表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NewLifeOnline  作者: Umi
第1章 酔いどれの鬼たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/58

第19話 進化

「進化したの!?」


「きゅう!」


 マジッククロウの討伐でLv15に至ったホワイトラビットのカグヤは、ルナラビットという種族へと進化した。

 サキはそんなカグヤを抱き寄せた。そして全力でモフる。モフる。モフりまくる。

 モフられているカグヤも満更でもないのか、楽し気な鳴き声をあげている。

 そんなサキたちの触れ合いを邪魔する存在がいた。倒すのを後回しにしていたスモールワームだ。彼女の背後から静かに近付き、口を開いて襲い掛かった。


「邪魔しないでよ」


 感覚が鋭いサキにはバレていた。

 胸元に抱き寄せたカグヤには当たらないように刀を鞘から抜き、スモールワームを一瞬にして細切れへと変えた。


「強くなったんだね!!」


「きゅう!!」


 邪魔ものが消え、再びモフりタイムへと突入する。フワフワとした純白の体毛をモフり、そして吸う。傍から見ると変態的な行動だが、モフリストからすれば日常だ。

 しかしサキの仲間にはモフリストではない者もいた。


「さ、サキお姉さん? 何をしているんですか」


「カグヤをモフっているんだよ。こんな魅惑のモフモフを前にして、モフらないというのは失礼まであるよ!!」


 サキは、幽霊少女のことをモフモフの沼へと引き摺り込もうとしていた。そこは底なし沼であり、一度踏み入れたら、満足を知らない人間になってしまう。否、満足を知らない幽霊になってしまうだろう。


「ハニービーを探しましょうよ」


「……あっ」


 幽霊少女は目の前の堕落した人間を見て、モフリストには絶対にならないという確固たる決意を持つことになった。


「ごっほん、そうだね。早く“西の森”を目指そうか」


「はい」


 幽霊少女のおかげで、サキは元々の目的を思い出すことができた。

 その後、襲ってくるモンスターを撃退しながら、無事サキたちは“西の森”に辿り着くことができた。


「ついに“西の森”に辿り着いた」


「あとはハニービーを探して、倒すだけですね!」


「よーし、探すぞー!」


「おー!」


 掛け声は森の中に響き渡った。

 当然、その大きな声はモンスターの耳にも入る。声に釣られて近寄って来たのは、運よくハニービーの群れだった。


「ちょうどいいや」


 サキは腰を落とし、抜刀の構を取る。

 ハニービーたちはお構いなしにお尻から針を突き出し、サキへと突き刺そうとしていた。


「“春風流・居合斬り”」

 

 抜刀からの5連撃が目にも留まらぬ速さで行われた。。当然ハニービー如きでは、その斬撃に反応できず、攻撃手段を見せる前にポリゴンとなって消えて行った。


「ふぅ、倒すのは簡単だったけど、ドロップ率が渋いなぁ」


 サキがエンカウントしたハニービーの数は10匹だったが、手に入れることができた蜂蜜は1個のみだった。つまり簡単に考えれば10%の確率で落とすことになる。クエスト達成のために5個集めるとなると、あと40匹倒さなければならない。


「まあ適当に倒していけば、いつかは集まるでしょ」


「サキお姉さんの実力なら、簡単に勝てますもんね」


「いや、そこまで強くないよ。たまたま警戒されていなかったから、簡単に倒せたけど、警戒されていたら苦戦していたと思うよ」


「そうなんですね……あっ、次のモンスターが来ます」


 その言葉に反応したサキは、幽霊少女が見ている方向に目をやった。そこには黄色の体毛、ずんぐりむっくりとしたボディ、そして漂う蜂蜜臭、かの有名なクマによく似たモンスターが居た。


「ハニービーの次は、ハニーベアーかぁ。同じようにはいかないよね」


 サキは最初から刀を抜いた。

 そしてハニーベアーが吠える。


「グロォォォォ!!」


 体格は違えど、その鳴き声はブラウンベアーと変わらなかった。

 小さな足を動かし、襲い掛かって来た。小さな手から飛び出る鋭い爪での引っ掻きは、大きな裂傷をもたらすと思われる。だがそんな驚異的な攻撃手段を持っているモンスターを前にしても、戦う気はあまり起きていなかった。


「ぽてぽてしていて可愛いなぁ」


「ぽてぽて?」


「なんかふっくらしていて、まん丸で……まるで人形みたいじゃない?」


「確かに人形っぽいですね」


 サキは幽霊少女と会話しているつもりだが、ハニーベアーからすれば、己という敵を前にしていながら、独り言に励む……一種の煽りのように見えていた。


「グロォォォ!!!」


 キレた。ハニーベアーがその温厚そうな見た目とは裏腹にブチギレた。怒りの感情のままに、爪を突き立て、引っ掻こうとしてくる。


「放置してごめんね」


 サキは、ハニーベアーの怒りに任せて振るわれる単純な攻撃を刀で捌いていく。彼女としては、ハニーベアーは可愛らしい見た目をしているため、テイムするつもりだった。

 しかし思っていた以上にハニーベアーの猛攻が激しく、テイムする余裕がなかった。


「――っテイムは無理そうだよ」


 テイムのため、受け身に回っていたサキだったが、テイム成功の可能性を見いだせず、仕方なく攻勢に移る。


「ごめんね」


 火花を散らしながら刀と競り合っている腕を弾き飛ばし、その小さな身体を蹴り飛ばした。思った以上に体重があり、足にヒビが入ったような感覚に陥ったが、即座にヒールをすることで、問題なく追撃に移れた。


 樹木に激突し、頭が揺れているハニーベアーの首へと刀を振り払う。


「硬ッ!? でも斬れない硬さじゃない!!」


 刀は一瞬、強靭な毛皮に拒まれたが、全力を腕に籠め、そして振り抜いた。

 ハニーベアーは首が飛ぶのと同時にポリゴンとなって消えた。


「ふぅ、勝てたよ」


「やっぱり強いです!!」


「きゅう!!」


『スキル 【刀術】が【刀豪術】に進化した』



 tips

・スキル

スキルごとにレベルの上限が違い、上限に達すると進化するスキルもある。

例:刀術Lv10→刀豪術Lv1



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