書を見直す。すると最後のページの隅に青い文字で何か書かれていた。

それは本当に小さくてはっきりみるには虫眼鏡が必要じゃないかと思うぐらいである。


「なになに・・・・・『警告 購入時のOMはかなりハードでさらに静電気をかなり蓄えています。装着する際は3時間まってからにしてくださいね。その間にカップ麺を60個食べていればいいかも♪』・・・・ふざけんな!!そんな大事なこと、こんなに小さく書くなあああああああああっ!!!」


さっきまでの苦痛を我慢していた敦也にとってはかなり頭にくる警告である。制作者の悪意をかなり感じるがすぎてしまったことを悔やんでも仕方ない。

湧いてくる愚痴を押さえながら『OM』を手に取る。たしかに最初とは違い、すんなりと目に取りつけることができた。


「おおーたしかに楽だ。・・・・そうだ・・」


ある事を思いだし、洗面所の鏡の前に立つ。そこにはオッドアイの目ではなく普通の両目が同じ色で映っていた。それでかなり安心したのか彼は激しい脱力感に襲われその場で倒れてしまう。


「う・・・なんで・・・・眠く・・・」


『・・・ガイブリンク、ロストエデン』





場所は変わり『RAGUNAROKU』本部

最深部にある巨大なコンピュータールームに中枢の塔を中心に何人もの白制服の人たちが休む間もなくキーボードを打ちつけていた。

そんな彼らを長身の男が上部の球体からその様子を見つめている。球体は塔に乗っている状態で見た感じではかなり不安定そうだがそんなことも気にせず中心で仁王立ちしている者がいた。


「・・・・・・・」


「・・・社長、いい加減に腰を掛けたらどうですか。まだ2時間ありますし・・」


「ふん、心配されんで・・もない・・わ。ぜん・・ぜん・平気・・・・だ(ブルブルッ)」


ポニーテールで左目に眼帯をしている女性が・・・・今にも崩れそうな勢いで足を震わせていた。

さすがに4時間以上も仁王立ちしていれば足が大変なことになるのは当たり前なのだが・・・いつ倒れてもおかしくない状況だ。そんな彼女をどこから来たのか白羽が強制的に椅子に座らせた。


「ちょっと!そこまでしないでくださいよ社長!!」


「・・・フンッ!」


少し顔を赤めらせてそっぽを向いてし合った女性に白羽は「はいはい・・」と軽く流す。だが長身の男に目を向けると・・・突然飛び蹴りを繰り出した。

長身の男は慌てることなく振り向きながら右手の手首を回転させて受け止めた。


「・・・何するんですか?」


「昼の事は忘れてないわよ。誰のせいであの店の始末書!書かなきゃいかないと思ってんの・・」


「あなたの所為でしょ・・・・値札を切らないか・・・」


「黙ってなさい!皇我(おうが)!!」


止められた足を軸に体を捻って長身の男・・・皇我から飛び離れる。白羽の体重を支えていた右手をさすりながら服が一瞬歪んだ。昼間とは違い対照的な黒いスーツに変わってゆく。

対する白羽も黒い制服に身を包んでいた。今にもここでバトルファイトを始めそうな最中、突然、足元から大音量のアラーム音が鳴り響いた。


「えっ・・・・何」


「・・・・・」←(ズッコケ気絶)


「・・・何事だ。社員番号007!!」


『それじゃどこかの諜報員みたいじゃないですか!?』


ホログラムディスプレイから眼鏡をかけた女性が激しくツッコンだ。たしかに某イギリスの諜報員と同じ番号だったのは事実なのだが・・・それは置いといて眼帯の女性はそれを無視し、眼鏡の女性は手元のキーボードを操作しながら原因を報告した。


「そんなことより、原因は・・」


『・・・どうやら何者かが時間外で『失われた天界(ロストエデン)』に介入した模様で・・・』


「フッ・・・バカな、プログラム上ではあと2時間なければ向こう側のアクセス認証できない設定だぞ。それとも・・・まさか神界側からのリンクか?」


『違います。こちら側からのリンクです』


「・・・まさか彼がリンクしたのか」


「ちょっと待ってください!彼の購入時間を考えるとまだ外部接続ができないはずです。そのまえに取り付けてもその後の手続きを兼ねないと・・・」


プログラム設定ではありえない事態に困惑する中・・・一人だけその場から離れ、静かに『OM』を起動させていた。


「・・・社長、私が出向きます」


「ん?・・・ああ、頼むぞ。・・・・それよりシステム上ありえんものはありえんのだ!!」


「そうですよ。それに説明書を読めば誰でも夜まで待ちますよ!」


『・・・ごめんなさい。それは・・・・』


暑くなりすぎる議論を無視して皇我は『OM』のメニュー覧を開く。中には『外部リンク』『直接接続』など・・・どこぞの白兎のアイコンは見ないこととして、外部リンクから『ロストエデン』のファイルを開く。

