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NewLifeOnline  作者: Umi
第1章 酔いどれの鬼たち

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第1話 ログイン

「ねぇねぇ美咲、私と一緒にゲームしない?」


 高校1年生の春風美咲は、幼い頃からの親友である二条咲良からゲームをやらないかと持ち掛けられていた。


「咲良も知ってるでしょ。私が大のゲームオンチってことを」


 しかし昔からゲームが苦手な美咲はすぐに断った。それは自分が苦手というのもあるが、下手すぎて一緒にやる相手に迷惑がかかると思ってのことだ。


「今度のゲームは違うんだよ! VRゲームだから、現実での感覚のままゲームの中に入れるんだよ!」


「あー、あれね。何回か広告で見たかもしれないなぁ。でも完成度が高すぎて、発売前なのに予約でいっぱいなんでしょ? そもそもVR機器とゲームを買うお金なんてないよ」


「資産家が何言ってんだ……と言いたいところですが、なんと! 今だけ無料で私が提供しちゃいまぁーす!!」


「流石に悪いよ」


 二条咲良、彼女は日本有数の新興財閥・二条財閥総裁の娘だ。順調に進めば彼女は次期総裁の立場に居る。その立場に胡坐をかくわけでなく、自分でも様々な事業を学生ながらに行っている。

 そのため彼女自身の資産からすれば、VR機器とゲームを買うお金などはした金に過ぎないが、庶民(笑)の美咲からしたら高価なVR機器とゲームを無料で貰い受けるわけにはいかなかった。


「いや、いいのいいの。私はβテスターに選ばれているから、1セット余分に貰ったんだよね」


「……そう? ならありがたく貰っておくけど」


「正規サービス開始は明日の午後からで、アバター設定だけは30分前にできるようになるから、それまでにトイレとか済ませておいてね」


「ゲームが始まったらどこに集合するの?」


「誘っておいて悪いんだけど、私次のテストで赤点を取ると、留年ぎりぎりになっちゃうから、1週間はゲームができないの。だから私が始めるまでは1人で頑張って!」


 富、名声、力、この世の大半を手に入れられる立場に居る彼女にも弱点はあった。それは頭脳だ。ただ地頭はいいので、勉強さえすればテストで高得点を取ることができる。しかし彼女は興味のないことに対しては、時間を使わない主義なため、テストでは赤点前後を行ったり来たりしていた。


「えっ、そんなの聞いてないよぉ!」


「だって言ってなかったし……でもまあ、これでも私は元プロゲーマーだから、すぐに追いついてみせるよ!」


「それを心配しているわけじゃないんだけどなぁ……まあ1人で頑張ってみるよ」


「うん! 頑張って!!」


 学校が終わった美咲は、咲良からVRヘッドセットとソフトを貰い、自宅へと帰宅した。


 自宅に帰って来た美咲は、すぐに風呂を済ませ、自室のベッドでゴロゴロしながら咲良から貰ったゲームについて考えていた。


「あぁ! やっぱり上手くいく気がしないよぉ!!」


『美咲、うるさいわよ』


「ごめんなさいお母さん!……はぁ、もう寝よ」


 少し声を張り過ぎてしまい、母親に怒られてしまった美咲は、ふて寝で朝まで眠っていた。


 