だが開いたのはいいが接続するのにためらう。それでも何かを決めたようにアイコンを押す。


「・・・外部リンク、ロストエデン」


『ニンショウシマシタ』


『OM』より放たれた音声と同時に青く輝きだし、あたりを包み込んでいった。光が止むとその場に崩れるように倒れこむ。まるで眠るように・・・・・





◇◇◇◆◆◆◇◇◇






「どうなんだろうか・・・」


敦也が目を覚ますとそこは世紀末・・・・・程ではないが荒廃した世界が広がっていた。上を見ると灰色の雲が覆っており、周囲には建物の瓦礫が散らばっていた。だがもっとも驚くべきところは〝なぜこんなところにいるのか〟と・・・見覚え(・・・)があるところだ。


「すげ~懐かしい感じがする・・・って、家は!洗面所は!カップ麺は!!」


軽くボケてもツッコム人もいないので完全に白ける・・・・ただじっとしててもしかたないと思い、立ち上がってみるがさらにおかしいことに気付く。


〝俺って・・・・浮いてる〟


「えっ!待ってっ!マジで・・・・浮いてる」


確認するため足元を見るがやはり地面から10cmぐらい浮いていた。別に自分に翼が生えたわけでもなく幽霊になったわけでもない・・・・と思うがある意味意気消沈した。


「ちくしょう・・・・クラスでも浮いてたけどまさか現実に浮いてしまうとは・・・・・」


『・・・・あれ~まだ遊びの時間じゃないけどな~』


「へっ?」


おもわずアホな声を上げて上を見てみると、そこには〝天使〟がいた。

ただ背中から翼のようなものを出しているので敦也には天使と認識しているのだが説明すると・・・黒鉄の剣を携え、翼以外が機械的なものに包まれている・・・そんなものである

その天使らしきもののから先ほどの声と同じ声が響いてきた。


『あっ!もしかしてキミ新しい奴?だったら時間外にこんなところにこないよね~』


「・・・なんの話だ・・・っよ!?」


質問すようとした矢先に翼から無数の羽が飛ばされてきた。突然の事に無意識かはたまた本能か・・・敦也はすべての羽をバックステップで回避し、さらに近くの瓦礫を蹴り飛ばすという普通の人ではありえない技をして見せた。

しかし、飛ばされた瓦礫は天使にヒットする前に携えられていた剣で粉々に砕かれる。


「・・・あれ?俺今・・何したんだ」


『へ~・・・面白いね。姿を変えないでもそこまで動けるなんて・・・楽しいゲームになりそうだね!!』


天使が剣を仕舞うと突き刺さっていた羽が地面を伝いながら辺りを切り裂き始め、仕舞いには敦也をも切り裂こうとした。でも、やはり巧みに攻撃を回避するとそのうちの一枚の羽を掴み瓦礫に叩き付ける。その際に生じた砂煙により敦也の姿が完全に見えなくなった。


『(たった一枚で瓦礫を砂煙に変えるほどの腕力を変化しないで使えるなんて・・・)でも、こんなものじゃ隠れられないでしょ』


操作していた羽を使い、あたりの砂煙を掻き消すように吹き飛ばす。しかし、吹き飛ばしている間に逃げたのか姿形も見当たらない。

しばらく動かなかった天使だが地面に這わせている羽を空中に離脱させると笑い声をこぼす。


『あははははははっ!!本当におもしろいな~・・・ちょうどいいや、新しいおもちゃ(・・・)の性能を試してみよーっと』


まるで新しい遊び道具を見つけた子供のような声で大笑いしながら何かを引っ張り上げた。煙でよく見えないがその姿はまるで竜のような姿だった。






色々考えながらやっているといつの間にか一週間以上経っていていました。

次話ももしかした遅くなるかもしれませんが・・・ご了承ください(ペコッ)

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