 ――翌日


「よし、宿題は終わったし、トイレにも行った……アバター作成を始めるかぁ。これを頭に付ければいいのかな?」


 美咲はVR機器であるヘッドセットを頭へと装着する。すると人の声と勘違いしてしまうほどに高性能な、機械音声による音声案内が始まった。


『ようこそVRの世界へ。あなたのユーザー名を教えてください』


 えーっと、ユーザー名だから本名はダメだし……私の名前が美咲だからサキでいっか。


「サキで」


『了解しました。次はサキ様が始めるソフトを入れてください』


 美咲は一度ヘッドセットを外す。そしてソフトをセットしてヘッドセットを装着し直した。


『NewLifeOnlineを起動します』


 真っ白な光が視界を覆う。



『ようこそNewLifeOnlineの世界へ』


 何もない空間、そこには人のような、妖精のような、断定できない何かが浮遊していた。


『私はNLOアバター作成担当の8番Aiです』


 人でも妖精でもなく、そこに居るのはAiだったようだ。


『まずは見た目を決めてください』


 美咲――サキの前に半透明のボードがポップアップする。それは触れようと思えば触れることができ、触れたくないと思えば触れることができない不思議な存在だ。

 そのボードには現実世界の美咲そっくりの存在が映し出されていた。


「見た目かぁ、うーん……私的には変えなくてもいいんだけど、完全に現実と同じだと身バレとか怖いしなぁ……髪の毛と目の色を赤色にしよう。よし、これでお願いします」


 サキは髪色と目の色を情熱的な赤色に変えて、見た目の設定を終える。


『次は初期スキルを3つ、決めていただきます。完全ランダムを選ぶこともできます。完全ランダムでは、選択で選ぶことができないスキルが排出される場合があります。ただ一度ランダムを選ばれますと、スキルを変えることができないので、よく考えてからお選びください』


「スキルかぁ、どんな風にプレイするなんて決めていないからなぁ……別にランダムでいっか。でも咲良は『βテストの時にランダムで限定スキルを出している人なんてほとんどいなかったし、出たとしても組み合わせが最悪な人ばかりだったから、やめておいた方がいいよ』って言われたからなぁ……でも女は度胸だ!! ランダムでお願いします!!」


『キャンセルできませんが、よろしいですか?』


「はい! お願いします!!」


『了解しました……ではステータスと唱えてみてください。見た目を決めた時のボードが出てきて、そこにスキルも書いてありますので』


「……ステータス」


 サキは祈りながら、恐る恐るステータスと唱えた。

 すると先ほどの半透明のボードに似ているものがポップアップする。


――ステータス――

人物

 プレイヤーネーム サキ

 種族 人間

 体力 100/100

 魔力 120/120

 職業 ――Lv0

 スキル 神聖魔法Lv1 テイマーLv1 魔力増加Lv1

 称号

装備

 頭

 上半身    普通の服

 下半身    普通のズボン

 靴      普通の靴

 武器     

 アクセサリー 


――ステータス――


『すごいですよ。神聖魔法は白魔法の最上位スキルです。そして魔力増加のスキルで魔力量が20底上げされています』


「あの職業って何ですか?」


『職業というのは冒険者ギルドで就けるもので、就く職業によって様々な補正が掛かります。補正は職業のレベルが上がるにつれて、強いものになっていきます。そして就ける職業は、持っているスキルやそれまでの行動、獲得した職業によって変わっていきます。職業を大まかに分けると4種類になります。まずは下級職、これはレベル上限が30となっており、簡単に条件を満たせる代わりに補正も軽いものとなっています。次は中級職、これはレベル上限が80まで上がりますが、就職条件がそれ相応に厳しくなります。そして上級職、これはレベル上限が200と飛び抜けて高いですが、かなり就職条件が厳しく、そう簡単には就職できません。最後にUniqueJob、これは1つの職業につき、1人しか就くことができません。そしてレベル上限は存在せず、無限に成長し続けます。職業を一度決めると、基本的に変えることができず、レベル上限に至るまで同じ職業でいなければいけません。そのためUniqueJobに就くときはよく考えてからにしてください。他に質問はありますか?』


「称号って何ですか?」


『称号というのは、それまでの行動、特定のモンスターを倒すなどの条件を達成した際に貰えるのが称号です。称号には追加効果やスキルが貰えたりするものもあります。他に質問はありますか?』


「いえ、ありません」


『ではプレイヤー【サキ】をNewLifeOnlineの世界に招き入れます。もう一つの世界で自由を手に入れてください』


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